プッシュスライスはドライバーのハーフスイング練習で徹底矯正!
セリザワメソッドを継承|広瀬祥代が“ミスの一発解決法”を教えます! ミスの原因&練習法がすぐにわかる! VOL.1
芹澤信雄率いる『チームセリザワゴルフアカデミー』の紅一点のティーチングプロ、広瀬祥代。親切でわかりやすいレッスンで、年齢性別を問わず多くのゴルファーに人気。その広瀬がドライバーからパターまでのミスの解決法をレッスン。ミスの原因に応じた対策法が明確になれば悩みを一発解消、ゴルフがどんどんうまくなる。どんな練習をしたらいいかわからないゴルファーも必見だ!
芹澤信雄
せりざわ・のぶお/1959年生まれ、静岡県出身。82年にプロ入りし、96年の日本プロマッチプレーなどツアー通算5勝。シニアツアーでも2010年の富士フィルムシニアで優勝。TSIグルーヴアンドスポーツ所属。トーナメント出場のかたわら、テレビや雑誌など多くのメディアでも活躍中。
プッシュ系スライスはドライバーのハーフスイング練習で即効矯正!
ギッタンバッタン型のスイングとなり、軸がブレてしまうのが原因
ドライバーのスライスには大きくわけて、最初から右に出て右に曲がるスライスと、いったん左に飛び出してから右に曲がるスライスの2つのタイプがあります。前者はプッシュ系スライスで、後者はプル系スライスです。それぞれの原因は異なりますし、修正練習法も違います。自分のスライスがどちらに当てはまるかを見極めて修正練習法に励んでくださいね。
まずプッシュ系スライスの原因と、修正練習法を説明しましょう。ドライバーはアイアンと比べてロフト角が少なくて、インパクトの瞬間にボールがフェース面に吸い付いている時間が短いクラブ。しかもシャフトが長いですから、振り遅れやすい。そうするとダウンスイングでクラブがインサイドから下りてきます。インパクトでフェースが大きく開いてボールが目標よりも右に出て、さらに右に曲がっていきます。
こうしたプッシュ系スライスがよく出る人は、バックスイングで体の軸が左に傾き、その反動からダウンスイングでは体の軸が右に傾いてしまう傾向が多く見られます。トップでは左足体重、インパクトは右足体重となるギッタンバッタン型のスイングです。
狭いスタンスのハーフスイングで、スムーズな軸回転をマスターしよう
プッシュスライスを直すにはダウンスイングだけを直そうとしても、ほとんど効果はありません。バックスイングの軸ブレから修正しなければ、正しいダウンスイングは身につかないのです。そこでオススメなのが、スタンスを狭くしてハーフスイングでボールを打つ練習。背骨に軸をイメージして、軸が左右に流れないように小さい振り幅でスイングしましょう。振り幅は右腰くらいの高さまでバックスイングし、左胸くらいの高さまで振り抜くのが目安です。シニアプロの方々は狭めのスタンスで構えて、カラダを無理なく回転していますよね。カラダの回転をスムーズにするための工夫ですが、こうしたアドレスやスイングがいいヒントになると思います。スタンスが広すぎるために軸が左右にブレて、ギッタンバッタンのスイングになってしまう人が多いので注意しましょう。
狭いスタンスでも、スタンスの幅の中で足を使うことが大切です。足は止めたままにしないで、体重移動を使ってスイングしましょう。両足を止めて手だけで振ると、ハーフスイングの練習でもボールが飛んでいく方向が散らばりやすくなります。ときにはクラブを持たないで、胸の前で両手を組み、体重移動を使いながら胸を左右に回す練習もすると効果的です。
正しいイメージがつかめたら、軸を一定にキープし、腕とクラブを体の正面にセットしたまま、胸を左右に回してボールを打ちましょう。ハーフスイングで軸ブレを修正できたら、少しずつスタンスを広くし、振り幅も大きくしていきましょう。軸をキープしやすくて、体重移動や体の回転がスムーズにできる自分なりのスタンス幅を見つけてくださいね。
最後に動画でチェック!
ハーフスイングの練習で軸ブレをなくせば、プッシュスライスを完治できる。
※動画はBGMが流れますので音量にご注意ください。
広瀬祥代
ひろせ・さちよ/茨城県出身。社会人になってゴルフと出会い、魅力と楽しさを知ってインストラクターへの道を目指す。2011年にライセンスを取得し、現在はチームセリザワゴルフアカデミーで幅広くレッスン活動を展開している。セリザワメソッドでレッスンスキルをさらに向上中。
取材・文/三代 崇
写真/相田克己
協力/太平洋クラブ御殿場コース