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上達への道は、 自分を知ることから始まる|目澤秀憲のゴルフ再構築レッスン Vol.1

脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

2020/09/18 ゴルフサプリ編集部

「飛距離もスコアも頭打ち。もう上達はあきらめて、エンジョイゴルファーに転向しようか……」。そんな弱気になりかけているすべてのゴルファーへ。「上達に“もう遅い”はありません!」と断言する世界レベルのゴルフメソッドをもつ目澤秀憲コーチが、その理由と上達法を教えてくれる。

目澤秀憲
めざわ・ひでのり。1991年2月17日生まれ。東京都出身。大学卒業後渡米し、日本に数名しかいない、アメリカのレッスンプロの資格TPI(TitlistPerformanceInstitute)レベル3を取得。河本結のコーチを務める傍ら、アマチュアにもレッスンをしている。日本大学卒業。2020年末からチーム松山に加わり、松山英樹の専属となる。2021年4月に開催されたマスターズで松山英樹がアジア人初となるマスターズチャンピオンになった際も、サポートメンバーとして松山を支えた。

ナビゲーター
坪井ミサト
つぼい・みさと。1996年10月30日生まれ。奈良県出身。小学生から野球を始める。球速最高107キロ(ミズノ『MAQ』測定)。フィットネスインストラクターの資格を取得。フルマラソン4時間09分の記録ももつアスリート女子。ゴルフは2020年春から始めたばかり。

「できない動き」を知れば「できること」が見えてくる!

坪井 最近ゴルフを始め、周りの人にいろいろ意見を聞くのですが、「どんなに練習しても、なかなかうまくなれない」という方が多くて……。ゴルフってそんなに難しいのでしょうか。

目澤 みなさん、「トップはこのカタチにしたい」とか、「ワキを閉めないとダメだ」など、細かいスイングのディテールにこだわりすぎて、かえって遠回りしているように見えるんです。僕は、ボールがコントロールできていて、スコアに直結しているスイングが、もっともいいスイングだと思っています。

坪井 でも、ゴルフには正しいスイングのカタチがあって、それに近づくほど上達できると思っていました。

目澤 日本ではまだその傾向が強いかもしれませんが、私が学び、推奨する「TPI」の考え方はちょっと違います。スイングやカラダ、クラブ理論までとことん研究しているPGAツアーのトッププロでも、誰一人同じスイングの人はいませんよね。体型も筋力も、手や足の長さもみな違うように、スイングは千差万別でいいんです。

坪井 自分に合うスイングがあるということでしょうか?

目澤 はい。それを見つけることが、上達の近道で、そこが私たちインストラクターの役目でもあります。ただ、自分のミスの原因が技術的なことばかりではなく、カラダの個性によることも多い。その部分は自分でもある程度はチェックできるんです。逆に言えば、それを知らないまま技術的な部分を改善しようとすると、目的を間違えた練習になりがちです。それでは本末転倒。かえって下手を固めるし、最悪、カラダを痛めてしまうことにもつながります。

坪井 自分のカラダのクセや個性を、知ることが大切なんですね。

目澤 最も大切なのは、自分がどういうゴルファーなのか知ること。まずはそこから始めるべきなんです。この連載では、パーツごとの可動域や柔軟性をセルフチェックできるTPIメソッドの「スクリーニングテスト」をいくつか紹介するので、ぜひトライしてください。

坪井 未知の自分を知ることができるんですね!

PGAツアーのトッププロが採用する最新メソッド

TPI(タイトリストパフォーマンスインスティテュート)とは、タイトリストがスポンサーとなり、ゴルフのパフォーマンスアップのために、身体のコンディショニング、スイングメカニズム、用具の研究や開発を目的として設立されたゴルフ専門の研究所のこと。

最先端技術と施設を備え、世界中のゴルファーから集めたデータの蓄積・研究して独自のプログラムを構築。多くのゴルファーにフィードバックすべく、「TPI認定ゴルフフィットネスインストラクター」を養成し、世界中ですでに2万人以上が認定されている。

ちなみに、D・ジョンソン、R・マキロイ、R・ファウラー、B・ケプカ、など、PGAツアープレーヤーのほとんどのチームに「TPI」の認定を受けたコーチがいて、このメソッドのコーチングを受けているという。

目澤プロのもつレベル3の資格は、各国のワークショップで行われるレベル1、レベル2のテストに合格した後、カリフォルニアにある本拠地で世界レベルのレッスン方法を学び、認定されるTPIの最高レベル。

セルフチェックで自分のカラダのキャラを知ろう

スイングに欠かせない可動域や柔軟性、筋力やバランス力をチェック。
これにより、自分にカラダの動きの制限や、左右差などが分かると同時に、ミスの原因も明らかに!?欠点がわかることで、練習する方向性も見えてくるだろう。
第1回となる今回は、骨盤と上半身・下半身の回旋力をテストする。

セルフチェック【1】骨盤の前傾・後傾でアドレスをチェック

スイングでもっとも大事なパーツと言える骨盤。スイング中は意識できないが、骨盤を意識的に動かせるようになることは、インパクトの精度向上につながる。まずは意識して骨盤を前傾、後傾させて動かせるようになろう。

胸に手を当てて5番アイアンを打つときくらいの姿勢を取ったら、腰を反らせるようにして骨盤を「前傾」させる。
次に、腰を丸めるようにして骨盤を「後傾」させる。

⾻盤が動くか動かないかでアドレスやインパクトにその⼈の“個性”が現れる

骨盤がスムーズに動かせない人は、まず、アドレスで後傾したり、前傾が浅くなりがち。スイング中の前傾姿勢をキープできず、インパクトで伸び上がったり、上からたたきに行ってしまいがち。

骨盤が動かないとインパクトに影響が出る

骨盤が後傾できなければ体が丸まったままインパクトしたり、前傾ができなければ体が伸び上がったりしやすくなる。

改善ストレッチ|骨盤を動かせるようになろう

骨盤の前傾・後傾がうまくできない人は、四つんばいの姿勢で骨盤を上下に動かしてみよう。そもそも骨盤を意識できないという人もぜひやってほしい。インナーマッスルも鍛えられる。

①腕は肩幅に、足は腰幅に開いて四つん這いになる。手のヒラは肩の真下、ヒザは骨盤の真下。息を吸いながら、背骨を上へ上げるようにして、背中を丸めます。

②息を吐きながら、背骨を下げるイメージで腰を反らせる。1と2の反復動作を10回くらい繰り返す。

セルフチェック【2】骨盤の回旋による“上下の分離”度合いでスイングのクセをチェック

スイング中、トッププロは上半身と下半身の捻転差がとても大きいことは周知だろう。その動きを実現しているのが、骨盤の回旋による上下の分離だ。

胸に手を当てて、足を肩幅くらいに開き、5番アイアンを打つくらいに前傾し、上半身だけ左右に動かす。
そのままの姿勢で、今度は上半身を止め、下半身だけ左右に動かす。

上下の分離ができないとこんな影響が出る

インパクトでは、クラブよりカラダが先行して振り遅れがち。
分離ができないと、テークバックでスエーしやすい。

改善ストレッチ|上半身と下半身の“分離”意識を高めよう

実は上下の分離ができない人は、珍しくない。このストレッチをあきらめずに日々続ければ、上下の分離を体感できるようになる。

①クラブでカラダを支え、片足のヒザを曲げて上げる。

②上半身を動かさないように、上げた方の足を左右に開閉する。両足で行う。

坪井ミサトのゴルフ成長日記①

カラダを知るって楽しい!

いままでずっと野球をしていましたが、ここまで細かく、パーツごとのカラダの動きの特徴を知る、という発想はありませんでした。それぞれのパーツの動きの組み合わせで、その人の特徴がわかるなんて奥が深いですね。それに、カラダの動き方の個性が少なからずスイングに影響するなんて! とても面白かったです。これからがますます楽しみです。

動画でチェック!

協力/ドゥワンゴルフアカデミー

GOLF TODAY本誌 No.578 174〜177ページより


脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

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