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大叩きしても挽回できる!?【僕らにもできる】バウンスバック力を身につけよう!

2021/03/13 ゴルフサプリ編集部

2020年の『マスターズ』最終日。12番で10打を叩いたタイガーだが、残り6ホールで5バーディ。怒涛のバウンスバックを演じた。タイガーみたいに、とは言わないが、叩いたあとに挽回する方法はないものか?というわけでお贈りするのがこの企画。悪い流れはちょっとの工夫で断ち切れる!

GOLF TODAY本誌 No.585 133〜139ページより

手の位置をスイッチすればミスを解消できる

ティショットをOB、大曲がりしちゃった!(ドライバーのバウンスバック術)

ドライバーではOBにつながるスライスやチーピン、前に飛ばないチョロや大ダフりが大叩きの元凶。やっちゃったら、次のティショットでは手の位置をスイッチしてみよう。

ミスの感覚や人の意見を参考に4つのいずれかを試す

誰しも叩いた後には立ち直りたいですが、ラウンド中にスイングに手を加えるのはご法度。急に直ることはないのでドツボにハマります。ということでひと工夫するのは打つ前。ドライバーの場合はアドレス時の手の位置をスイッチします。

ミスした時の自分の感覚や人の意見から原因を推測したら、ここで紹介した4つのうちのいずれかを試してみましょう。

例えば、すくい打ってダフりやチョロが出たならフォワードプレスからハンドファーストを作ってテークバック。ダウンスイングで体が突っ込み、手が前に出たらハンドレートから始動する。球がつかまりすぎてヒッカケたらハンドアップしてアップライトに振る。逆につかまらず、大きくスライスしたらハンドダウンしてフラットにスイングする、といった具合です。

イメージだけではスイッチしきれないかもしれないので、アドレスで手の位置が変わったことを確認してから始動しましょう。

【チョロから立ち直る】フォワードプレスからハンドファーストで始動

最初からハンドファーストで構えても、フォワードプレスを入れてもOK。ダウンスイングで手首が早くほどけて起こるフリップ動作が緩和されてすくい打ちがおさまる。

短く持ってスタンスを狭めるのが基本

ミスした次のティショットでは、大振りを抑えてミートすることに徹する。すなわち、クラブを短く持ちスタンス幅を狭めてアドレス。これを実行してから手の位置をスイッチすれば確実性がアップする。
スタンス幅を狭めると左右のスライド動作が減って体の回転で打ちやすくなるだけでなく大振りも防げる。

ミスが出たアドレスから手の位置だけ変える

【チーピンから立ち直る】ハンドアップしてボールに近づいて打つ

手をやや高い位置にスイッチ、ボールに近づきアップライトに構える。ライ角が増えてフェースがスクエアになるのでボールがつかまりすぎないセットアップになる。

【ダフり、テンプラから立ち直る】ハンドレートに構えてアッパーブローを演出

インパクトに向かって上体が突っ込むのが大ダフりやテンプラの原因。ハンドレートにスイッチすると、体から始動しアッパーブローで打つイメージでスイングできる。

【大スライスから立ち直る】ハンドダウンすればボールがつかまる

プッシュスライスが出たらこれ。手を低めの位置にスイッチするとライ角が減ってフェースが閉じ気味になるためボールがつかまりやすい。打つまで体を起こさないように。

ボールの位置を変えればミスを断ち切れる

セカンドでダフリ、トップのミス!(アイアンのバウンスバック術)

気持ちも体もボールに向かうので、終始背中を意識する。大きな筋肉を使えるようになり、手先を使わなくなる。

スライス、フックのみならず、ダフりやトップも大叩きの引き金になるアイアン。ミスのタイプによってアドレス時のボール位置を変えれば連鎖を断ち切れる。

【ダフりから立ち直るならココ】遠くに置いてボールに届くように振る

早く当てようとボールを右に置くのは逆効果。体の軸が右に傾くのを助長する。左寄りに置いて届かなそうなボールに届かせようとスイングすることで軸の右傾が止まる。

【ヒッカケから立ち直るならココ】ボールから遠のきツマ先体重で構える

つかまりすぎが主因なのでボールから少し遠のく。その際ツマ先側に体重を乗せること。ツマ先体重ならボールから離れてもフォローで押す感じで打てるので左に飛びづらい。

【スライスから立ち直るならココ】ボール半個から1個分近づいてアドレス

ツマ先体重でインパクトするのが主な原因なので、少しボールに近づいてカカト寄り体重で打てるようにする。フォローで左に振りやすくなってボールがつかまってくる。

【トップから立ち直るならココ】ヘッドがボールに届くところに置く

ヘッドがボールに届ききらないのがトップ。ボールを右寄りにすればこれを防げる。特にコースではボール位置が左に寄りすぎる傾向があるので、それを考慮して変える。

スイングには手を加えずボールの位置だけ変えて振る

スライス、ヒッカケ、大ダフり、大トップをきっかけに叩く傾向があるアイアンですが、この4つはアドレス時のボール位置を変えると直ってきます。

大きくスライスした場合、ボールから離れすぎている可能性が高いのでボール半個~1個分近づきます。ややカカト体重になるくらいでも構いません。反対にヒッカケたらボール半個~1個分離れる。こちらは体重がツマ先寄りになるようセットアップします。前者は左に振り抜けるようになり、後者はフォローで目標方向にボールを押せるようになります。

大ダフりしたらボールを左寄りに、大トップしたら右寄りにしてみましょう。ダフるとボールを右寄りにする人がいますが、ダウンスイングで体の右傾が助長されて悪化します。逆にトップはヘッドがボールに届いていないので届きやすい位置にすればいい。もちろん、いずれの場合もスイングを変える必要はありません。

背中を意識して構えるだけでOK。胸を張ったり、腰を反らす必要はない。

腕を大きく後ろに回してから構える

写真のように、上げた両腕を背中側に大きく回して胸の前で両手を合わせると背中でアドレスできる。

左手がイタズラしない打ち方を取り入れる

ダフリ、トップで大叩きしたら!(アプローチのバウンスバック術)

グリーンに乗らないだけでなく、精神的なダメージも大きいアプローチのミスから立ち直るには、左手が余計な動きをしない打ち方で寄せるのが得策だ。

右ヨコにボールを置き目標を向いて打つ

両足を揃え、ボールの位置が右ヨコにくるようにして目標と体を正対させたら、ライ角を合わせて立って打つ。インパクトの形のまま手首を使わずに打てる。

転がして寄せられる状況ならクラブを吊って打つ

動きの小さいアプローチでミスするのは、不要な動きが多いから。その代表が手首を使い、手先でヘッドをコントロールしようとすることで、特に左手が問題を起こします。ということで、ポイントは左手首を使わないように打つことです。

誰でもすぐ簡単にできるのは、目標に正対して右ヨコに置いたボールを打つ方法。構えた時点でインパクトの形ができていますから、それを戻す作業をするだけ。しかも目標を向いているので大きく振れません。ミスするのが難しいくらいです。

クロスハンドで打つのも左手の封印に有効ですが、体が起きるとトップするので曲げたヒザを沈めながら打ちましょう。転がせる状況ならクラブを吊って持ち、ヒール側を浮かせトゥ側で打つのが簡単です。

アプローチミスの大半は手首の使いすぎによって起こる。これさえ封印すればバウンスバックできる。

左手が邪魔できないクロスハンドもオススメ

パットで多いクロスハンドグリップで握ると左手首を固定して打てる。いきなりだとトップしやすいので必ず素振りで芝を擦ること。ヒザを沈めながら打つとうまくいく。

左手が下にくるクロスハンドで握る。
少しでも体が浮くとトップするので注意。ヒザを沈めながら打つのがポイントだ。

ヒール側を上げるとパットのように寄せられる

パットの感じでウエッジを吊るように持ち、ボールに近づきヒール側を浮かせてアドレス。フェースのトゥ側で打つとパットと同じイメージで寄せられる。

ヒールを上げトゥ側で打つ。
ロフトがある番手は意外と飛ばないので、距離が長いケースでは番手を上げて対応しよう。

「お先に」の手法で打ってみよう

3パット、4パットでがっくり!(パットのバウンスバック術)

パットのミスは、ほぼほぼ距離感のミス。左右どちらかに軸を固定して打つとイメージ通りの距離が打ちやすくなる。

打ちやすい方でいいので、左右どちらかの足に体重を乗せた構えで打つ。スクエアに立つことにもこだわらない。

音でストロークをイメージするのも距離合わせに有効

パットは「お先に」式で打つのがオススメです。多くの場合「お先に」は左右いずれかの足に体重を偏らせて打ちます。これと同じように、右足または左足体重の構えから打つと、軸が安定して打ち損じが減ります。打ちづらければ、距離にかかわらずオープンもしくはクローズに立っても構いません。

また、音でストロークをイメージするのも有効。「スーッ」とテークバックし「ポン!」と打つ。カップまでの距離が長ければインパクト以降を「ポーン」に変化させるなどすると距離感が合ってきます。

これから打つパットを擬声音でイメージ。声に出しながら、または心で唱えながら打つと距離感が合ってくる。


北野正之
きたの・まさゆき 1966年生まれ。PGA公認インストラクター。本誌「80台でラウンドするためのゴルフ学」でもお馴染み。技術のみならず、クラブやセルフマネジメントにも精通した指導者。埼玉県の松原ゴルフアカデミー、茨城県のサザンヤードCCを中心にレッスン活動を展開中。

取材協力/サザンヤードCC