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ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティの試打評価レビュー

2021/05/10 ゴルフサプリ編集部

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

「ツアーステージ」から「ツアーB」へと受け継がれてきた「X」の称号。日本を代表するアスリートブランドの最新作『ツアーB X-H』は、プロ好みの引き締まったフォルムにブリヂストンのテクノロジーが詰め込まれたユーティリティクラブです。飛距離性能や操作性など『ツアーB X-H』のポテンシャルについて「試打のスペシャリスト」高橋良明が明らかにします。

[目次]

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ総合評価

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

飛距離性能★★★★☆(4/5)
打球感★★★★★(5/5)
操作性★★★★★(5/5)
上がりやすさ★★★★☆(4/5)
総合評価★★★★★(5/5)

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティの特徴

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

ツアーB X-H』は、多くの飛び系ユーティリティとは異なるアプローチで設計されています。

高初速エリアを拡大する「サスペンションコア」や「パワースリット」で飛距離性能を向上させつつ、ユーティリティ本来の役割であるねらう機能を最優先。そのために低浅重心とは逆の高深重心設計を採用して、高い打ち出し角と適切なスピン量の止まる弾道を実現。

スピンコントロール性能も高く、アイアンのようにねらえるユーティリティとなっています。

特徴

  • 「クラウン加重」で適正なスピン量と高い寛容性を実現
  • 高初速・高弾道をもたらす「サスペンションコア」
  • 「パワーミーリング」でスピン量がさらに安定

特徴1. 「クラウン加重」で適正なスピン量と高い寛容性を実現

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

クラウンをできるだけ軽量化し余剰重量をソールに集中させるのが一般的なヘッドの設計手法です。

しかし、『ツアーB X-H』では12グラム分のウエイトをクラウンの後方に配置しています。その結果、『ツアーB X-H』はより深く高い重心位置を実現。インパクト時にフェースが上を向きやすく大きな打ち出し角が得られると同時に適度なスピンが入るため高弾道でグリーンに止まる球が打てます。

また、深い重心によって慣性モーメントもアップ。コンパクトサイズの割にはミスヒットに対する寛容性が高くなっています。

特徴2. 高初速・高弾道をもたらす「サスペンションコア」

『ツアーB X-H』にはフェースのセンターに近い1点を裏側から支えることでCT値をルールの範囲内ぎりぎりにコントロールしつつ、高初速エリアを周辺部に拡大する「サスペンションコア」が搭載されています。

また、クラウンにはたわみを増幅させる3本の「パワースリット」が内蔵され、2つのテクノロジーの相乗効果によりフェース全体を効率よくたわませて高初速・高打ち出しを実現。大きな飛びと止まりやすい高弾道を両立させています。

特徴3. 「パワーミーリング」でスピン量がさらに安定

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

レーザー加工で刻まれたスコアラインと平行の細い溝「パワーミーリング」にはフェースとボールの滑りを抑制する効果があります。前作に続いての採用ですが、『ツアーB X-H』では3本に1本の溝をより粗くする改良が加えられ、さらにスピン量が安定しました。

どのようなライからでも抜けのいい小ぶりなヘッドと相まって、『ツアーB X-H』は思い通りのスピンコントロールで左右高低の弾道を打ち分けられるユーティリティに仕上げられています。

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティのスペック

標準シャフトが前作(ブリヂストンゴルフ ツアーB XD-H)のスチール(N.S.PRO MODUS3 TOUR105)からオリジナルカーボンに変更。クラブ重量が30グラム以上軽くなり、パワーヒッター以外のゴルファーも使えるようになりました。スチールシャフトは特注で選択できます。

メーカーブリヂストン
製品名ツアーB X-Hユーティリティ
ヘッド素材ボディ:SUS630ステンレス
番手/ロフト角H2/18度
H3/21度
H4/24度
シャフトカーボン:TOUR AD TX3-HY(S)
スチール(特注専用):N.S.PRO MODUS3 TOUR105、N.S.PRO950GH neo
長さ(H3)40インチ(TOUR AD TX3-HY)
重量/バランス(H3)347g/D1(TOUR AD TX3-HY)
価格37,400円(TOUR AD TX3-HY、税込)、35,200円(N.S.PRO MODUS3 TOUR105、N.S.PRO950GH neo)
公式カタログブリヂストンスポーツ公式カタログ

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティを試打レビュー

ツアープロも使用しているアスリート系モデル『ツアーB X-H』の飛びと使い勝手をユーティリティを知り尽くした高橋良明が試打で確認。どんなタイプのゴルファーにフィットするのか診断してもらいました。

試打レビュー

  • 逃げ顔でつかまりすぎる不安がないから思い切り振れる
  • スピンが入るから弾道の高さと左右のコントロールがしやすい
  • 高弾道で飛ばしてねらえるが使いこなすにはパワーが必要

逃げ顔でつかまりすぎる不安がないから思い切り振れる

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

『ツアーB X-H』はぎゅっと引き締まってきれいな形をしています。クラウンやフェースの輪郭はフェアウェイウッドからの流れですが、グース感があってアイアンのイメージで構えられます。フェース面がシルバーで向きがわかりやすいところも評価できます。

構えてみるとけっこうな逃げ顔に見えますが、自分で球をつかまえる感覚をつかんでいる人にとってはかえって構えやすい顔だと思います。つかまりすぎて左に行くイメージがないのでコントロールショットが打ちやすく、ヘッドスピードの速いアスリートゴルファーがさらに距離を出したいときでもしっかり振っていくことができます。

スピンが入るから弾道の高さと左右のコントロールがしやすい

構えたときに受ける印象の通りとてもコントロールしやすいクラブです。やたらと低スピンで飛ぶユーティリティもありますが、『ツアーB X-H』はふつうに打てばちゃんとスピンが入ります。ランが出過ぎないので、フェアウェイのねらった場所にボールを置きやすいし、グリーンを直接ねらっても奥にこぼれたりすることも少ないでしょう。

打ち出しは基本的に高めですが、吹かせたり潰したりして球の高低を打ち分けでき、左右に曲げるのもかんたんです。スピンコントロールがしやすく、線で打っていくというより点をねらって止められるクラブです。

高弾道で飛ばしてねらえるが使いこなすにはパワーが必要

アイアンのようにやわらかい打感が『ツアーB X-H』の持ち味です。したがって弾きというより高さで飛ばすクラブといっていいでしょう。気持ちヘッドスピードを上げて振ってみたら、けっこうスピンも入ってものすごく球が上がりました。

ただ、逆にヘッドスピードを40m/sくらいまで落として振ると球が上がりきらない感じがしました。純正シャフトはカーボンですがクラブ重量が重めなので、このクラブ本来の高さを出して飛ばすにはある程度パワーが必要でしょう。激飛びユーティリティではありませんが、振ったら振っただけ飛ばせます。

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティがおすすめの人

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティ

『ツアーB X-H』はいわゆるプロモデルに近いクラブです。棒球になりにくく、振った分にクラブが反応してスピンが入って止めることができます。飛距離を稼ぐというよりロングアイアンの代わりのクラブとしてフェアウェイやグリーンを点でねらっていきたい人におすすめです。球のつかまりが抑えめでヒッター向きですが、打点の安定している人はなおさらコントロールしやすいでしょう。

スピンが入る分弾道は高めですが、フェースの上に当てたり下に当てたりして弾道をコントロールできるので、コースや風に合わせて球の高低差で攻めたい人にも最適です。

ただ、打点のブレに対して敏感に反応するのでふだんから球が曲がってしまう人やストレートな弾道を求めている人には不向きです。

ブリヂストン ツアーB X-Hユーティリティの評価

『ツアーB X-H』は正真正銘のプロモデルです。前作よりも芯が広くなり、標準シャフトもカーボンになって振りやすくなってはいますが、基本的にはボールを左に行かせたくない上級者やハードヒッター向けのクラブです。

ロングアイアンよりもやさしく、構えやすさも操作性もトップレベルなので、ある程度ヘッドスピードがあって打点をコントロールできる人が使えば、ロングショットでターゲットをねらえるクラブとして最高の武器になるでしょう。


高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品はほぼ打ち尽くしている試打のスペシャリスト。