ゴルフスイング“新”基本を三觜喜一がレッスン|4つの練習ドリルも!

「ゴルフの根本は物理学や力学の世界に潜んでいます」と三觜。クラブという物体をどう使えば効率よくボールにエネルギーを伝えられるかが問題で、そこを省いて人の動きにフォーカスするから上達できないという。言われてみればその通り。 ということでクラブの力学にのっとったスイングを教えてもらった
GOLF TODAY本誌 No.570 58~65ページより
[目次]

三觜喜一(みつはしよしかず)
1974年生まれ。PGAティーチングプロ。1999年よりジュニアを中心にレッスン活動を展開。多くのプロを世に送り出すとともに辻梨恵らツアー現役組の指導も行っている
クラブの力学なくしてスイングなし!スイングはクラブの賜物!

クラブをどう動かせば効率よくボールにエネルギーが伝わるかを考えよう!
クラブの力学を優先させてスイングに活かそう!

クラブの重心はグリップエンドとスイートスポットを結んだ空中にある。そのためボディターンでフェース面を変えないとか、フェースを返すという議論になるが、それは考えなくていいこと。クラブの力学を優先することで正解に導かれるとボクは考えます。
スイングイメージは外角低めをバックスクリーンにホームラン!
「道具を使ってボールを打つ動きは他のスポーツでも同じ」と三觜。そこで引き合いに出されたのが野球の外角低め打ち。このイメージで打つとクラブの動きを損なわない。
クラブのヘッドは下から入るイメージ

「ヘッドが下から入る」。悪いことに聞こえるかもしれないが、ボールの上からヘッドが入ることはありえない。

ヘッドが上から入るとゴロになる
ヘッドを上から入れるとボールが上がらない。ホームランは打てずゴロになる。
体はタテに回る

前傾して外角低めのボールをホームランするには、右肩を下にして打つ必要がある。体をヨコに回すとこの形にならないので、左右の肩が上下に入れ替わるよう体をタテに回す。

体をヨコに回すとヘッドが下に動こうとするクラブの力学に逆らうことになる。
遠心力によりクラブが倒れてインから下りる

クラブがインサイドから下りないと外角低めは打てない。ここでクラブが倒れる動きはパッシブトルクといわれるがトルクは本来自ら与えるもの。遠心力により自然発生的に寝たクラブが起きるので正確にはパッシブローテーションになる。
遠心力を得られればバックスイングはどこに上がってもいい

バッターがボールを打ち返す時は打つ前にバットを一旦外側に引く。

遠心力がつけばクラブを上げる位置に決まりはないが、始動で外に上げるとインから下ろしやすい。
重力に従って落ちてきたものを放り投げる
スイングで大事なのはクラブが加速しながらボールの位置に戻ること。それにはいかに遠心力を働き続けさせるかがポイントです。
野球に置き換えると、外角低めのボールをセンターのバックスクリーンにどれだけ強くホームランを打てるか。クラブが上から入ったら絶対に打てませんから「クラブが立って下りてくる」はありえません。
ということで、クラブは倒れて下から入らないといけない。重力に従って落ちてきたものを放り投げていく動作が必須になります。それには体のタテ回転が必要。切り返しの手の位置とか、腰を開くとかは、そもそも考えるべきことではない。外角低めを打つべく、当たり前にクラブが倒れ、当たり前にリリースが行われるべきなのです。
スイング中クラブは引きながら使う
スイング中、クラブに遠心力をかけ続けるにはクラブを引いて扱うことが必要。偏重心のクラブは、押すのではなく引くことによって安定して動く。
クラブを引くことで遠心力がかかり続ける

① クラブを引こうとするとダウンスイングでは手が体から遠ざかる。
② 引き続けることでクラブが寝てヘッドが低い位置から下りてくる。
③ フォローではクラブが投げ出されるから必然的に引っぱることに。

切り返しでは手を右に投げ出すような動きに。クラブが引かれてヘッドが遅れるので遠心力がかかる。
テークバックでは手が体に近づく

ヘッドより先に手を動かす、手を体に近づけるなどテークバックでもクラブを引くことが重要。
力学上クラブは左手で引く以外ない
スイング中に遠心力をかけ続けるにはクラブを引き続けなければいけません。クラブを右手で下ろすか左手で下ろすかという議論がありますが、力学上は左手で引く以外ないのです。
なぜかといえばクラブは重心がズレているから。例えば一本のレールの上にあるクラブを押すと脱線します。でも引くとレールの上を安定して動く。押す=右手で打つですからクラブがズレてしまう。左手で引き続けると安定して遠心力が生まれるのです。
テークバックでもダウンスイングでもクラブは常に引いています。強く引こうとした時に足などの力を使うということで、引く前提がないと伸び上がるだけ。遠心力のかけ方の自由度がプロのフォームの違いに反映されているというわけです。

右手で押す形でスイングすると遠心力が失われてヘッドは減速するばかり。

野球のバッターの場合も同様でバットを引き上げてから振り下ろす。
スイングでフェースが開閉するのは『遠心力』を出し続けるため
スイングではフェースを返すとかフェース面をキープするとかいわれるがクラブの力学を考えるとナンセンス。フェースを返さないと遠心力が失われるからだ。
体の前で時計回りにクラブを回す

「気持ちよく振れない」が正しい悩み方
フェースターンはボールのつかまりと結びつけられますが、そもそも面が変わるとかはどうでもよくて、返さないと遠心力が発生せず再現性も伴わないことが問題。
フェースを返すのはクラブを回し続けるために欠かせない動作なのです。
遠心力がついてクラブがクルクル回るとポンポン当たります。そこで体がタテに動くと加速度が増す。この力学があるから返すのですが、アマチュアは返すと左に飛ぶと思っている。これは返すこととは別でフェースを返して遠心力を止めないことで解消されます。
クラブに遠心力がつくと気持ちよく振れます。悩みは本来「気持ちよく振れない」が正しくて、そうなるのはクラブに正しい遠心力が発生するだけのトルクをかけられないからです。
ワキは閉じてもダメ、開けてもダメ

気持ちよく動いてクラブの遠心力を上げるには、ワキの締め方が大事。開くのは論外だが閉じてもダメ。腕の付け根を胸に当てるくらいがちょうどいい。

スイングした時、左ワキに挟んだタオルがフォローで落ちるのが正解。

上腕が体についたら閉じすぎ、両腕が体から離れていたら開きすぎ。
クラブの力学に逆らわらなくなる4つのスイングドリル
アップターンドリル|体の前にクラブを立てた状態からスイング

このアドレスからスタート。
体の前でクラブを立てた状態でアドレス。このポジションからスタートしてボールを打つ。バットでボールを打つようなイメージで動こう。

外に上げたクラブをインサイドから低く下ろせる。
ボール投げドリル|大きなボールを遠くに投げるように動く
両手で大きめのボールやカゴを持ち、飛球線方向のなるべく遠くに投げるイメージで動く。遠心力を落とさないフェース使いが習得できる。

遠くに投げようとするとフォロー側で右手が上にくる。
コップドリル|ボールの後方に紙コップを置いて打つ
ボールの後方50センチほどのところに紙コップを置き、それに当てないようにボールを打つ。インから低く下ろすスイング軌道が身につく。

コップの代わりにボールを置いてもいいが、若干高さがある方がベター。

コップの外側にテークバックし、内側からダウンスイング。
片手振りドリル|片手で振るとクラブが重力に逆らわない
クラブの重さがダイレクトにかかるのでクラブが動きたいように動く。左手1本では自然にクラブを引きながら体を使って動こう。

重力に従うクラブの動きを邪魔しないことが大事。

クラブを引きながら扱わないとうまく動かせない。
協力/オットチッタ
ゴルフスイング練習器具おすすめ5選
ゴルフサプリ編集部 解説
以下では、ゴルフスイング練習器具おすすめ製品をゴルフサプリ編集部が紹介します。
ゴルフスイング練習器具おすすめ製品の選定はAmazon「ゴルフスイング練習機の売れ筋ランキング」を参考
タバタゴルフ ショットセンサー ドライバー用

タバタゴルフ ショットセンサーは、ショット時のインパクト位置を確認できるシールです。
フェースに貼ってショットをすることで、ボールの跡が青く残るようになっています。
繰り返し練習すれば、自分がフェースのどこに当たりやすいのかを把握でき、スイートスポットに当たる確率を高めることができます。
メーカー | タバタゴルフ |
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製品名 | ショットセンサー ドライバー用 |
パッケージサイズ | 130mm×98mm |
素材 | 本体:紙 |
同梱内容 | 内容枚数:14ショット分 |
価格(税込) | 330円 |
公式サイト | タバタゴルフ公式サイト |
ダイヤゴルフ ダイヤスイング527

ダイヤゴルフ ダイヤスイング527は、室内でも素振りができるスイング練習器具です。
スイング中、ダイヤルで設定したヘッドスピードに達すると「カチッ」という音が鳴ります。
この音を、インパクト直前とフォロースルーのところで2回鳴るようにすることで、正しいスイング起動を覚えられるという仕組みになっています。
メーカー | ダイヤゴルフ |
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製品名 | ダイヤスイング527 |
素材 | ヘッドカバー:EVA樹脂 ヘッド:スチール シャフト:グラスファイバー、カーボン グリップ:合成ゴム ダイヤル:ポリカーボネート |
サイズ | 全長:700mm |
質量 | 約474g |
価格(税込) | 10,450円 |
公式サイト | ダイヤゴルフ公式サイト |
ダンロップ ダンロップ GGF-25302 ゴルフコンパス

ダンロップ GGF-25302 ゴルフコンパスは、普段の練習で見落としがちなアドレスの確認ができる練習器具です。
目標方向と平行に置くことでスタンスラインの確認ができ、付属の直角パーツを使えばボールポジションの確認もできます。
棒の長さは115cmとキャディバッグに収まりやすい長さなので、持ち運びにも便利です。
メーカー | ダンロップ |
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製品名 | GGF-25302 ゴルフコンパス |
素材 | 本体:グラスファイバー 直角パーツ:P.P. |
内容 | 本体:1,150mm×2本 直角パーツ:直径26mm×2個 |
パッケージサイズ | 1,203×22φ(mm) |
価格(税込) | 2,750円 |
公式サイト | ダンロップ公式サイト |
ヤマニゴルフ 内藤雄士の解説動画つき![クイックマスター]パーフェクトローテーション・ライト

パーフェクトローテーション・ライトは、スイングの基本であるボディーターンの動きを習得できるスイング練習器具です。
腕の間にボールを挟んでショットすることで、体のターンと腕の振りを同調させたスイングができるようになります。
内藤雄士プロによる解説動画もついているので、練習の仕方がわからない初心者にもおすすめです。
メーカー | ヤマニゴルフ |
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製品名 | 内藤雄士の解説動画つき![クイックマスター]パーフェクトローテーション・ライト |
素材 | 本体ボール:PVC、ボール用栓・ストロー:PP 固定用ベルト:ラバー |
サイズ | 直径14cm(空気注入時) |
重さ | 約97g |
生産国 | 中国 |
価格(税込) | 1,980円 |
公式サイト | ヤマニゴルフ公式サイト |
エリートグリップ 1SPEED(ワンスピード)

エリートグリップ 1SPEEDは、通常のクラブよりも柔らかいシャフトが特徴です。
柔らかいシャフトで速くスイングするには、クラブの「しなり戻り」を上手く利用しないといけません。
1SPEEDを使ってしなり戻りの感覚を掴むことで、通常のクラブを使った時により速いスイングができるようになります。
メーカー | エリートグリップ |
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製品名 | エリートグリップ 1SPEED(ワンスピード) |
ラインアップ | ホワイト/レッド/オレンジ/ブラック/グリーン |
長さ | ホワイト:30.25インチ レッド:44.50インチ オレンジ:46.00インチ ブラック:45.57インチ グリーン:44.00インチ |
重さ | ホワイト:約435g レッド:約367g オレンジ:約330g ブラック:約345g グリーン:約324g |
素材 | ー |
価格(税込) | 13,200円 |
公式サイト | エリートグリップ公式サイト |
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