1. TOP メニュー
  2. スコアに効く
  3. 練習方法
  4. 確実に寄るアプローチの打ち方と練習方法|ゴルフレッスン

確実に寄るアプローチの打ち方と練習方法|ゴルフレッスン

2020/12/23 ゴルフサプリ編集部

状況別のテクニックから練習法まで、レッスン・ムックからピックアップしてお届け!

上手くなればなるほどアプローチの面白さが分かりますよ!

Lesson
今野康晴
いまの・やすはる。1973年5月28日生まれ、岐阜県出身。日大ゴルフ部を経て96年プロ転向。2005年の日本シリーズ、09年のダンロップフェニックスなどツアー通算7勝。現在はアマチュアレッスンにも精力的に取り組んでいる。京葉CC所属。

[目次]

シンプルな打ち方を覚えればアプローチがぐんぐん上達します!

アプローチショットはスコアメイクの一番のカギといわれます。グリーンを狙ったショットがすべて乗るわけではありませんから、グリーンの近くからいかにピンに寄せるかが、スコアの分かれ目となるのです。

しかし多くのアマチュアゴルファーは「寄せたい!」と思うだけで、どのような球を打ちたいのか、ボールをグリーン上のどこに落として寄せるのかのイメージづくりができていないように思います。

さらにボールの位置もまちまちですし、スイングも毎回違います。私から見れば、難しい打ち方ばかりしているようにしか感じられないのです。一言でいうと、目的意識のないアプローチ。だから何をどうすればいいかが分からなくなってしまうのではないでしょうか。

プロや上級者たちがいつもピンの近くに寄せることができるのは、ショットのイメージづくりを明確にして、その目的に応じたシンプルなスイングを実行しているからです。

アプローチは決して難しいショットではありません。単純明快な思考でミスがどんどん減り、スコアが良くなっていくのです。自分なりに基本の決め事をしっかりつくり、スコアがまとまりやすいシンプルな打ち方を覚えましょう。

アプローチの王道はスピンがよくかかるピッチエンドラン

(写真)上田桃子/グリーン周りからはピッチエンドランで攻めるケースが多い

上げてコロがすピッチエンドランがアプローチの基準

ボールを上げてコロがすピッチエンドランは、もっともベーシックなアプローチテクニックといえます。ピッチエンドランを基準として、それよりもキャリーを少なく、ランを増やしたい場合はボール1個ぶん右に置きます。

言い換えればランニングアプローチはコロがりを多くしたピッチエンドラン、ピッチショットはボールを1個ぶん左に置いてキャリーを多くしたピッチエンドランというわけです。

ピンまで20ヤードとしてピッチエンドランは、キャリー10ヤードでランは10ヤードを目安に、それよりもキャリーとランの比率を少し調整したければボールを1個ぶん右や左に置くだけでイメージどおりに打てるのです。

A ピッチエンドランを基準として、それよりもキャリーを少なく、ランを増やしたい場合はボール1個ぶん右に置くのです。

B オープンスタンスに構えるため、ボールの位置が右足寄りに見えるが、実際は両足のセンターの前となる。

スイングの軌道はランニングアプローチと同じ。打ち出し角がやや高くなり、キャリーが増える。

キャリーを多め、ランを少なめにしたいときはボールを左に置く

ボールの位置を変えるだけで球筋も自由自在に変化

(写真)片岡大育/キャリーを多く出したい場面ならピッチショット

ボールを上げて止めるピッチショットは、ピッチエンドランのアドレスからボールを1個ぶん左に置きます。

スイングを変えなくてもボールを左に置けばキャリーが増えて、ランが少なくなるだけで、自分で上げて止めようとしているわけではないのです。ただし、どんな場合でも両手を左モモの付け根の前にセットするのが大原則です。

ピンまで30ヤードくらいの距離を想定したレッスンです。ピッチショットのようにキャリーを多くしたいほどテークバックが大きめとなり、ボールの打ち出し角が高くなっていることがよく分かるでしょう。

ボールの位置はピッチエンドランよりも1個ぶん左となる。

ピッチエンドランよりもキャリーが多く、ランが少なめとなるのでバックスイングの振り幅が少し大きくなる。それ以外はピッチエンドランと変わらない。

ボールの落とし場所を決めて打つクセをつければどんどん上手くなる

落とし場所までの距離感で打つことが大事です

グリーンの傾斜も見て落とし場所を決める

多くのアマチュアはアプローチを打つとき、ピンばかり見てピンのほうに打とうとします。私から見ると、いかにも無造作で安易に打っているように思えてなりません。ピンに寄らないのは、結局は打つ前の準備が揃っていないためです。

プロやシングルプレーヤーたちは、アプローチを打つ前の準備を入念に行なっています。まず、ピンの位置やグリーンの傾斜を十分に観察し、どのくらいの高さでどんな球を打ち、グリーン上のどの辺に落とせば、ボールがグリーンの傾斜に乗ってピンに近づくかをイメージします。そしてボールが飛んでいくシーンを映像でイメージしながら素振りを数回繰り返し、そのイメージが消えないうちにボールをヒットするのです。

日本のコースは大抵受けグリーンですから、ピンのほうからラインを描いてボールの落とし場所を設定しましょう。グリーンの右からはフックライン、左からはスライスラインとなることが多いことを念頭に置き、落とし場所に対して真っすぐ構えて打ちます。

大事なのはボールの落とし場所までの距離感でスイングすることです。落とし場所までが20ヤードなら、20ヤードの振り幅で打ちましょう。ピンばかり見ているとテークバックが大きくなりすぎて、インパクトが緩んでザックリやトップなどのミスが生じてしまいがちです。

普段の練習でも30ヤード先のピンを直接狙って打つだけでなく、ピンの手前に落とし場所を設定して打つという具合に実戦的な練習を多く積んでください。

打つ前にボールの落とし場所を必ず決めておく
落とし場所までが20ヤードなら、20ヤードの距離感をしっかりイメージして打つ。

アプローチを打つときは、奥から手前に向かって傾いている受けグリーンが多いことも念頭に置こう。

グリーンの横からのアプローチはグリーン上のラインも見て、落とし場所を決めて打つようにしよう。

距離感はフルショットから「引き算式」で覚えよう

フルショットの自分の距離を把握することが先決

(写真)小平 智/コントロールショットは左右対称形のスイングが理想

グリーン周りからのアプローチはピンまで20〜40ヤードくらいの距離が中心で、スイングの振り幅としては時計の文字盤でいう9時から3時、または8時から4時までくらいが基準となります。

ところが、ピンまで50ヤードとか60ヤードとなるとスイングをもっと大きくする必要性が出てきます。それが距離感を自分なりに調整して打つコントロールショットです。

まず、サンドウェッジでフルショットしたときの自分のキャリーを正確に知っておきましょう。そこから肩の高さ、胸の高さ、腰の高さという具合に振り幅を小さくしていくと、キャリーが段階的にどう変化するかを練習で把握しておくことです。

50Yのショットを磨こう

(左)トップの高さは右肩と右胸の間くらいが目安
(右)フィニッシュもトップと同じ高さ

小さめの振り幅でもインパクトは決して緩めない。インパクトの力の強弱で距離をコントロールするのはやめよう。距離が一定しにくいからだ。

SWのフルショットの距離を先に知ろう
10割の力で振ると距離にバラツキが出る。10球打っても、ほぼ70ヤード地点で止まるような8割くらいの力感のスイングがベストだ。

左手打ちの練習でスイングの軌道を安定させよう

左ワキを固定し、体でスイングする感覚をマスター

私たちプロはクラブを左手だけで持ち、ボールを打つアプローチ練習をよくやります。それと並行して、右手でクラブを打つ練習もします。

目的はそれぞれ違っていて、左手打ちはスイングの軌道を整えて方向性を良くするためで、右手打ちはフェースの面を管理する感覚のチェックに主眼を置きます。

左手打ちは左ワキを固定し、アドレスしたときの左腕の長さをキープするのがポイントです。

ボールを打つときは右手で左ワキを軽く押さえて、左腕とクラブの一体感を意識してスイングしましょう。左ワキを固定して、体の回転でスイングすれば軌道が安定してボールを正確にとらえられます。

構えたときの左腕の長さを変えずにテークバック

左腕とクラブの一体感を意識してスイングする

左腕とクラブの一体感を意識してスイングする

右手で左ワキを軽く抑えて体の回転でスイングし、ボールをヒットしよう。フォロースルーで左ワキがあいて左ヒジが引けてしまう悪癖も解消できる。

松山英樹ら多くのプロも、左手打ちのアプローチ練習を実践している。

歩きながらボールを打つ練習でリズムと間合いを覚えよう

歩行のリズムとスイングのリズムを揃えよう

ボールを縦に並べて、前進しながらボールを打つ練習です。これも自分のリズムを意識しながら打つのがポイントです。歩きながら打つことでインパクトのタイミングが整いやすく、ボールと体の間隔を適正に保つ「間合い」の感覚もつかめます。

ちなみに「アプローチイップスになってしまった」という嘆きの声をよく耳にしますよね。でもアプローチは基本的には、腕は動かなくていいのです。

バックスイングは肩だけを回し、ダウンスイング以降は腰を回せば腕とクラブが勝手に振られるというイメージです。これがアプローチの重要なキーワードであり、イップスになる理由なんて本当はないのです。

(写真)星野陸也/歩くときのリズムを意識すると、インパクトのタイミングが合いやすい

ボールを縦に3個並べて練習する。スペース次第で5、6個並べてもいい。

打ち出す前に足踏みをしながら素振りを数回繰り返そう。

素振りの流れのままで前進しながら1球ずつ打っていく。

協力/京葉カントリー倶楽部

◎全国のコンビニ・書店で発売中!! ※一部、取り扱いのない店舗がございます。
◎WEBからでもご購入が可能です!!
 GOLF TODAYレッスンブック 確実に寄るアプローチ術
◎電話からのお申し込み
 ☎03-5357-8802(受付時間:平日10:00〜17:30)