スイングの動作は「クッション叩きドリル」で即効マスター!
吉本 舞の“ゴルフ上達の近道”を教えちゃいます! 第2回
ゴルフがあっという間にうまくなれるコツを、吉本舞がわかりやすくレッスンするシリーズ。「ゴルフクラブをどう振ればいいかがよく分からない」と悩む人は多いが、吉本は「ゴルフスイングに難しい動きはいりません。自然な動作にまかせるだけでいいのです」という。自然な動きにまかせてスイングするコツを教えてもらおう。
クッション叩きなら、誰でもインパクトフォームが一緒になる
布団叩きの要領で手首やヒジを柔らかく使うのがポイント
スイングが良くならないと、ボールにちゃんと当たらない。そう考えている人はすごく多いと思います。確かにゴルフの経験が浅くて100が切れない人と、キャリアが長いシングルゴルファーとではスイングの精度は違います。でも、「ボールを打つ」という目的は一緒ですから、うまい下手は関係ないのです。
私がレッスンをしているスタジオにはインパクトバッグという練習器具を置いてあります。重量が結構あって、これをクラブで叩いてインパクトのイメージを体感するのにとても効果的です。マットの上のボールを打つときは、初心者と上級者とではスイングに明らかな差が見られますが、「クラブでインパクトバッグを思い切り叩いてください」というと、初心者の人でも上級者とほとんど変わらない動きがすぐにできてしまうんですね。「ボールにちゃんと当てよう」という意識がまったく働かず、本来自分が持っている本能的な動きとか、自然な動きを引き出せるからです。
インパクトバッグがなくても大丈夫。クッションを叩く練習でも、こうした自然な動きを体感できます。右手でクラブヘッド側を持ち、クッションを叩いてください。イメージは布団叩きです。布団叩きの感覚でクッションを叩こうと思えば、クラブを手のヒラで硬く握りませんよね。指先のほうで握って持ち、手首やヒジなどの関節を柔らかく使ってクッションを叩けるでしょう。誰でもゴルフスイングでいうコックが自然に入り、インパクトで一気にリリースできますし、ゴルフクラブを初めて持った人でも、ゴルフの上手な人とほとんど同じような動きとなるんです。
「ちゃんと当てよう」と思わないで、「しっかり叩こう」と決めて腕を振る。これがゴルフ上達の近道です。注意したいのは、両足を止めたままにしたり、カラダの回転を使わないで手だけで振ったりしないこと。布団叩きのイメージでリストを柔軟に使いつつ、カラダを回転させましょう。結果的にクッションを叩く瞬間のフォームが、ゴルフスイングのインパクトの形と重なってきます。
右手に左手を添えることのできる位置を自分のトップと覚えておく
右手だけでクッションを叩く練習で、自然な動きにまかせてクラブを振る感覚をつかんだら、今度はトップの位置の確認です。いきなりトップの話をするのは早いかもしれませんが、自分のトップの位置やフォームを知っておくことも大事です。右手だけでクラブを上げると、右手が自由に動きすぎてトップの位置が安定しにくくなります。右手を高く上げると左手が右手に届きませんよね。そこで右手に左手を添えることができるポジションを探して、その位置を自分のトップとして覚えておいてください。そして最終的にはクラブを両手で持ち、自分のトップの位置へと上げてクッションを叩きましょう。
ゴルフスイングのメカニズムを、頭で考えれば考えるほど難しくなります。スイング論を詰め込むと動きが複雑になる一方で、自分が本来持っているはずの本能を押さえ込んでしまうことになり、上達が遅れやすいんです。キャリアが長い人でも上達に行き詰っているとしたら、一度頭の中をリセットしましょう。ボールを打つ練習をちょっと中断して、クッションを叩く練習に取り組んでみてください。自分の自然な感覚を取り戻したら、その感覚のままでボールを打ちましょう。スイングがどんどん良くなることを実感できるはずですよ。
最後に動画でチェック
右手でクラブのヘッド側を持ち、クッションを叩いてみよう。自然な動きでクラブが振れて、インパクトの形も安定しやすい。
※動画はBGMが流れますので音量にご注意ください。
吉本 舞
よしもと・まい/佐賀県出身。USLPGA Teaching&club Professionalの資格を取得。ゴルフの楽しさを多くの方に伝えたく、敏腕カリスマコーチ森守洋に師事。現在は東京ゴルフスタジオ(三鷹市)で多くのアマチュアをレッスン。一人一人の悩みに寄り添い、丁寧でわかりやすい指導で大人気。Instagramにてゴルフレッスンやゴルフウェアコーディネートなど更新中。@maiyoshimoto_
取材・文/三代 崇
写真/富士渓和春
協力/武蔵丘ゴルフコース
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