【ゴルフ 飛距離 アップ】 プロ ドラコン 選手に一問一答。どうしてそんなに飛ばせるの?
アマチュアゴルファーのための飛ばしのヒントをインタビュー【PR】
プロドラコン選手に”いの一番”に聞きたいのは「どうしてそんなに飛ばせるのか?」ということ。パワーさえあれば飛ばせるほどゴルフは簡単ではないはず……。ということで、今回はプロドラコン選手が飛ばすために何をしているかのをインタビュー。アマチュアが今の体力でも最大飛距離を得られる飛距離アップ術から食生活まで根掘り葉掘り聞いてみた。
一球にかける熱い思いがドラコン競技の魅力
“褐色の弾丸“
豊田竜宏
最長飛距離 479ヤード
とよだ・たつひろ。1988年4月12日。茨城県出身。184cm、110kg。JPLA所属。ドラコン日本記録保持者。6年前に仕事のつき合いでゴルフを始めて1ヵ月。周囲に「飛ぶ」と言われ記念にと思って出場した大会で2位になり日本大会の出場権をゲット。ドラコン歴3年ながら、子どもの頃から勤しんだ野球(投手)の技術を独自の方法でスイングにフィードバックして活躍中。
2019年 LDJ日本大会 4位
2020年 LDJ日本大会 2位
2021年 LDJ静岡大会 1位
現在日本ランキング1位
“王者のDNAを継ぐ男”
小井圡峡太
最長飛距離443ヤード
こいど・きょうた。1997年3月1日。長野県出身。179cm、90kg。JPLA所属。東北福祉大学ゴルフ部出身。大学4年生の時にヘッドスピード64m/sを出し、それを見た和田正義プロに勧められて地元の長野県で行われたドラコン大会に出場。その後、プロドラコン選手に転身し2019年から本格的に大会に参戦している。スイング理論に精通しレッスンにも心血を注ぐ。
2018年 ケンコーポレーションカップ 4位
2018年 ローメルカップ 2位
2019年 LDJ日本大会 8位
2020年 LDJ日本大会 8位
“玄界灘のターザン”
豊永智大
最長飛距離 423ヤード
とよなが・ともひろ。1987年11月3日生まれ。長崎県出身。190cm、120kg。JPLA所属。ツアープロを目指して10年間奈良県のコースで研修生生活を送る。レッスンプロへの転機のおりに知ったゴルフダイジェストのドラコン大会に参加すると予選会で優勝。日本大会決勝でもベスト8入りしてドラコン大会への本格参戦を開始した。2019年にはゴルフダイジェスト日本大会で優勝し日本一に。
2018、20年 ケンコーポレーションカップ 1位
2019年 ゴルフダイジェスト日本大会 1位
──まず、みなさんがドラコンプレーヤーになったきっかけを教えてください。
豊永 僕は今年でドラコン歴3年目。2回目に出た試合が賞金の出る大会で、そこで優勝して翌月に世界大会に出られたのですが、その時に海外の選手を見て、この世界でどこまでやれるかチャレンジしたいと思って本格的に競技を始めました。
豊田 僕は初めて出た大会で2位になって決勝大会に進めたんですが、その3年後に出た試合では全然ダメだったんです。周りでバンバン飛ばす人を尻目に、自分よりも飛ばすヤツって何なんだと思った。そこで「日本で一番になってやる!」と思い、みっちり体を鍛えてスイングを直そうと決意しました。
小井圡 僕は出場した大会でJPLAのプロの資格基準を満たしているといわれたのがきっかけです。予選を1位で通過できて楽しかったですし、プロにもなれるということだったので、ならばプロとしてやっていこうと決めました。
──ドラコン競技の魅力は何ですか?
小井圡 やっぱり迫力ですね。300ヤードドライブさえなかなか見られないのに350ヤードとか普通で、場所によっては400ヤードドライブさえ見られます。音もすごくて、これはみなさんにもぜひ聞いてほしい。初めて聞くと「こんな音が出るの!」というくらいスゴいです。室内で打ったら壁にヒビが入るかも(笑)。
豊永 奥深さが魅力ですね。体とクラブと心が噛み合わないと、いい球は打てません。どこまで飛ぶか最大限を求めつつ、試合で勝つ喜びも味わえる。たった2分半の戦いに奥深さが凝縮されるところが何ともいえずいいですね。
豊田 僕も一球に熱い思いをかけるところが好きです。
技術的に特別なスイングはしていない
“褐色の弾丸“
豊田竜宏のスイング
──みなさんのスイングはドラコン用の特別なものですか?
豊田 僕は小学校から野球の投手だったんですが、ゴルフのスイングはバッティングよりも投球動作に多くの共通点があると感じていて、投手経験を飛ばしに活かしてドラコン競技をやっています。ボールを投げる時のように腕をしならせ、その延長でクラブのしなりを使ってスイングしています。
小井圡 「ドラコンスイングはゴルフに向いてない」と言われます。でも、僕は必ずしもそうではないと思います。飛ばすにはヘッドスピードが必要ですが、ドラコン選手は速く振るためのコツを知っています。その意味ではアマチュアゴルファーの参考になるところもすごく多いので、そういう視点で見ていただくといいと思います。同じようには振れなくても速く振るヒントがあるはずです。アメリカPGAツアーは飛ばしのゲームになっています。いまや飛んた方が有利なのは明白なのでぜひ参考にしていただきたいですね。
豊永 同感です。実際、僕は研修生からゴルフを始めましたが、ドラコンだからといって飛ばすためのポイントが変わるわけではありません。ダウンスイングでタメを作り、ヘッドを遅らせることでシャフトのしなりを使って飛ばすのが基本です。
“玄界灘のターザン”
豊永智大のスイング
──ちなみに、みなさんのベストスコアは?
豊永 64です。
小井圡 68です。
豊田 自分も68です。2人はずっとゴルファーですからスコアが安定していますが、自分は70台から95くらい打つ時もあります。
小井圡 たまにみんなでドラコンクラブ縛りでラウンドすることがありますが、その時のスコアはひどいですよ(笑)。350ヤードのパー4だとワンオンを狙ったりしますから、ボールもどんどん無くなっちゃう。
──普通にラウンドするときは飛距離的にかなりセーブしている?
豊田 ドラコンと違ってラウンドでは1球しか打てませんから、勝手にセーブしているかもしれませんね。
──基本的にドライバーは必要ないでしょ?
小井圡 なくてもできますね。
豊田 そのほうがスコアは絶対いい!(笑)
アマチュアが飛ばないのは手首を解くのが早いから
──ドラコン選手はスライサーが多いとも言われていますが、本当ですか?
豊田 いや、全力のチーピン持ちもいますよ。
小井圡 どっちのプレーヤーもいると思います。
豊永 そうですね、僕はフェードですけど。
小井圡 ただ、傾向的にはフェード系の人がドラコン選手になる傾向はあると思います。高くティアップしてボールも左に置きますから、クラブの軌道的にはカットになる。その方が球は上がりますからね。ドローが飛ぶと思われやすいですが、いい球を打つことを突き詰めていくと勝手にフェードになる傾向はあると思います。
──ドラコン選手になってスイング的に変わったところはありますか?
小井圡 僕はオーバースイングになりました。あと左足をヒールアップするようにもなりました。
豊永 切り返しのタイミングとインパクトゾーンを長くするよう気をつけるようになりました。ボールの周辺で最大限のスピードを出すこととインパクトで当たり負けないことを意識しています。
豊田 自分はスイングを詳しく知らないうちにドラコンをやったので、ドラコンスイングをどうゴルフに生かすか考えた方です。
“王者のDNAを継ぐ男”
小井圡峡太のスイング
──アマチュアが飛ばない理由は何だと思いますか?
小井圡 ダウンスイングで手首が解けるのが早いことですかね。スライサーが多いのもそれが原因だと思います。
豊永 そうですね。飛ばそうとするほどリリースが早まって飛ばない動きになってしまう。それが飛ばない原因でしょうね。
小井圡 そうならなければ、パワーがなくてもある程度飛距離を伸ばせます。これは誰でもできますよ。
豊永 その人の最大限を出せばいいだけですからね。
豊田 その通りです。
小井圡 レッスンしていると10~20ヤードくらいはすぐ伸びる人がたくさんいます。クラブの使い方さえわかれば誰でも飛ぶということです。
豊永 飛距離アップはそこからスタートするのかもしれません。まずは今の自分の最大限を出すことから。
一般的なアマチュアゴルファーでも、その気になれば300ヤード飛ばせる
プロドラコン選手のスイングを見ていると、やはり飛ばすには『速く振れること』がとても重要だということがよくわかる。
豊田 普通のゴルファーでも、その気でトレーニングすれば300ヤードは飛ぶと思いますよ。野球だってちゃんとトレーニングすれば140km/hは出ると言われていますから。
──へえ~、そうなんですか! で、おすすめの練習法は?
小井圡 一番は素振りです。
豊永 重いものと軽いものを交互に振る。僕はバットが多いですね。体幹がしっかりしていないと振り続けられません。
──ボールを打つ練習はどれくらいやりますか?
小井圡 多い時はずっと打ってます。
──球数も多いですか?
豊永 そうでもないかもしれません。何しろ全力で打ちますから。
小井圡 200球くらいは全力で打ったことがあります。それだけで筋トレみたいでした。
──全球マン振りですか?
豊永 やはり振っておかないとダメですね。世界大会に行くと外国人選手は3分間の競技時間に全力で8球打ったあと、横の練習場で同じように打っています。それで自分の順番がくると、また全力で8球打ちますからね。それくらいの筋力と持久力が必要だと思います。
飛ばせる体の維持は大変。毎日鶏の胸肉を1.5kg食べています
──仮に今打てる最大飛距離が手に入ったら、次にやるべきことは何でしょう?
豊永 あとはいかに地力をつけていくかだと思います。
──地力をつけるとは体力をつけること?
豊永 そうですね。同じスイングをしても体力や筋力がついてくると地力がベースアップできて飛ぶ。ある意味、本当の飛ばしとはこういうことがと思います。
──となると、やはりトレーニングですよね。御三方とも“ちょっと見ボディビルダー”なのはそのせいですね。
豊田 そうですね。トレーニングもボールを打つ練習も両方大切ですが、クラブという道具を振るゴルフの場合、スイングフォームを創造できないと適切な筋力がつかないと思うんです。目指すスイングに近づくためのトレーニングであって、単に筋力アップすればいいわけではない。トレーニングばかりして柔軟性が無くなってもダメだし、技術が足りなくてもだめですよね。自分はまあまあ体があったので、それに合わせて技術をつけていきましたが、逆の人もいます。すべてをひっくるめたスイング作りの方法は人それぞれでいいと思います。
豊永 僕は正直、トレーニングについてはよくわからなくて、いつも2人に聞いているんです。
小井圡 トレーニングは週4回くらいやりますね。ジャンプとか全身を使った運動をやりつつ、部位別にも鍛えます。
──ドラコン競技をやるうえで特に大事な部分はあるのですか?
豊田 それは人によって違って、自分の場合はリストです。前腕の使い方と脚ですね。なので自分は結構走っています。ダッシュとかジャンプとか……。
豊永 あとは背筋ですね。スイングでは背中から腰、お尻のあたりを一番使います。
小井圡 僕は筋力プラス柔軟性ですね。回旋運動も入ってきますから。
──関節の柔らかさも必要と言われますが。
豊永 そうですね。止まっている時と動いている時で関節の柔軟性が違うみたいです。
──みなさん、総じて体は柔らかい方ですか?
豊永・豊田 硬いです(笑)。小井圡クンは特別柔らかいです。
豊田さんや豊永さんと並ぶと、180cm、75kgの編集部員が小柄に見える。特別なトレーニングなしでこの体格を持つ豊永さんが、正直うらやましい。
──でも、さすがにその体を維持するにはトレーニングだけでは難しいですよね。さぞかし食べ物にも気を使われているのでは?
豊田 自分は体重(110kg)からすると一日330gのタンパク質が必要なので、毎日鶏の胸肉を1.5kg食べています。尿酸値がヤバいですが……。こうなると食事というよりもエサですね、勝つための。
豊永 僕もタンパク質は摂っていますが、基本的には食べたいものを食べています。
豊田 豊永さんはナチュラル・ボーン・ビッグ(生まれつきの大柄)ですからね(笑)。
小井圡 そうそう。何もしないでこの体。僕も食事は一応タンパク質を摂取するようにしています。周りにいっぱいマッチョがいるので教えてもらっています。
──クラブ選びも必要ですよね?
豊永 そうですね。やはり自分に合ったタイミングで振れることが必要です。自分がクラブに合わせるよりはクラブを合わせたほうがいい。筋肉量があって速く振れればそれが有利ですから。
──では、次回はそれぞれの使用クラブについてお話を聞かせていただきます。
豊永・豊田・小井圡 承知しました!喜んで!!
プロドラコン選手たちの話は、いかがだっただろうか。最大飛距離を伸ばすためのヒントを得られた、もしくは参考にしてみたいと思った方も多いのではないだろうか。さて、彼らの話を聞いて、ドラコンという競技やプロドラコン選手に興味が湧いた人も多いことだろう。そこで、彼らの主たる競技の場を創造しているドラコン団体「LDJ」について、少し紹介させてもらいたい。
最長飛距離を競い合う“本物”のドラコン選手たちが集う【LDJ】
LONG DRIVERS OF JAPAN、「LDJ」は日本国内でロングドライブ競技大会を運営する団体だ。世界最高峰の大会「World Long Drive Championships」を開催していたWLDに唯一公認され日本のドラコン選手たちを世界大会へ送り出してきた。2021年からは世界大会「World Chanpionship」を開催するULDとパートナーシップを締結。唯一ULD公認の大会を主催する団体として国内大会では世界基準にのっとり、最大飛距離を競い合う試合形式を導入している。
【LDJ代表インタビュー】日本選手が世界一飛ばすようになる未来は、そう遠くない
LDJ(ロング・ドライバーズ・オブ・ジャパン)の方針は「誰よりも遠くに1ヤードでも遠くに飛ばすことを大切にする、世界大会に通用する日本選手の育成を目指す」ことです。LDJの傘下にはプロ団体のJPLA(ジャパン・プロフェッショナル・ロングドライバーズ協会)があり、LDJの大会に出場するプロの認可団体として活動しています。
世界的にはアメリカ、ヨーロッパ、南アフリカ勢が強いですね。ただ、現在は日本のドラコン界は最高峰の選手がしのぎを削るいい時期にあります。トップ選手のレベルが高く層も厚い。約20年の歴史の中でも最強といえるでしょう。ここで登場している3選手に加え、永原原総太朗、三隅直人の5人+アルファが、トラックマンで世界トップ16に入れる数値を記録しています。ドラコンは6発中1発が採用される競技なので運もあれば相手のミスもあります。そういったことを考え合わせると世界でも勝てる可能性がある。日本記録も今年更新されたのでとても楽しみですね。
日本選手の活躍を促す意味でもアジアで大会を開催したいですね。今年はコロナ禍で動けないので2022年を元年にできればいいかと。まずはそこを制覇すること。アジアも韓国、中国、タイと層が厚いですが国際大会初の日本チャンピオンの誕生を期待しています。
正真正銘のマン振りは迫力満点。ぜひ一度、生で見て、楽しんでいただきたい
ドラコンの楽しみは非日常な飛距離や音、迫力。非現実ですらあるので、ぜひ一度ナマで見ていただきたいです。何しろスイングが速い。あれこそが正真正銘のマン振りです。真後ろから見ると体のこまめな回転の速さがよくわかり「こんな速さで回るのか!」と驚かれること請け合いです。
ただ、トップクラスばかり見ていると競技も下火になります。世界に通用する人間をどんどん送り出しつつ、アマチュアゴルファーの皆さんが自分の最大飛距離を伸ばせるようなエッセンスもお伝えしできるよう情報発信もしていきたいです。
“ドラコン界のアニキ” 高橋健
たかはし・けん。株式会社LDJ代表取締役。プロドラコン選手。2008年よりドラコン競技に参加。11年にJPLAでプロ登録。14~19年はLDJ副会長、20年より現職に。16、18、19年に世界大会(WLDC)に出場。国内では2021年に439ヤード記録。15~18年にはLDJ日本大会マスターズスーパーファイナルに進出した。
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