「フォーティーン IF700 FORGED」デビュー|かつてない中空鍛造アイアンの秘密に迫る! 第1章
中空アイアンの祖、フォーティーンの歴史を紐解く
フォーティーンは、2020年4月17日に中空鍛造アイアン「IF-700 FORGED」を発売する。中空構造の反発性能と、キャビティ構造の寛容性という2つのメリットを融合させた次世代型フォージドアイアン。今では、当たり前のように各社から発売されている中空アイアンだが、実は世界初の中空アイアンを世に送り出したのは、フォーティーンの創設者であり、クラブデザイナーの故・竹林隆光氏なのだ。そんな中空アイアンの祖ともいえるフォーティーンには、どんな歴史があり、それが現代のクラブ作りにどう結びついているのかを探る。
中空とキャビティのいいとこ取りを果たしたニューモデル
フォーティーンのニューモデル「IF-700 FORGED」は中空鍛造アイアンという全く新しいジャンルのアイテムだ。見た目には伝統的なキャビティアイアンながら、内部構造は中空となっており、高い反発性能を実現。理想的な高い弾道で大きな飛距離をもたらす。また、内部にはポリマー樹脂を採用し、弾き過ぎない心地よい打球感で、フィーリングも抜群。まさに「いいとこ取り」を実現させたモデルだ。
そんな新しいジャンルのアイアンを生み出したフォーティーンとは、いったいどんなメーカーなのか?
まずはその歴史から紐解いてみよう。
今は亡きクラブデザイナー竹林隆光氏が1981年に設立
クラブデザイナー・竹林隆光氏
フォーティーンの設立は1981年。2013年に64歳でこの世を去ったクラブデザイナー、竹林隆光氏がゴルフクラブ設計会社としてスタートさせた。当時は、日本はもちろん、アメリカのクラブメーカーからも依頼を受け、数多くのクラブ設計に携わり、たくさんのヒット作品も生み出してきた。
その中で「自分たちが本当に使いたくなるような扱いやすさを持った本格的なクラブを作りたい」との思いから、現在のクラブメーカーとしてのフォーティーンが誕生した。
2001年12月25日、フォーティーンの冠を有する最初のクラブとなったウェッジ「MT-28」を発売。アマチュアが強烈なスピンがかけられるようにと作ったウェッジだったが、多くのプロゴルファーたちが喜んでこのウェッジを使うようになり、日本プロゴルフツアー使用率NO.1を獲得。高い性能と確かな実績で、瞬く間に多くのゴルファーに支持されるようになった。
翌2002年。またもや竹林氏がアマチュアがやさしくロングアイアンを打てるようにと手がけた中空アイアン「HI-858」が、全英オープン覇者のキャディバッグに入れられていたことで、クラブメーカー「フォーティーン」の知名度はさらに高くなる。今から18年も前に、中空アイアンのヒット商品を生み出していたというのも、驚きの事実といえる。
道具でできることは道具ですませる…を信条に
実は竹林氏が中空アイアンを手掛けたのは「HI-858」が初めてではない。フォーティーンを設立する前に所属していた会社で世界で初めて中空構造を考案し、すでに完成させていたのである。1988年には日本のクラブメーカーの依頼で中空アイアンを設計し、大ヒットさせた実績もある。
竹林氏はそんな昔から中空の利点を見出していたのだ。彼の信条は「道具でできることは道具ですませる」。ゴルファーの技術面を補うのがクラブという考え方だ。そして、クラブ設計にとって「重心」が大切ということをいち早く説いたのも竹林氏だし、今では当たり前のように使われている重心距離や重心深度など、様々なヘッド性能を数値化したのも彼だ。
世界のゴルフクラブの基準を作り上げた者こそ、フォーティーンの創設者、竹林隆光氏だったと言っても過言ではない。
すべてのゴルファーにベストな14本を…フォーティーンの社名にはその思いが込められている
「フォーティーン」という会社名は、そのまま数字の「14」という意味を持つ。この「14」は、キャディバッグに入れることができるクラブの最大の本数を示す数字。「すべてのゴルファーにベストな14本のクラブを」という思いを込めて、つけられた会社名なのだ。
それぞれのゴルファーにとって、ベストなクラブをセレクトして使って欲しい。それぞれにとってのやさしさを感じさせるクラブを作っていきたい。そんな思いが込められている。その思いは竹林氏が亡き後も、社員一人一人の意識の中に組み込まれ、現在のクラブ作りに活かされている。
そして、その思いを受け継ぎながら誕生したのが「IF-700 FORGED」なのだ。