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バウンスで砂を叩けば砂の爆発力でボールが勝手に出て行く

バンカーショット9ドリル【前編】

2020/08/23 ゴルフサプリ編集部

「バンカーショット上達の決め手は力まかせに振らないことです」と赤坂友昭。腕力に自信のない人でも簡単に脱出できるというからこんなに嬉しいことはない。砂がなくてもできるドリルも実践してしっかりと自信をつけておこう。

レッスン
赤坂友昭
あかさか・ともあき/1985年生まれ、福岡県出身。クラブ力学、運動力学などを日々追及しながら東京ゴルフスタジオ、トータルゴルフフィットネスにてプロからアマチュア、ジュニアまで幅広いレッスンを展開。

ドリル1|線消しドリル

インパクトの打点が安定する

バンカーショットの苦手意識をなくすには、砂の感触に早く慣れるのが一番です。バンカー練習場のあるコースでプレーするときは早めに到着し、スタート前に練習しておきましょう。

ボールを打つ前に砂の上に縦の線を引き、線の上にクラブヘッドを正確に入れて線の左側の砂を飛ばす練習をすると効果的。線の上にうまく入らないようでしたら、腰を低くして構えましょう。

長い線を引いて線をまたぐように構える

自分から見て線の少し左側にボールがあると想定して練習しよう。

線の左側の砂を飛ばす

線の上にヘッドを正確に入れてインパクトの打点を安定させるのがこの練習の一番の目的だ。
バウンスで砂を叩けば砂の爆発力でボールが勝手に出て行く。
線の右側の砂を打ってしまうのは手前をダフりすぎている証拠。

腰を落として構えよう

線の上に正確に入れられない場合は、腰を落として重心を低くして構えよう。軸ブレがなくなり、打点が安定しやすい。
上体を起こした構えではスイング中に体が上下動しやすく、インパクトが安定しない。

ドリル2|右手片手打ちドリル

クラブの遠心力を活用する

バンカーからなかなか出せないという人はクラブを思い切り上から打ち込んだり、力まかせに振り回したりするのが原因といえます。バンカーショットに力なんていりません。それを体感するには右手だけでクラブを持って打つ練習が最適です。

右手だけで持つとクラブが重く感じられますが、重さにまかせてスイングしましょう。右肩を支点にし、右手首を柔らかく使ってクラブを振るのがコツ。クラブの遠心力を利用してフォロースルーへと振り抜けばボールが周りの砂ごと飛んでいき、バンカーから簡単に出せることがわかります。遠心力の活用がバンカー上達の決め手なのです。

右肩がスイングの支点

右手だけでクラブを持つ。右肩支点で振ればスイング軌道の最下点がボールのやや手前側となり、自然にダフらせることができる。

遠心力にまかせて振るだけでOK。ボールが周りの砂と一緒に飛んでいく。

右手だけでクラブを持つと重く感じられるが、体の回転を使ってしっかりバックスイング。
右手片手打ちドリルをすると、力がなくても簡単に脱出できることを体感できる。この成功体験から自信が生まれるのだ。
クラブの重さに委ねて振り抜いていこう。クラブを途中で止めないことが大切なポイントだ。
バンカーの場合、左肩支点で振るのはNG。スイング軌道の最下点がボールの先となり、クリーンに当たってトップしやすいためだ。
ダウンスイングで右肩が突っ込んではいけない。クラブが鋭角に入り、フェースの刃が砂に刺さってしまう。

ドリル3|片足立ちドリル

ダフリ&トップを修正する

自分が生じやすいミスの傾向にマッチしたスイングの修正ドリル。すくい打ちになるためにボールの手前30センチもダフってしまう人は左足立ちで構えましょう。左足軸のイメージでスイングすればボールの2~3センチ手前にクラブを入れやすく、大ダフリを解消できます。

ダウンスイングで上体が突っ込んでトップになりやすい人は右足立ちに構えて練習しましょう。クラブの入射角が緩やかになり、砂を横から払い打てるようになります。

大ダフリ防止は左足立ち

すくい打ちの悪癖を直したい人は左足だけで立つ感じで構えて練習すると効果的。

左足軸でスイング

クラブをボールの少し手前から入れることができ、砂を薄く取って飛ばせるようになる。
すくい上げようとして軸が右に傾くと、スイング軌道の最下点がボールの手前20~30センチになってしまう。

トップ防止は右足立ち

鋭角に打ち込みすぎてトップがよく出る人は右足だけで立つように構えて練習しよう。

右足体重でスイング

バックスイングは体の回転でクラブを上げていく。手上げにならないように注意。
自分の癖や生じやすいミスに合わせて左足立ちと右足立ちを選択しよう。
フィニッシュまで右足体重のままでバランスを崩さないようにする。
トップしてしまうのはインパクトで上体が突っ込んで、フェースの刃が直接当たってしまうのが原因だ。

ドリル4|ソール滑らせ打ちドリル

練習マットでできる

バンカーショットの練習は練習場のマットの上でもできます。実際に砂の上で打つときとはインパクトの打感が異なるので、ここではバウンスを使って打つ感覚をマスターすることが目的です。

バウンスとはサンドウェッジのソールの出っ張った部分のことで、フェースを開いて構えるとバウンスが出っ張り、ソールの面を広く使うことができます。マットの上でもフェースを開いて構え、バウンスでマットの面を叩いて振り抜く練習をしましょう。ボールは打たなくても構いません。

フェースの刃から振り下ろさないで、バウンスを先に着地させるのです。インパクトでバウンスが跳ね返されてソールがスムーズに滑っていく。そんな感覚がバンカーショットに欠かせないのです。

ソールの面を広く使うコツ

通常の構えからフェースを寝かせるとフェースの刃が少し浮く。そこからフェースを開けばソールの面がもっと広く使えるようになる。

バウンスを感じよう

ソールの出っ張った部分をバウンスというが、インパクトでバウンスが跳ねて直進する感覚をつかもう。

マットの上でソールを滑らせる

人工芝の毛足が長いマットよりも毛足が短くて硬めのマットのほうが練習効果は高い。

ドリル5|ダルマ落としドリル

バンカーのダフリ感覚をつかむ

3㎝くらいの高くないゴムティの上にボールを乗せて打つ習です。この場合はボールを直接打たず、ボールの下のゴムティを打ちます。ダルマ落としのイメージでインパクトすることで、クラブヘッドをボールの下にもぐらせて打ち抜く感覚が養えます。

ボールに当たって前に飛ぶのはNG。クラブヘッドに当たらず、ティの場所で落ちれば合格だ。

ボールの下のティを打つ

マットから3㎝くらいの高さのティにボールを乗せて、ダルマ落としの要領で打つ。

GOLF TODAY本誌 No.578 160〜163ページより

●バンカーショット9ドリル
前編:バウンスで砂を叩けば砂の爆発力でボールが勝手に出て行く
後編:バンカーショットが上手い渋野日向子もバウンスを使って砂を弾き飛ばす