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トップはできるだけ高く! これでナイスショットの回数が増える!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.12

2021/01/22 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、だれも知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第12回はドライバーショットのスイング軌道を安定させるコツをレクチャーしてもらおう。スライスやヒッカケなどのミスが止まらない人には最高のアドバイスだ。

クラブを高く上げるイメージがダウンスイングの軌道を整える

ダウンスイングの軌道はバックスイングよりも低い位置を通る

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はドライバーショットのスイング軌道を整えて、グッドショットの確率を上げるポイントについてお話したいと思います。バックスイングでカラダをしっかり回して、フィニッシュに向かってクラブをスムーズに振り抜いているつもりなのにスライスやヒッカケなどのミスが直らないという悩みを持つゴルファーの方が多くいらっしゃいますが、ボクが見る限り、ほとんど同じ症状が表われているんですね。それは何だと思いますか? 答えはトップが低すぎることです。

バックスイングとダウンスイングの軌道は同じかといったら、これが違うんですね。プロやシングルゴルファーたちは、バックスイングの軌道よりもダウンスイングの方が低い位置を通ります。だけどアマチュアの方々はバックスイングよりもダウンスイングの方が高い位置を通っているケースがすごく多いんです。どうしてかというと、バックスイングでクラブをインサイドに低く引きすぎているから。カラダを回すことばかりに意識がいって、手首が硬くなるからクラブが上に上がっていかないのです。そうするとトップでクラブヘッドがループを描き、ダウンスイングではアウトサイドから下りてしまうことになります。フェースが開けばスライス、フェースがかぶって当たるとヒッカケが生じます。

トップではできるだけクラブを高く上げていく。アマチュアの皆さんには、そんな意識を持ってもらいたいと思います。クラブを高い位置に上げていけばトップでクラブヘッドがループを描き、ダウンスイングでクラブがバックスイングよりも低い位置を通りやすい。インサイドアタック、つまりクラブがインサイドから適正の角度で振り下ろしやすくなり、ボールのつかまりがよくなるのです。

自分の目から見ればバックスイングからダウンスイングに向かってクラブが時計の針が進む方向と同じ右回りとなるのが正しい動きです。バックスイングでクラブをインサイドに低く上げるとトップでクラブが左回りにループを描きやすく、結果的にアウトサイドから下りてきてしまうのです。

ただし、注意点が一つ。クラブをインサイドから振り下ろすといっても、ダウンスイングで手元がカラダから離れてしまうのはNGです。手元が浮いてカラダから離れると今度はクラブが寝た状態となり、インサイドから低く下りすぎてしまいます。インパクトでフェースが開いてプッシュが多発します。左ワキをあけないで、手元をカラダに引きつけるようにダウンスイングしましょう。

カラダを回すことばかり考えると、トップの位置が低くなりすぎてしまいやすい。
トップでクラブが自分から左回りにループし、ダウンスイングでアウトサイドから下りてスライスやヒッカケなどが生じる。
トップはクラブをできるだけ高く上げていく意識を持とう。スイング改善のための大切なポイントだ。
トップで自分から見て右回りにループし、インサイドから適正角度でクラブを振り下ろしやすい。
ダウンスイングの軌道はバックスイングよりも低い位置を通るのが正解。「バックスイング=ダウンスイング」は間違いだ。
インサイドから下ろそうとしても左ワキがあいて、手元がカラダから離れるとフェースが大きく開いてしまう。
トップは低いよりも高い方がいい。結果的にダウンスイングの軌道が安定しやすいからだ。
ダウンスイングでクラブが最短距離で振り下ろせる。インサイドアタックによってミート率がアップする。

テコの原理でクラブを上げれば、自然と高いトップが作れる

クラブをできるだけ高く上げるといったって、カラダが硬くなったら上がらないよ。そんな反論をしたくなる方も多いでしょう。でも大丈夫。カラダが思うように回らないと感じるのは手首を硬く使っているからです。腕をラクにして、手首を柔らかく使えばカラダが案外スムーズに回転するもの。アドレスの姿勢から手首をタテに折ると、クラブを頭の上まで上げられるでしょう。そのくらいで十分です。

テークバックの始動の際は、自分でクラブを持ち上げようとするのもよくありません。これが高いトップへとクラブを上げられなくしてしまう一番の原因です。テークバックはテコの原理を利用するのが合理的といえます。右手は通常に握り、左手の指をグリップエンドに添えてください。そして左手の指でグリップエンドを真下に押しながらバックスイングしましょう。するとクラブヘッドがスーッとタテに上がっていきます。クラブを無理に高く上げるのではなくて、テコの原理で手首を柔らかく使えば自然とクラブが高く上がっていくのです。

ややアウトサイド方向に上げていくような感覚ですが、カラダの回転と同調させれば実際にはインサイド方向にクラブは上がっていきます。結果的としてダウンスイングでボールに向かってインサイドアタックがしやすくなり、グッドショットの回数が劇的に増えてきます。

テークバックのときに自分でクラブを持ち上げようとすると手首が硬くなる。
クラブが高く上がらないうえに、力みからダウンススイングでカラダが突っ込みやすい。
右手を通常に握って、左手の指先をグリップエンドに添える。
左手でグリップエンドを押し下げながらバックスイングすると、クラブヘッドが自動的に上がっていく。
テコの原理を利用し、手首を柔らかく使うのがコツ。ややアウトサイドに上げていく感覚でちょうどいい。
カラダが硬くて回らないという人でも、テコの原理を応用してコックを使えば高いトップへと上げられる。

最後に動画でチェック!

ダウンスイングはバックスイングよりも低い軌道となるのが正解。そのためにはできるだけ高いトップを作るイメージを持とう!

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


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