スイングがスムーズになる!! ゴルファーのための「旋回系」ストレッチ
外出自粛で鈍った体をほぐして“アフターコロナ”のゴルフを元気に楽しもう!
長い外出自粛生活の中で、体が鈍ってしまったというゴルファーは多いことだろう。しかし、それも真面目に練習やラウンドを控えて、外出自粛を行なった証と言える。
しかし、非常事態宣言が解除されたこともあり、ようやくゴルフを楽しめる状況になってきつつある。そこで、久しぶりに練習やラウンドに出かけるというゴルファーの体を覚醒させるストレッチをご紹介したい。
講師は、和田泰朗(わだ・ひろあき)プロ。日体大出身でスポーツ医学や生体力学の知識もあり、そうした知識をベースに構築された「キープレフト理論」で話題のプロだ。
スムーズなスイングには「旋回系ストレッチ」が欠かせない
ラウンド前や練習前はもちろん、日常生活の一部に取り入れても得することが多いストレッチ。ケガをしづらい体づくりや健康増進に寄与します。ここではおもにスムーズにスイングできるようになるストレッチを紹介します。
ストレッチする部位は大きく分けて、股関節まわり、肩甲骨まわり、頭蓋骨まわりの3つ。朝しっかりやっていただくだけでなく、ラウンド中でもできるメニューは3ホールに1回くらいちょっとずつやっていただくと、より効果的です。
ゴルフは体の旋回を伴うスポーツ。旋回させるのに一番大事なのが股関節まわりと肩甲骨まわりです。これらの可動域を確保しておかないと捻転や回転がしづらくなります。
その結果、アームローテーションや手首を過度に使って旋回することになり方向性の確保が難しくなります。旋回系のストレッチはゴルフをやる前には絶対に必要なのです。
「旋回系」ストレッチ【1】股関節まわりのストレッチ
股関節まわりのストレッチ|①可動範囲を広げる
股関節の可動域を広げておき、少し揺らしてから大臀筋を伸ばしてあげる。股関節の可動域が広がって骨盤がスムーズに回るようになります。座って行うメニューは普段やプレー前の朝などにしっかりやってください。
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力を抜いて、まずは両ヒザを左に倒します。右ヒザを床にくっつけましょう。
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次は右に倒します。なるべく左ヒザは床にくっつけましょう。
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ヒザを倒したところから上体を起こします。視線は上体が向いた方向に。
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次は両ヒザを左に倒して、上体も左を向きます。
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上体を起こしたまま両ヒザを左に倒します。
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同じように右にも倒します。
股関節まわりのストレッチ|②大臀筋、中臀筋、腸腰筋を柔らかくする
スイングにおいては股関節を開く方向にはあまり使いません。ダウンスイングに入るときに開く形にはなりますが、そこまでの可動域はいりません。
股関節は開くよりも閉じる動きがスイングにとっては重要なのです。その方向の柔らかさを出すには、お尻の大臀筋と中臀筋を柔らかくすることと、開いた股関節をクローズするための腸腰筋をメインに刺激するのがスイングに即したストレッチになります。
「旋回系」ストレッチ【2】肩甲骨まわりのストレッチ
前鋸筋、肩甲下筋、小円筋をストレッチし、肩甲骨まわりの回旋を促します。
肩甲骨まわりのストレッチ|①回旋力アップのウォームアップ
肩甲骨まわりのストレッチ|②肩まわりをやわらげる(1)
肩甲骨まわりのストレッチ|②肩まわりをやわらげる(2)
肩甲骨まわりのストレッチ|③腹斜筋をストレッチ
肩甲骨まわりのストレッチ|④胸郭を回す
「旋回系」ストレッチ【3】首のストレッチ
体幹と末端は逆に動くという法則があって、体幹が左に回ると右手の末端部分は逆に動きます。これと同じで首も頭蓋骨という末端の一部なので、体幹が左(右)に回ったときに相対的に右(左)に向けるようにします。
首のストレッチ
おまけのストレッチ|左の側屈を促すストレッチ
バックスイングからフィニッシュまではヘッド側への出力は一切いらないことがわかるストレッチです。グリップを左に持っていけばフィニッシュまでいける。スイングは反転作用であることがわかります。
取材・文/岸 和也
撮影/相田克己