1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. クラブ選び
  4. フォーティーン TK-40フォージドウェッジ試打評価レビュー

フォーティーン TK-40フォージドウェッジ試打評価レビュー

試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー

2021/03/26 ゴルフサプリ編集部

『MT-28』や『RMシリーズ』など数々の傑作ウェッジを生み出し、国内ナンバーワンウェッジメーカーとしての地位を守り続けているフォーティーン。その40年の歴史の集大成として登場したのは、多彩なテクニックを駆使できるプロモデルとは真逆のミスに強いウェッジです。「試打のスペシャリスト」高橋良明がウェッジの “やさしさ”について考察しながら『TK-40フォージド』を評価しました。
※現在、売切れ中。再販売は2021年6月を予定しています(2021年3月30日現在)

[目次]

フォーティーン TK-40フォージドウェッジ総合評価

フォーティーン TK-40フォージドウェッジ

構えやすさ★★★☆☆(3/5)
抜けのよさ★★★★★(5/5)
打球感★★★☆☆(3/5)
スピン性能★★★★☆(4/5)
操作性★★★☆☆(3/5)
総合評価★★★★☆(4/5)

フォーティーン TK-40フォージドウェッジの特徴

アマチュアのアプローチの悩みでもっとも多いのがザックリ。ボールが前に飛ばないので確実に1打損をするだけでなく、寄せる気満々だったときのザックリほど精神的なダメージが大きいミスはありません。

フォーティーンの『TK-40フォージド』はザックリをなくすことを最大のテーマとして開発されたウェッジです。

ザックリを怖がる人はボールを右足寄りに置く傾向が見られますが、『TK-40フォージド』はそのかまえ方のままでザックリを防げるところがミソ。上から打ち込んでもリーディングエッジが引っかかりにくく、ソールが機能してヘッドが滑り、ミスを減らしてくれます。

※現在、売切れ中。再販売は2021年6月を予定しています(2021年3月30日現在)

特徴

  • ボールを右に置いてかまえやすいグースネック仕様
  • 上から打ち込んでもザックリしない「タンクソール」
  • カウンターバランスがザックリを防いでくれる

特徴1.ボールを右に置いてかまえやすいグースネック仕様

ザックリを怖がっている人の多くは、ヘッドが手前に入り過ぎるのを防ぐため知らず知らずのうちにボールを右足寄りに置いて構えるようになります。

そこで、最初からボールを右に置き、ハンドファーストでかまえやすいようにシャフト1本分ほどの強いグースネックに仕立てられているのが『TK-40フォージド』の特徴です。

グースネックのウェッジにはラインと平行にヘッドを動かしやすく、目標に対してボールを真っすぐ出せるメリットもあります。

特徴2.上から打ち込んでもザックリしない「タンクソール」

ボールを右に置いてハンドファーストでかまえれば手前の地面を叩きにくくボールにコンタクトしやすくなる反面、ヘッドの入射角が鋭角になるので一般的なウェッジではかえってリーディングエッジが刺さりやすくなります。

そこで『TK-40フォージド』では、ハンドファーストのかまえを前提にソール形状を設計。リーディングエッジを滑らかにすることで上から打ち込んだときに刺さりにくくすると同時に、前側のバンスが効いてスムーズにヘッドが抜ける「タンクソール」を採用しています。

特徴3.カウンターバランスがザックリを防いでくれる

一般的なウェッジはヘッドが重く他の番手よりもバランスが大きいものが多くあります。ヘッドが効いているので切り返しでタメができやすく、そのまま下りてくるとヘッドが鋭角に入って刺さりやすくなります。

これを緩和するために『TK-40フォージド』ではヘッドを軽量化。シャフトのバランスポイントも手元側にして、入射角がゆるやかになるようにしています。

また、純正シャフトとして振り遅れ感がなくリーディングエッジを入れるポイントをコントロールしやすいスチールシャフトと、切り返しでヘッドがゆるみにくいカウンターバランスのカーボンシャフトが用意されています。

フォーティーン TK-40フォージドウェッジのスペック

ロフト角は球の高さと飛距離のバランスが良い57度に設定。シャフト重量はスチールの「TS-114w」が125gでアイアンのシャフトが90g以上の人向き。カーボンの「TS-07c」は107gでアイアンが90g以下の人にマッチします。

メーカーフォーティーン
製品名TK-40フォージド ウェッジ
ヘッド素材軟鉄(S25C)鍛造
番手/ロフト角SW/57度
ライ角64.5度
シャフトTS-114w(W)、TS-07c(W)
長さ34.75インチ
重量/バランス463g/C8(TS-114w)、351g/C4.5(TS-07c)
価格TS-114w:14,000円(税込)
TS-07s:16,000円(税込)
公式サイトフォーティーン公式サイト

フォーティーン TK-40フォージドウェッジを試打レビュー

『TK-40フォージド』がどれくらいザックリしにくいかをプロゴルファー高橋良明が試打レポートします。

また、ラフやバンカーなど様々なライからの打ちやすさやクラブの機能を引き出すための打ち方も検証しています。

試打レビュー

  • フェースを真っすぐ合わせるとハンドファーストになる
  • 軟鉄鍛造らしいフィーリングとやさしさを両立している
  • ヘッドを少しラフに扱ってもバンスがしっかり助けてくれる

フェースを真っすぐ合わせるとハンドファーストになる

『TK-40フォージド』はグースネックの度合いがかなり強くて、ふつうのウェッジよりもボール1個分くらい右でかまえるイメージです。リーディングエッジが真っすぐになるように置くと勝手にハンドファーストのかまえになります。

フェースを開くとネックに当たってシャンクしそうなので、開いて使うとすればヘッドをかなりカットに入れないと打てません。ソールしたときにリーディングエッジがけっこう浮いているように打ってみるときちんとボールの下に入ってくれます。

ちょっと特殊な形状なので、かまえにくいというほどではありませんがある程度の慣れが必要かもしれません。

軟鉄鍛造らしいフィーリングとやさしさを両立している

軟鉄らしいやわらかいフィーリングがあり、やさしい系のウェッジとしては『TK-40フォージド』の打感はまずまずです。

ただ、フェースに球が長く乗っている感じはありません。かといって弾きがいいわけでもなく、ソールのバンスが地面に当たってポンと球が出ていく感じです。ボールの飛び出す感覚は削り出しのパターに近いかもしれません。ふつうに真っすぐ打っている分にはスピンもよくかかるので低めに出して止める球も打てます。

フェースを開くとバンスがけっこう出るので弾かれるような当たり方になります。しかし、真っすぐにかまえて打てば、バンスの効きがダイレクトに伝わってくるので打感がものすごくいいという評価になります。

ヘッドを少しラフに扱ってもバンスがしっかり助けてくれる

クラブなりにボールを右に置いてかまえればヘッドを真っすぐ引いて真っすぐ出すイメージがわきます。

バンスの効き方が絶妙で、ふつうに打てば地面に刺さることもなければ跳ね返されることもありません。かなり手前からヘッドが入ってもソールが滑ってボールにきちんと当たります。

ラフからのショットもかなりやさしく打てます。中途半端にボールが浮いているライでも、ロフトが立ったまま下りてくるのでフェースに当たりやすく、ボールの下をかすって抜けてしまったり、だるま落としになったりしにくくなっています。

短いアプローチや逆目から打つときもバンスを使えるのでチッパーよりも楽に打てます。

フォーティーン TK-40フォージドウェッジがおすすめの人

テクニックを使う必要がないので初心者にもおすすめ。ボールを少し右に置いて、ロフトを立てたり寝かしたりしないでパターのようにフェースを真っすぐ出してあげるだけで、『TK-40フォージド』のタンクソールが勝手に仕事をしてくれます。意外と中級者や上級者も使えるウェッジです。

ウェッジで一番やってはいけないミスはダイレクトにボールに当ててしまうことです。それを避けるためにヘッドを手前から入れると今度はダフったりザックリしたり、そしてまたボールを直接ねらってトップしたり。その繰り返しでアプローチが打てなくなってしまった人は『TK-40フォージド』を試すべき。ダフリもザックリもまず起きないので自信を取り戻すことができます。

バンカーが苦手な人にもおすすめです。ソールは薄いけれどフェースを少し開いたときにはバンスが効いてすさまじい出方をします。

フォーティーン TK-40フォージドウェッジの評価

絶対にザックリさせないウェッジという触れ込みなので、ただのお助けクラブと思われがちですが、実はとてもよくできたウェッジです。バンスの付き方がとてもよくできていて、何となく打っていた人でも、バンスが地面に当たって弾くというのはなるほどこういうことなんだと気付かされるはずです。

また、フェース面を真っすぐに出しやすく、ロフトを立てたり寝かせたりといった動きも入りません。ウェッジの使い方の基本を教えてくれる先生のようなウェッジです。

操作性の高いウェッジを使うのは『TK-40フォージド』でウェッジの基本を身につけてからでもいいと思います。


テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

協力/サザンヤードカントリークラブ
撮影/相田克己