シブコが「初メジャータイトル奪取から連覇」の偉業に挑む!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.39
20日開幕の全英女子オープンにディフェンディングチャンピオンとして臨む渋野日向子。初メジャータイトルを手にした大会で連覇なるかに注目が集まる。勝てば、最強の女王として君臨していたアニカ・ソレンスタム以来の快挙となる。
シブコが「初メジャータイトル奪取から連覇」の偉業に挑む!
全英女子オープンがメジャーになったのは2001年のこと。つまり、21世紀最初の年である。そこで、21世紀になってから初めてメジャー優勝者に名を連ねた選手を対象に、初めてディフェンディングチャンピオンとして臨んだ大会の結果を調査した。
21世紀に初メジャータイトルを手にした選手は昨年の渋野で42人目。昨年新たにメジャー覇者となった渋野を含む4人はまだ初ディフェンディング大会を経験していないので調査対象は38人となる。最高位は2016年全米女子プロでメジャー初優勝を飾ったブルック・ヘンダーソンの2位。優勝したダニエル・カンにわずか1打及ばず、連覇を逃した。
トップ10に入った選手は7人で、予選通過は28人。予選通過率は76%(欠場者1を除く)だから、前年優勝者としての責任はそれなりに果たしているのではないだろうか。ただし、直近の7例に絞ってみると予選落ちが4例あり、予選通過率は43%に急落。渋野にとってはあまり好ましいデータではない。
前述のように21世紀ではメジャーの初ディフェンディング大会で優勝した例はない。では、それ以前ではどうなのかと調べると4人いた(かつてメジャーとして開催されていたタイトルホルダーズ選手権とウェスタン女子オープンを除く)。古い順にドナ・カポニ、ホリス・ステーシー、パティ・シーハン、アニカ・ソレンスタム。全員が世界ゴルフ殿堂入りしている名選手である。最も新しいソレンスタムは1995年の全米女子オープンでメジャーのみならず米女子ツアー初優勝を飾り、翌年の同大会は6打差で快勝している。ちなみに、1977年の全米女子プロで日本人選手初のメジャー制覇を果たした樋口久子の翌年の結果は14位だった。
一般の大会でも前年優勝者は特別な存在であるが、初めてメジャーを制した大会にディフェンディングチャンピオンとして臨むとなると、より特別感があるものだろう。仮に渋野が勝てばソレンスタム以来で21世紀では初の快挙。コロナ禍をスカッと吹き飛ばすくらいのプレーを期待したい。
メジャー初優勝の大会で連覇を果たした例
選手名 | 大会 |
---|---|
ドナ・カポニ | 1969、70年全米女子オープン |
ホリス・ステーシー | 1977、78年全米女子オープン |
パティ・シーハン | 1983、84年全米女子プロ |
アニカ・ソレンスタム | 1995、96年全米女子オープン |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影/相田克己 本誌編集部
撮影トーナメント/
2008カパルアLPGAクラシック
2019日本女子オープンほか