元賞金女王・古閑美保が教える! 女子プロからの飛ばしのヒント|Vol.10 畑岡奈紗
注目選手の激うまポイントとマネどころを紹介
いま注目を集める女子プロたちにみる〝飛ばし〟のヒントを、元賞金女王・古閑美保が、簡潔明瞭にレクチャーする本シリーズ。 第10回は、2020東京五輪女子ゴルフ競技に日本代表として出場した、黄金世代の代表株・畑岡奈紗の飛ばしの秘密と、アマが参考にしたいマネどころを紹介。ドライバーショット格上げのご参考にどうぞ!!
GOLF TODAY 本誌 No.591 88ページより
手が極限まで体の近くを通る“神業スイング”が、世界でも戦える秘訣!
畑岡奈紗
(アビームコンサルティング)
1999年1月13日生まれ。
茨城県出身。158㎝。A型。
17年プロ入会。16年の「日本女子オープンゴルフ選手権」で、史上初となるアマチュアでの公式戦初優勝を飾った。
17年からは米女子ツアーを主戦場として活躍。2021年「ウォルマートNWアーカンソー選手権」では、2日連続のホールインワン達成するとともに米女子ツアー通算5勝目を挙げた。日米両ツアーで通算10勝。2020東京五輪ゴルフでは9位タイ。
ココが「畑岡」流飛ばしの秘密
腕が極限まで体の近くを通る! リストのやわらかさがなせる究極スイング!
「始動したら一気にフィッシュ」という感じの、小気味よいスイングをする畑岡さん。腕が体に巻きつくように極限まで体の近くを上げて下ろすから、再現性の高さは抜群です。このスイングを生み出すのは何といっても「リストのやわらかさ」。ぎりぎりまでコックがほどけないダウンスイングのタメは笹生優花か畑岡か、というくらいの神業です。ただこればかりは持って生まれたものでプロでもマネできない部分。意識して作るものは限界がありますが、自然とできる「手首」の持ち主ということこそが、小柄ながら米ツアーでも戦える秘密なのかもしれません。
ココがアマのマネどころ
ジャンプアップするように左足をピンと伸ばして打てば、壁ができて飛ぶ!
リストのやわらかさとともに畑岡さんのスイングで飛び抜けているのは、下半身の強さでしょう。少しジャンプするようにインパクト時に左足を真っすぐに伸ばして振り抜いています。このように地面からの反発を利用して強固な左の壁を作ることで、軸がブレることなくその場で素早い回転が可能に。精度の高いスイングを生み出す、文字通り「土台」となるわけです。アマの方もインパクトで左足をグッと踏み込んで伸ばす意識を持つのもいいかもしれません。その際は右に体重が残らないこと、前傾角度を保つことに気をつけてトライしてみてください!
こがみほ/1982年7月30日生まれ。167㎝。01年プロ入りし、03年にツアー初優勝。08年には年間4勝を挙げて賞金女王に。11年、左手首の故障もあり29歳の若さで現役を引退。ツアー通算12勝。『FOXスポーツ&エンターテインメント』で『古閑美保のスマートゴルフレッスン』を放送中。GMOインターネットグループのアンバサダーに就任。
取材・文/今泉純子
撮影トーナメント/2020TOTOジャパンクラシック
撮影/JGMA