プロギア LSドライバーの試打評価|高橋良明の本気レビュー
「ヘッドスピード40m/s前後のあなたへ」。多くのアマチュアゴルファーの心に刺さるキャッチフレーズとともに登場したのがプロギアの新シリーズ『LS』です。今回は同シリーズの中から、平均的なヘッドスピードのゴルファーがもっとも飛ばせるように作られた『LSドライバー』をピックアップ。試打のスペシャリストとしておなじみの高橋良明がレポートをお届けします。
[目次]
プロギア LSドライバーの総合評価
プロギア LSドライバー
飛距離性能 | ★★★★☆(4/5) |
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直進性 | ★★★★☆(4/5) |
つかまりやすさ | ★★★★☆(4/5) |
上がりやすさ | ★★★★★(5/5) |
総合評価 | ★★★★☆(4/5) |
プロギア LSドライバーの特徴
『LSドライバー』はターゲットを絞り込み、ヘッドスピード40m/sのゴルファーが一番飛ばせるよう設計されています。
いわゆる飛びの3要素のうち、ボール初速は高ければ高いほど飛距離が伸びます。しかし、打ち出し角とスピン量の適正値はヘッドスピードによって異なり、ヘッドスピード40m/sの場合、打ち出し角は高めの18度、スピン量は少なめの2000回転がもっとも飛ばせる弾道になります。
『LSドライバー』は、ルールぎりぎりの高初速性能を追求すると同時に超低深重心設計により最適な打ち出しとスピン量を実現、ヘッドスピードに頼らなくても楽に大きく飛ばせるドライバーです。
- ヘッドスピード40m/sで一番飛ばせる高弾道・低スピンを実現
- 低重心と深重心の両立を可能にした「ディープバックソール」
- 「CNCミルドカップフェース」がギリギリの高初速を実現
特徴1. ヘッドスピード40m/sで一番飛ばせる高弾道・低スピンを実現
プロギアでは膨大な打球データからボヘッドスピードごとの理想的な打ち出し条件(打ち出し角、スピン量)を解析。ヘッドスピード40m/s(ボール初速55m/s)の場合、打ち出し角18度、スピン量2000回転でキャリーもトータルの飛距離も最大になることを解明しました。
『LSドライバー』では従来品を上回る低深重心設計を採用。理想的な高打ち出し・低スピンの弾道に近づけることで、従来よりもプラス10ヤードの飛距離を可能にしています。
特徴2. 低重心と深重心の両立を可能にした「ディープバックソール」
重心を深くすればインパクトロフトが増えて打ち出し角は上がります。しかし、重心を後ろに下げた分だけフェース面上の重心が高くなりスピン量が増えやすくなります。
『LSドライバー』では高打ち出しと低スピンを両立させるために、余剰重量の多くをヘッドの内側ではなく、本来のソール面よりもさらに下側に配置する「ディープバックソールデザイン」を採用。
アベレージモデル並みに深い重心とロースピンモデル並みの低い重心によって、ヘッドスピード40m/sのゴルファーがもっとも飛ばせる高打ち出し・低スピンを実現しています。
特徴3. 「CNCミルドカップフェース」がギリギリの高初速を実現
フェースのたわみを大きくする「Wクラウン」と「Wソール」、肉厚のバラつきをなくし高初速エリアを拡大するCNCミルド加工フェースは『RSシリーズ』譲り。
さらに『LSドライバー』ではフェース周辺部とカップフェースの折り返し部分(フランジ)をより薄くすることでシャローフェースながら『RS』に匹敵するギリギリの初速性能と広い高初速エリアを実現しています。
また、フェース表面のミーリングの凹凸がインパクト時のボールの滑りを抑えて安定したスピン量を実現。吹け上がりやドロップによる飛距離ロスを低減しています。
プロギア LSドライバーのスペック
クラブ重量は軽めの280グラム台。オリジナルの『スピーダーエボリューション』は手元調子でタイミングが取りやすく、振りやすいけれどスピン量が増えないタイプです。打ち出し角を上げて飛ばすコンセプトなのでロフト角が大きめになっています。
メーカー | プロギア |
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製品名 | LSドライバー |
ヘッド素材 | ボディ:Ti-811Plusチタン鋳造、フェース:TP2チタン鍛造、CNC加工 |
番手/ロフト角 | 10.5、11.5度 |
シャフト | Speeder EVOLUTINON FOR PRGR(R(M-37)、SR(M-40)、S(M-43)) |
長さ | 45.75インチ |
重量/バランス | 287g/D1(S)、283g/D0(SR)、281g/D0(R) |
価格 | 96,800円(税込) |
公式サイト | プロギア公式サイト |
プロギア LSドライバーを試打レビュー
ヘッドスピード40m/sのゴルファーが『LSドライバー』を使うとどれくらい飛ばせるのか。高橋良明にはターゲットユーザーと同じ40m/s前後のスピードで打ってもらい、飛距離性能を確かめてみた。
- 弾きが強いわりにフェースの食いつきがよく球筋が安定
- 高く上がって前に飛ぶからキャリーもランも伸びる
- フェースの返りがよくオートマチックに球がつかまる
弾きが強いわりにフェースの食いつきがよく球筋が安定
ゆっくり振っても出球は速く、『LSドライバー』の反発力もギリギリにチューニングされていることが伝わってきます。ヘッドスピード40m/s以下で打ち比べたときの初速は『RSドライバー』以上かもしれません。
また、少し速く振ってもボールが潰れるというよりはパーンと弾いてくれる感触ですが、それでも不思議と球が滑る感じはしません。フェース面のミーリングのおかげで食いつきがいいのか、サイドスピンもバックスピンも抑えられて弾道が安定しています。
わざと芯を外して打っても割と初速が出て飛びます。シャローフェースでもスイートエリアがかなり広く、ミスヒットに強いドライバーです。
高く上がって前に飛ぶからキャリーもランも伸びる
結論から言えば『LSドライバー』はすごく飛びます。
ヘッドスピード41m/sで振ったときに248ヤード、37m/sまで落としても223ヤードも飛びました。また、少し速い43m/sで振ったときもアゲンストにもかかわらず強い球が打てました。ボール初速の速いクラブは他にもありますが、このヘッドスピードでここまで飛ぶクラブは『LSドライバー』くらいでしょう。
高初速、高打ち出し、低スピン、飛びの三大条件をすべて満たしていることが飛ぶ要因ですが、他のドライバーとの決定的な違いは打ち出しの高さです。自分のイメージよりも出球が1段階か2段階くらい高く、しかもただ高く上がるだけでなく前に飛んでくれるのでキャリーもランも伸びます。
フェースの返りがよくオートマチックに球がつかまる
赤と黒で見た目の印象はずいぶん違いますが、つかまりのよさは『RS RED』を受け継いでいます。これだけフェースの弾きがいいと球が右に滑っていきそうですが、『LSドライバー』は少しくらい先の方に当たってもフェースがしっかりと返ってオートマチック感覚で球がつかまります。
また、シャフトのしなり戻りも速く、振り遅れたかなと思ってもちゃんと戻ってくれます。
わざとスライスを打とうと思っても打ちづらいほどのつかまりのよさですが、そうかといって引っかける感じもなく、狙った方向に真っすぐ高くボールを打ち上げてくれます。このつかまりのよさも高弾道に一役買っていると思われます。
プロギア LSドライバーがおすすめの人
『LSドライバー』はヘッドスピードがあまり出ないけれど飛距離の欲しい人にはぴったりのドライバーです。
最近はドライバーもボールも低スピン化が進んでいて、ある程度打ち出しを高くできないと球がドロップして飛ばなかったりします。その点、『LSドライバー』はクラブが勝手に打ち出し角を上げてくれるので楽に距離を伸ばすことができます。低スピンでランも期待できますが、いつもフェアウェイバンカーにぎりぎりつかまってしまうという人もキャリーで楽に越えられるようになるでしょう。
基本的に初心者から上級者まで幅広く使えますが、フェースの向きがストレートでスクエアに構えやすいので以前のように速く振れなくなって飛距離の落ちてきたベテランゴルファーにはとくにおすすめできます。また、球がよくつかまるのでスライサーにもおすすめです。
プロギア LSドライバーの評価
『LSドライバー』は高初速、高打ち出し、低スピンの3要素がすべて整ったドライバーです。
ボール初速も今あるドライバーの中でトップクラスですが、他のクラブにない特色は打ち出しの高さです。とくにヘッドスピード40m/s前後の人にとっては理想的な弾道が再現されるので間違いなく飛ばせます。
アマチュアにとって『LSドライバー』のようにキャリーで飛ぶのが一番楽ですし、スピンが少なくアゲンストでも飛ぶので力む必要もありません。また、つかまりがよくきれいなハイドローが打てます。
従来のドライバーは打ち出しが低くてスピンが少ないか、打ち出しが高くてスピンが多めかどちらかに分かれていましたが、打ち出しが高くてスピンの少ない新種が出てきた感じです。
テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。