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自分のカラダが発信する情報を探しに行こう|目澤秀憲のゴルフ再構築レッスン Vol.2

脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

2020/09/19 ゴルフサプリ編集部

「飛距離もスコアも頭打ち。もう上達はあきらめて、エンジョイゴルファーに転向しようか……」。そんな弱気になりかけているすべてのゴルファーへ。「上達に“もう遅い”はありません!」と断言する世界レベルのゴルフメソッドをもつ目澤秀憲コーチが、その理由と上達法を教えてくれる。

目澤秀憲
めざわ・ひでのり。1991年2月17日生まれ。東京都出身。大学卒業後渡米し、日本に数名しかいない、アメリカのレッスンプロの資格TPI(TitlistPerformanceInstitute)レベル3を取得。河本結のコーチを務める傍ら、アマチュアにもレッスンをしている。日本大学卒業。2021年4月に開催されたマスターズで松山英樹がアジア人初となるマスターズチャンピオンになった際も、サポートメンバーとして松山を支えた。

ナビゲーター
坪井ミサト
つぼい・みさと。1996年10月30日生まれ。奈良県出身。小学生から野球を始める。球速最高107キロ(ミズノ『MAQ』測定)。フィットネスインストラクターの資格を取得。フルマラソン4時間09分の記録ももつアスリート女子。ゴルフは2020年春から始めたばかり。

〝スイングに決まったカタチはなし〟人それぞれ、千差万別でいい

目澤 上達に限界を感じているゴルファーの多くが、スイングの細かいカタチにとらわれ過ぎていたり、自分のカラダにむかない動きをしているように感じます。スイングで最も大事なのは「ボールをコントロールできて、スコアに直結しているか」であって、理想のカタチに近づくことではありません。

坪井 スイングに正解はなく、千差万別でいいというお話でしたね。初心者の私もそれでだいぶ気が楽になりました。

目澤 はい。千差万別の、自分に合うスイングを見つけるためには自分のカラダの情報から、できることとできないこと、ミスの傾向の原因を知り、意識することが重要です。

坪井 スイングに影響の大きい部位ごとに、可動域や強さ、柔軟性、左右差などを「セルフチェック」で確認しました。今月は、その続きですね。

目澤 たとえば“自分はカラダが硬い”と思っていても、それは自分の感覚でしかない。その感覚を具体的にチェックしていくことで“手首は意外と使える”とか“右肩と左肩では可動域に差がある”というようなことを知ることができます。上達にはまず“自分ができること”を絞る作業が大事です。ぜひトライしてください。自分のカラダへの意識が高まりますよ。

セルフチェックで自分の“カラダのキャラ”を知ろう

スイングに欠かせない可動域や柔軟性、筋力やバランス力をチェックすることで、自分のカラダの動きの制限や、左右差などが分かる。先月の骨盤と上半身・下半身の回旋力に続き、全身をチェックしていこう。

再セルフチェック【1】スクワットで上半身・下半身のウィークポイントを知る

クラブを持って深くスクワットすることで、背中や肩甲骨の硬さをチェック。クラブなしでならできるという人は、主に上半身の方が硬いこともわかる。鏡の前でやるのがオススメだ。

シャフトを頭の上に乗せ、両ヒジを90度にする。そのままクラブを上に上げる。ツマ先は少し開く。手が耳のラインよりうしろにあるのが正解。
そのままできるだけ深く、しゃがみ込む。
上半身が硬い人は、アドレスでワキが開いたりスイング中に伸び上がりがち。
手が耳より前に来てしまう人、前傾したり、ヒジが曲がったり、腕が前に倒れる人は、背中と肩甲骨が硬い。また、深くしゃがめない人は足首やヒザ、股関節が硬いと判断できる。

セルフチェック【2】目を閉じて片足立ち。カラダのバランスを確認

スイングに大事なカラダのバランス。それを保つために最も必要な目からの情報をシャットアウトすることで、さまざまなバランスのひずみなどを診断する。

手を広げて片足を上げ、バランスが取れたな、と感じたら目をつぶり、どれくらいキープできるかを診断。20秒できればツアー選手のアベレージだ。
左右の足両方で行う。片方ができても片方ができないという人は左右のバランスが悪い。

セルフチェック【3】ツマ先タッチで太モモ裏の柔軟性を診断

捻転の動きに欠かせない、太モモ裏の柔軟性や腰全体の可動域をチェック。単にツマ先を触るのではなく、股関節をお腹に引き寄せるイメージで。腹筋を使う感じも体感できるはずだ。

真っすぐ立って、両ヒザをなるべく開かないで、股関節を前傾しながら手でツマ先を触る。この時、ヒザを曲げないように意識しよう。
できない人は、ヒザくらいまででもいい。
太モモ裏が硬いと、ヒザから曲がってしまい、カカト重心になり前傾が浅くなる。

セルフチェック【4】股関節の内旋・外旋動作をテスト

股関節の内旋・外旋は、スイング中の軸のキープに重要な動き。回旋の加減で、トップやダウンでのスイングに影響する。左右、60度くらい動けば合格だ。

股関節にクラブを当て、そのまま右(テークバック側)にゆっくりカラダを回す。次に、左(フォロー側)に回す。上半身はしっかり動かしていい。
右股関節内側が絞れない人は、スエーしやすい。
左股関節が内旋できない人は流れる。

セルフチェック【5】トップに影響する肩関節の可動域

肩関節の動きをチェック。これがうまくできない人は、トップでヒジが上がってしまったり、ワキが開いたりする。また、腕のローテーションも苦手となる。

真っすぐ立ち、手を肩の高さまで上げて、ヒジを90度に曲げ、ヒジから先を前後させる。手が耳より後ろにいけば肩関節の柔軟性は十分。耳よりも後ろにいかなければ、肩関節が硬いと判断する。手首は折らないように真っすぐを保つ。
肩関節の可動域が狭いと、トップでヒジが上がって右ワキが開いてしまう。
フォローでは腕をたためず左ヒジが引けてしまう。

セルフチェック【6】スイング中の目線にかかわる首の柔軟性

スイング中、カラダに対する頭の位置をキープできればスイングが安定するが、それにはボールと目の距離、すなわち目線を保つことが大切。それに関係するのが、首の柔軟性だ。

鎖骨に手を当て、顔を右に向けて口を開かずに、あごを鎖骨につける。左右行う。
首が硬いと、頭が動いてバックスイング、フォローでの回旋がうまくできない。

セルフチェック【7】フェースの動きを司る手首の柔軟性をチェック

手首の柔軟性は、ローテーションやコッキングなど、フェースの動きに影響します。軟らかい人は、トップでのヘッドの位置が高くなるし、アプローチなどにも影響する。

コッキングが得意な人(右)、苦手な人(左)それぞれカタチは異なるが、どちらも間違いではなく、得意な方をチョイスしよう。
両腕を地面と平行に真っすぐ伸ばし、軽く握ってこぶしを上下させる(柔軟性)。
ヒジをカラダにつけて親指を立て、内側、外側に捻る(ローテーション)。
ヒジをカラダにつけて親指を立て、同じ姿勢で、上下に動かす(コッキング)。

セルフチェック【8】上半身の回旋に影響する胸椎の可動域

胸の関節の可動域を調べるテスト。回旋の動きがポイントとなるゴルフスイングにとって、この柔軟性はスイングに大きく影響する。右への動きはバックスイング、左への動きはフォローに影響すると考えよう。

イスに浅く座り、クラブを担ぐ。
ヒザをつけて首を真っすぐにし、上半身を左右に回す。各45度くらい回せればPGAレベルだ。
胸椎の伸展ができない人は、カラダが前に突っ込む。
フォローでもカラダが伸びない。

セルフチェック【9】飛距離に関係するお尻の筋力診断

お尻の筋肉は、下半身の中でもっとも大きい筋肉。スイングの安定感やインパクトの強さに深く関係する。上げていられる時間の長短で、筋肉の強弱がわかる。上げているのがキツイ足の方が弱い、などの左右差をチェックできる。

床にあおむけに寝てヒザを立て、両手を天井に向かって上げる。カカトはできるだけお尻に寄せる。ヒザはつけたまま。
お尻をぐっと上げる。
そのままの姿勢で片足を真っすぐ伸ばす。10秒キープできればアベレージレベル。
お尻の筋肉が弱いとインパクトでカラダが伸び上がりやすい。

坪井ミサトのゴルフ成長日記②

ゴルフのしくみをちょっと理解できたかな?

先日、目澤コーチに「インパクトのイメージ」についてレッスンしていただきました。今まではただなんとなく、「いまのはよかったな」とやり過ごしていましたが、ヘッドの入り方で弾道が変わること、たったワンポイントのスイング調整で解決できることなどなど。今まで振っていたイメージと全く違っていてびっくり。知れば知るほど、ゴルフにハマりそうです。

動画でチェック!

協力/ドゥワンゴルフアカデミー

GOLF TODAY本誌 No.579 174〜177ページより


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