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フェアウェイウッドは打ち込まない! 「ホウキを掃く」イメージで自信をつけよう!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.11

2021/01/15 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第11回はフェアウェイウッドがうまく打てるようになるポイントをレッスン。いろいろな場面で使える万能クラブだけに自信をつけておこう。

フェースよりもソールを使うことを意識するとグッドショットの確率アップ

フェアウェイウッドはソールを芝の上で滑らせるように打つ

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はフェアウェイウッドの上達法についてお話したいと思います。皆さんもご存知のようにフェアウェイウッドは一般的に3番ウッドや5番ウッドが多く使われていて、女性ゴルファーは7番ウッド、9番ウッドも好んで使っています。パー5ホールや距離の長いパー4ホールの第2打ではフェアウェイウッドを持つ場面が多いでしょう。だとしたら苦手のままではスコアがなかなかまとまりませんよね。

ところでフェアウェイウッドは、ボールを横から払うように打つのがいいの? それともアイアンのようにダウンブローに打つのがいいの? という質問をよく受けます。ボクとしては、ホウキを掃くイメージで打つのがベストだと思います。ドライバーほどヘッドの大型化は進んでいませんが、今どきのフェアウェイウッドも昔と比べたらヘッドがだいぶ大きくなりましたし、ソールも幅広くて低重心設計となっています。フェアウェイウッドの機能をうまく生かすには、落ち葉をホウキで掃くようなイメージがマッチしているのです。

ホウキを掃くようなスイングは、幅広いソールを芝の上で滑らせる感覚です。クラブヘッドを飛行機、芝を滑走路にたとえればダウンスイングでは飛行機の着陸のようにクラブヘッドを鈍角に下ろしてきて、滑走路をちょっとだけ走って離陸する飛行機のごとく緩やかな角度でヘッドを振り抜いていくのです。手前をダフりそうで怖いという人はクラブを急角度で振り下ろしてしまい、インパクトで詰まってダフリになるか、フェースがかぶって当たるためボールが低い角度で飛んでキャリーがまったく出なかったりします。ボールの高さが出ないと今度はすくい上げようとして、ダフリやトップ、チョロが生じることになります。

フェアウェイウッド特有の幅広いソールを活用するのがポイントだ。
落ち葉をホウキで掃くようなイメージでスイングしよう。
ボールを上から鋭角に打とうするとインパクトが詰まりやすい。
飛行機の着陸のようにヘッドを鈍角に振り下ろしてくる。
ボールをとらえた後は、飛行機の離陸のようにヘッドを低く出していく。

ダフリを怖がらずにボールの手前10センチからヘッドを入れよう

フェアウェイウッドがうまく打てるようになるには、フェース面をボールにきっちりと当てるよりも、ソールの面を使ってスイングするのが一番のポイントです。ボールの手前を多少ダフってもいいといってしまうと語弊があるかもしれませんが、ダフリを怖がらないこと。ボールの手前10センチくらいにヘッドを入れて、ボールの先10センチくらいまでヘッドを低く真っすぐ滑らせましょう。フェースを使って打つ意識が介入するとどうしてもクラブが上から鋭角に入りやすく、インパクトが「点」になってしまいます。ボールの前後10センチの幅に落ち葉があると想定し、落ち葉と一緒にボールを払い打ちするイメージでスイングしましょう。インパクトが「ゾーン」となり、ボールをしっかりとらえられます。

グッドショットの確率を上げるには、打つ前の素振りがとても重要です。多くのアマチュアはショット前の素振りで、脱力させたスイングをします。しかもヘッドが芝のかなり上を通過しています。緊張をやわらげてカラダをリラックスさせるつもりかもしれませんが、ショット前の素振りは「本気素振り」でないとダメです。どうしてかというとショット前の素振りは、本番のショットのリハーサルだからです。素振りの回数は2〜3回で構いません。ボールの近くの場所で、ソールで芝を軽くこする素振りを必ずしておきましょう。正しい素振りで実戦感覚をチェックすることで、ミスがかなり防げるはずです。

最後にちょっとした基本的なポイント。フェアウェイウッドでもロフト角の少ない3番ウッドは、ヘッドスピードがあまり速くない人にとってはボールが上がりにくく、難しく感じられるでしょう。ロフトが多めの5番ウッドを多く練習して自信をつけてから3番ウッドにトライしてみるのがいいと思います。ミート率を上げるにはクラブを短めに持つのもいい方法です。またフェアウェイウッドのボールの位置は、ドライバーよりも1個くらい内側が基準です。ボールを右に置きすぎたり、左すぎたりするとその度にスイング軌道が変わって、ショットの方向が安定しませんから、ボールの位置を統一させることが大切です。

ソールを活用するには、ボールの10センチ手前からヘッドを入れるイメージがいい。
インパクトがゾーンとなるため、多少手前をダフってもミスにはなりにくい。
ボールの10センチ先までヘッドを真っすぐ滑らせながら振り抜いていく。
ダフリを怖がって鋭角に打ち込んでも、いい結果にはつながらない。
ショット前にはソールで芝を軽くこする「本気素振り」を必ずしておこう。
フェアウェイウッドがうまく打てないようなら、クラブを短く持って練習しよう。ミート率が上がり、自信がつく。

最後に動画でチェック!

フェアウェイウッドはホウキのイメージ。ソールを芝の上に滑らせるようにスイングすれば、グッドショット連発だ!

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」

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【シリーズ一覧】
●第1回:テークバックの始動で左前腕部を少し「外旋」させるのが真っすぐ飛ばすコツ
●第2回:バックスイングでは左ヒザをなるべく動かさないように「我慢」しよう
●第3回:手やグリップをカラダから遠ざける感覚でダウンスイングしよう
●第4回:今どきのアイアンは、スイング軌道の最下点でボールをとらえるのがいい
●第5回:タオルを使った練習法でスイング軌道とクラブの入射角を整えよう
●第6回:アプローチの打ち方はシンプルがベスト! 手先に頼った複雑なスイングはもうやめよう
●第7回:歩く動作のナチュラル感覚をアプローチスイングに応用する
●第8回:ボールの1個手前をめがけて、クラブを鈍角に入れるのが今風のバンカーショット
●第9回:カップを大きな円と仮定し、アプローチ感覚でストロークすればタッチが合いやすい
●第10回:タイガーのようにカップを狙い撃ちするつもりでストロークするのがコツ!
●第11回:フェースよりもソールを使うことを意識するとグッドショットの確率アップ
●第12回:トップはできるだけ高く! これでナイスショットの回数が増える!!