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2021ドライバー28モデル!! 試打と計測で分析|最適タイプのドライバーが見つかる

誰に合う? どんな性格? ズバリ判定

2021/04/28 ゴルフサプリ編集部

せっかくドライバーを新調するのだから失敗はしたくない。ゴルファーとクラブの相性があるのは分かっていても、多くの人がどのクラブが自分に合うのかは分からないはず。そこで、主要メーカーの2021モデルドライバーを集め、2人のプロが試打と計測で28機種のドライバーの性格をズバリ分析します。

GOLF TODAY本誌 No.586 81〜87ページより

計測で5つのタイプに分類

28機種1本1本じっくり計測

軸周り慣性モーメントと重心角で分類

計測したのはこの人

杉山公平(ドクター スギ)
大手クラブメーカーで27年間クラブ開発に携わる。現在は大手ゴルフ量販、二木ゴルフで取り扱うすべてのクラブの分析を行うクラブ分析のプロ。

試打で5つの項目を評価

一般アマチュアのヘッドスピードに合わせて、40~42m/sで試打を行った。ボールはコースボールを使用。
28機種のドライバー1本1本、打点やヘッドスピードを変えて「飛び・球のつかまり・スイートエリアの広さ・弾道の高さ・打感」の5つの項目を確認しながら試打を行い、5項目以外にもそれぞれの振り心地やどんなゴルファーに合うかも評価してもらった。

試打したのはこの人

高橋良明(たかはし よしあき)
1983年生まれ、37歳、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属、ツアーにチャレンジする傍ら、ゴルフメディアでの試打テスターも務め、毎年ニューモデルを打ち続けているベテランテスター。

計測データで判定|軸周りMOIと重心角の組み合わせで5つのタイプに分かれる

左のチャートはクラブの重心角を横軸に、ネック軸周り慣性モーメント(MOI)を縦軸として計測したヘッドを分類しています。重心角で球のつかまりやすさが、軸周りMOIでヘッドの返しやすさが変化します。スイング中のヘッドターンの大小と、どれくらいの球のつかまりが欲しいかによって、その人に合うタイプが分かります。

ドライバー特性分類チャート

28モデルのドライバーをA~Eのタイプに分類! 相性が良い人も解説

Aタイプ 軸周りMOI(特大)重心角(特大)
球がつかまって曲がりも少ない超オートマチックタイプ
ヘッドの直進性が高く、ミスヒットにも強い。インパクトのフェース向き通りにオートマチックに飛ばせるタイプ。フェースローテーションが少なく、ストレートボールを打ちたいゴルファー向き。

Bタイプ 軸周りMOI(中~大)重心角(中~大)
ヘッドの直進性でミスヒットにも強いタイプ
ヘッドの直進性を生かして、ストレートボールを打ちやすいタイプ。Aタイプと比べてフェースローテーションも少し使える。Aタイプより、リストワークが大きいゴルファー向き。

Cタイプ 軸周りMOI(中)重心角(中~大)
球のつかまり重視のスライスしにくいタイプ
重心角による球のつかまりとフェースローテーションの使いやすさのバランスで球のつかまりが最も良くなるタイプ。クラブで球のつかまりを増やしたいゴルファー向き。

Dタイプ 軸周りMOI(中)重心角(中~小)
球のつかまり控えめのフックしにくいタイプ
適度な操作性を持ちながら。球のつかまりが控えめなタイプ。球のつかまりすぎを避けながら、自分で球をつかまえて打ちたいゴルファーや、ヒッカケやつかまり過ぎを避けたいゴルファー向き。

Eタイプ 軸周りMOI(小)重心角(中)
自分でヘッドを操作して球筋をコントロールしやすいタイプ
ヘッドの操作性が高く、球筋をコントロールしやすいタイプ。ヘッドを積極的にターンさせながら打ちやすい。球筋を打ち分けたい人やローテーションが多いゴルファー向き。

軸周りMOIと重心角ってなんだ?

慣性モーメント(MOI)は物体の回転しにくさを示します。軸周りMOIはネック軸を中心とした回転しにくさということになります。軸周りMOIの大小でフェースの開閉しやすさ、つまり「フェースの返しやすさ」が変わります。重心角の大小ではスイング中の遠心力でフェースが閉じようとする度合いが変わりますから「フェースの返りやすさ」を示します。

軸周りMOI

軸周りMOIが大きいほどフェースが返る速度は遅くなる。

重心角

スイング中の遠心力でヘッドの重心はシャフト軸の延長線方向に引っ張られるので、重心角が大きいほどフェースが自然と返る。
5つのタイプを知った上で、試打すればどのタイプが自分に合っているかがわかります!

ドライバー最新トレンド

1 全体的にAタイプの方向へ!
年々Aタイプが増加し、モデルチェンジの度にDタイプ、Eタイプが減少。よりオートマチックな方向に向かっています。

2 低スピン傾向は続いている
低スピンを意図した設計はアスリート向けモデルに多い傾向でしたが、軽量モデルも低スピンの傾向に!

3 多モデル化、多パーツ化
ひとつのシリーズで2~3モデル展開が増加。またヘッドも多パーツコンポジット構造が増えています。

【トレンド1】多パーツコンポジット

たとえば、テーラーメイドのSIM2は4つのパーツを接着で成形するのでヘッド内部の加工が容易となり、理想的な重心設計を追求しやすい。

多パーツコンポジットは慣性モーメントUPと自由な重心設計が可能
これまでは慣性モーメントと重心角を大きくすると、低スピン化が難しかったのですが、多パーツコンポジット構造は、設計自由度が高く、このすべてを備えることが可能。どんどん「飛んで曲がらない」理想のクラブに近づいています。

SIM2以外にも2020年に登場したドライバーには多パーツコンポジットのモデルがある。今後、さらに増加していくと考えられる。

【トレンド2】可変ウェイトの位置はヘッドの最後端が主流

ヘッドの慣性モーメントの変化を抑えながら、重心角だけを変化させようとすると可変ウェイトの位置はヘッドの最後端になる。

【トレンド3】多モデル展開

オートマチックな方向を向きながらも、ゴルファーとの相性を考えて、同じシリーズでも2~3モデルを用意して、A~Eの中で複数のタイプに対応している。

あなたにピッタリのドライバーを見つけるポイント

A~Eどのタイプが合うかは テークバックのフェース向きで判断

①フェースローテーションが少ない人でフックを避けたいならDタイプ、スライスを避けたいならAタイプかBタイプがオススメ

②フェースローテーションが多い人はチャート下段、CタイプとEタイプのどちらかが合う

③フェースローテーションが少ない人はチャートの上段、Aタイプ、Bタイプ、Dタイプのいずれか

④フェースローテーションが多い人で、フックを避けたいならEタイプ、スライスを避けたいならCタイプがオススメ

  • テークバックの途中でフェースがボールに向いている人は、フェースローテーションが少ない。

  • テークバックの途中でフェースが体の前方向に向く人は、フェースローテーションが多い。

フェースローテーションの大小はここで分かる

最新ドライバーを選ぶ上でスイング中のフェースローテーションの大小を知ることが重要ですが、自分のフェースローテーョン量を知っている人はほとんどいないと思います。でも、テークバックの途中のフェース向きを見ればすぐに分かります。テークバックの途中、手が腰の高さに来た時のフェースの向きをチェックしてください。

テークバックを手元が腰の高さにきたときに止めて、フェースがどこに向いているかをチェック。

最新ドライバーはロフト角 10.5度から試打するべき

最新のドライバーは一様に低重心設計で、低スピンになっています。少し前までは重心深度を大きくしてMOIや重心角を大きくしたモデルは、フェース面上のスイートスポットが高くなって、スピンがかかりやすくなる傾向がありましたが、最新モデルは重心深度が深くても低重心設計で低スピンになっています。すると、高打ち出しが必要ですので試打する時には10.5度からがオススメ。10.5度で上がりすぎる場合は9度とか9.5度を試すといいでしょう。

計測器で打出し角とスピン量が分かる場合は、打出し角は16~18度、スピンは2100回転前後が目安。これより少ないと、ドロップしてキャリーが不足している可能性大。TOTAL飛距離だけではなくキャリーを重視すべき。
PGAツアーでもロフト角10.5度を使用する選手が増えています。

撮影協力/サザンヤードCC(茨城県)

【2021モデルドライバー 誰に合うのか? どんな性格か? ズバリ判定】
(1/2):2021モデルドライバー28機種試打と計測で分析
(2/2):出揃った!2021ドライバーカタログ(全28モデル)