成田美寿々プロも使用!エピックフラッシュサブゼロのウェイト外しを試打してみた!
今季すでに1勝をあげている成田美寿々プロ。クラブ契約はフリーでいろいろなクラブを使っているようですが、優勝した試合ではキャロウェイのエピックフラッシュサブゼロドライバーを使っていました。
このドライバー、プロのあいだでも評判が良く、使用者も多いのですが、成田プロはヘッド後方にあるウェイトを外して使っていたということが話題になりました。
けっこう大きなウェイトを外しているのでヘッド重量はかなり軽くなるはずなのですが、それで結果が出ているとなると、ギア好きゴルファーとしてはめっちゃ気になるもの。
そこでゴルフバカイラストレーターの野村タケオとプラスハンデのトップアマが早速試してみました!
撮影/野村タケオ
試打したのはこの二人
左:佐藤順。ハンデ+1のトップアマ。ヘッドスピード47。ほぼストレートで軽く右に曲がるフェードヒッター。ドライバー飛距離は270ヤード前後。栃木県佐野市のゴルフショップ「アフターゴルフ」店長。
右:野村タケオ。ヘッドスピード42くらい。いかにもアマチュアなスイングで、捕まえるのがあまり上手くないフェードヒッター。スピン量が多め。ドライバー飛距離240ヤードくらい。ゴルフバカイラストレーター。
どこのウェイトを外したの?
エピックフラッシュサブゼロ(以下サブゼロ)にはソールに2つのウェイトがあります。
フェースに近い部分にある丸いウェイトが2gのもので、後方にある可動式の「ペリメーターウェイティング」と呼ばれる部分のウェイトが12g。成田プロはこの12gのウェイトを外して使っています。
プロは自分の好みやシャフトなどとの相性を考えてウェイトを付け替えたりするチューニングをしてることはあると思いますが、完全に外してしまうというのは珍しいのではないでしょうか。
しかも12gといえばヘッド重量からすればかなりの重量。クラブバランス的にもかなり影響があると思われます。
まずはウェイトを外さない状態で試打!
野村「この前優勝した成田美寿々プロがキャロウェイのサブゼロのウェイトを外して使ってたってニュースが話題になってたけど、順ちゃんそのニュース見た?」
佐藤「見ましたよ。成田プロはPXGのドライバーを使ってると思っていたんですが、キャロウェイのサブゼロを使ってることにも驚きましたし、ウェイトを外してると聞いてもっと驚きました。」
野村「だよね~。成田プロはちょっとマニアックなクラブを使ってるイメージだったから、大手メーカーのドライバーを使ってるのには僕も驚いたよ。それだけサブゼロの性能が良いってことなのかな?」
佐藤「やはり試してみて飛距離が出たってことなんでしょうね。」
野村「僕も最近サブゼロを使ってるからちょっと嬉しい。でもウェイトを外してるってのはどういうことなんだろうね?他にも穴井詩プロも同じようにウェイトを外して使っているらしいし。ウェイト外したほうが飛ぶんだったら僕も外してみようかな~。」
佐藤「ちょうど成田プロが使っているTENSEI CK Pro オレンジシャフトがあるので、野村さんのヘッドに取り付けて打ってみましょう。成田プロは50Ssらしいですが、60Sしかないですけど。」
野村「お~!それは最高やね!ぜひ打たせて!」
佐藤「とりあえずウェイトはノーマルのままで、クラブの計測をしてみましょう」
- クラブ長:45インチ(ヒールエンド)
- クラブ重量:313g
- クラブバランス:D3
- 振動数:266cpm
佐藤「なかなかいい感じのスペックじゃないですかね。このシャフトはカウンターバランスになっててクラブバランスは出にくいのですが、やはり少しヘッドが重いこともあってしっかりとD3出ていますね」
野村「ワッグルするとけっこうしっかりしてるよね~。じゃあ打ってみるね」
バシッ
野村「あ~けっこう振りやすいけど、けっこうしっかりしたシャフトだな~。でも初速は64m/s出てるから、僕としてはなかなか良い感じ。」
佐藤「僕が振ると初速が70m/sを軽く超えるので、やはりこのヘッドの反発性能は高いですね~。」
野村「ヘッドスピードの割には初速が出るよね。しかし初速70m/sとは羨ましい」
佐藤「この状態で凄く良い感じのバランスで振れるのでウェイトを外すとどのくらい変わるか楽しみですね」
ウェイトを外して打ってみた!
佐藤「成田プロたちがやっているようにペリメーターウェイティングに使われているウェイトを外してみました。このウェイトは12gありますね」
野村「ウェイトが無くなるとなんだか寂しいね~。しかし12gってヘッドの総重量から考えるとかなりの重さだよね。これで果たして普通に打てるのかな?」
佐藤「ウェイトを外した状態でもクラブの計測をしてみましょう」
- クラブ重量:301g
- バランス:C5
- 振動数:273cpm
野村「ちゃんとウェイトの重量分だけ軽くなったね。バランスはやっぱかなり下がるね~。C5バランスのドライバーとか打ったことないな~。しかもシャフトの振動数がアップしてるじゃん」
佐藤「ヘッドが軽くなると振動数は上がりますからね。C5バランスは僕もあまり打ったことがないので楽しみです」
野村「じゃあ打ってみるよー!」
バシッ!
野村「あれ?意外と普通に打てる?特にヘッドが軽すぎるとか感じないな~。確かに少しヘッドを感じにくい気はするけど、それはそれで振りやすい気もするね。意外だな~」
佐藤「本当にけっこう普通に打てますね。初速とか飛距離の数値もほぼ変わらない」
野村「僕もヘッドスピードも初速もあまり変わらないな~。もっと劇的に変わるかと思ったんだけど」
佐藤「ただ弾道は確実に低くなってます。キャリーが減る分、ランが出るのでトータル飛距離が同じくらいになってるみたいですね。コースで打つとやはり少し飛距離は落ちるかもしれません」
野村「なるほどね。じゃああまりウェイトを取ることに意味は無いかな」
佐藤「そうですね~、やはりC5バランスだと一応普通に打てますが、試合とかで使うとなると突然ヘッドが感じられなくなってミスショットが出てしまうという怖さも感じます」
野村「じゃあなんで女子プロはウェイト外してるのかね?」
佐藤「おそらくですが、ウェイトを外してヘッド重量が軽くなった分、ジェルなどを内部に入れて自分の使いやすいようにチューンしているんじゃないでしょうか。たとえばフェース側にジェルを入れればさらに浅重心になってロースピンで操作性も高くなります。ヒール側にジェルを入れれば捕まりが良くなるでしょうし」
野村「あ~そういうこともあるんだね。じゃあ僕もウェイトを外した分、鉛をいろんなところに貼ってみて、どんな弾道になるか試してみるってのも面白いかもね」
佐藤「いろいろと試すのは楽しいと思いますけど、基本的にとてもバランス良くつくられているヘッドですから、あまり重量バランスを変えてしまうってのはお勧めしませんけどね。ミート率の高いプロだからこそ、ヘッドを軽くしたり浅重心にしたりしても打ちこなせることが出来るんだと思います」
野村「そっか~、ウェイト外しで僕もぶっ飛ぶようになるのかと期待したけど、そんなに美味い話はないんだね。残念」
佐藤「飛ばしたいなら地道にコツコツ頑張ってください(笑)」
野村「コツコツ出来るなら苦労しないよ~」
誰にでもお勧めできることではないけど
やはり12gも重量が軽くなってしまうというのは、本来のクラブの性能を殺してしまう可能性が高いので、あまりお勧めできることではないでしょう。
しかし、軽くなった重量を鉛を貼ることで他の部分に配分することで、自分がもっと使いやすいヘッドにすることも可能ではあります。特に球筋を操りたい上級者や理想の弾道がある人は、試打しながら少しずついろんなところに鉛を貼ってみて、最適な重量配分を探すというのもいいかもしれません。
ただし、ウェイトを外して使うということはメーカーが推奨していることではありませんので、くれぐれも気をつけてやってくださいね~。
(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ
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