ゴルフスイング新常識|スイングは「振り子」じゃなくて『吊り子』です
カリスマコーチ、和田泰朗プロによる新常識レッスン
ゴルフクラブでボールを打つには回転運動以外の要素が不可欠で、これまでは振り子運動がその役割を担ってきた。それに代わるのが和田泰朗の提唱する「キープレフト理論」の根幹をなす二点吊り子運動。両手で吊ったクラブを、鐘をつくように動かしながらスイングすることでやさしく打てるという。
[目次]
【ゴルフスイング新常識】カリスマコーチ、和田泰朗プロによる新常識レッスン
前編 スイングは「振り子」じゃなくて『吊り子』です【アドレスのポイント】
後編 二点吊り子スイング【テークバック・ダウンスイングのポイント】
「誰でもシンプルに打てます」
和田泰朗
わだ・ひろあき
1976年生まれ。宮城県出身。2013年、独自に提唱する「キープレフト理論」が認められWGTF(世界ゴルフ教師連盟)会員3万8千人のうち1%しかいない「マスター」となった。
ゴルフスイングは振れば振るほど飛ぶ『二点吊り子』スイングがいい!
クラブは本来二点で吊られています
両手で吊って振ります!
ゴルフスイングの「振り子」と「吊り子」ここが違う
ゴルフスイングにおける振り子運動では支点を中心にクラブと腕が動く。支点とは本来固定されているが、スイングの場合、アドレスからインパクトで支点が移動。左肩を支点とするなら右へ左へと動く。さらにフェースをターンさせるには手首を支点とした振り子運動も必要になる。
スイングの動きの中で、2つの振り子を管理しつつボールを打つのは至難の技。その点、二点吊り子運動では支点が不要。回転運動と合体させるとスイングが安定し回転スピードを上げるほど飛ぶ。
振り子運動:2つの振り子を同時に動かす
肩支点と手首支点の振り子を同時に動かす。また、支点が止まるとミスになるので難しい。
二点吊り子運動:クラブを二点で吊って横に動かす
両手でクラブを吊って持つイメージと体の回転運動を合体させる。
【アドレスのポイント】クラブを吊ったら右にチルト、肩と腕で台形を作る
二点吊り子で振るにはアドレスが重要。「肩と腕でできる三角形」という概念を捨て「四角形」を作りながら構えると正しくセットアップできる。
四角形 ⇒ チルト ⇒ 平行四辺形 ⇒ 台形 の手順で構える
1. 四角形を作る
左手甲、右手のヒラ側が正面を向くようにクラブを持ち体の前に垂らす。クラブが二点で吊られ肩と腕とクラブで四角形ができる。
2. 平行四辺形を作る
上体を右にチルトする(傾ける)。クラブヘッドが下がり肩と腕の形が平行四辺形になる。
3. 右手を左手に近づける
体が右にチルトした状態を保ったままヘッドをボールに近づけつつシャフトの上の右手を滑らせて左手に近づける。
4. ヘッドをボールに合わせてグリップ
ヘッドをボールに合わせてグリップ。グリップエンドの延長線を体の左にキープ(キープレフト)。
クラブの延長線が体の左サイドにキープされる
構える時は真っすぐに立ち、両手の間隔を空けて腕を90度に曲げ、左手甲が上、右手甲が下を向くようにクラブを持ちます。そして、そのままヒジを伸ばしてクラブを体の前に垂らす。こうすると二点でクラブが吊られて(二点吊り子)肩と腕とクラブで四角形ができます。
次に上体をチルト、右に倒します(右側屈)。ヘッドが下、グリップエンド側が上を指してクラブが斜めになり、腕と肩とクラブの四角形は平行四辺形になります。ここではヘッドが地面に届かないのでチルトしたままヘッドを正面に移動させてボールに合わせます。チルトが深くならないように右手を左手に近づけてください。
これでアドレスは完成。クラブの延長線が体の左サイドにキープされます。自然に前傾するので前傾角度は気にしなくてOKです。
グリップはスクエアにしかならない
腕を90度に曲げ、胸の前でクラブを持ってから下に垂らす。
グリップについてはスクエアとかストロングとか考える必要なし。下の方法でクラブを持つとストロングやウィークにはならず、誰もが自然にスクエアになる。グリッププレシャーはクラブの重さを感じられるくらいが適当だ。
「肩と腕でできる三角形」はありえない
スイングでは「肩と腕の三角形を保つ」といわれるが、クラブを持つと右左の手がタテにズレる。両手が重なっていれば三角形だが、わずかでもズレれば構造は四角形。動作解析上も三角形とは言えないため、餅をつく杵やつるはしのように使うのが正解となる。
左右の手が上下にズレているから肩と腕でできる形は四角形(台形)になる。
肩と腕でできる形が三角形になるのは、手を重ねてクラブを持った時だけ。
協力/京王若葉台ゴルフ練習場
GOLF TODAY本誌 No.570 50~57ページより
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