ゴルフのアルバトロスとは|意味や語源、確率を解説【アホウドリ】
ゴルフの「アルバトロス」という言葉をご存知でしょうか。あまり馴染みのない言葉ですが、パーやバーディと同じく、ゴルフのスコアを表す用語です。
よく知られていないのも当然で、このスコアを出すためにはかなりの技術と運が要求されるため、滅多にお目にかかれるものではありません。
今回はこのアルバトロスという言葉の意味や、その難しさについてご紹介していきたいと思います。
ゴルフのアルバトロスとは【用語解説】
アルバトロスとは、ゴルフのスコアで基準打数(パー)より3打少ない打数でホールアウトすることを指します。パー3からパー5まであるので、パー4のホールでは1打、パー5のホールでは2打でカップに入れるということになります。
アマチュアでもごくまれにパー5の2打目でグリーンに届かせてしまう人もいますが、それが直接カップインしてしまうという極めてまれなケースといえるでしょう。
アルバトロスの語源や英語の意味
アルバトロスは「アホウドリ」の英名です。ゴルファーがクラブを巧みに使って長いホールを攻略した様子を、アホウドリが翼と風をうまく利用して長距離を飛んでいく姿に例えて、このような名前になったと言われています。
また、アホウドリは絶滅危惧種にも指定されるほど希少で、「滅多にお目にかかれない」という共通点もあります。
ゴルフのアルバトロスの確率|ホールインワンより難しい
アマチュアゴルファーがアルバトロスを達成する確率は、女子プロゴルファーで100万分の1、男子プロゴルファーでも15万分の1と言われています。アマチュアゴルファーに至っては、その確率はなんと200~300万分の1。仮に毎日ラウンドしたとしても、1300年以上かかる計算になります。狙って達成することは事実上不可能といっても良いでしょう。
同じく難しいとされるホールインワンでも、アマチュアゴルファーが達成する確率は約1万分の1なので、アルバトロスはそれよりも難しいということになります。
しかも、どんなゴルファーでもホールインワンを達成するチャンスは1ラウンド中に必ず4回ありますが、アルバトロスの場合は500ヤードを2打で届かせる飛距離がなければ、挑戦するチャンスすらありません。
いかにアルバトロスが難しいかということがわかりますね。
ゴルフのアルバトロス達成例|マスターズ・日本ツアー
世界では毎週各地で多くのゴルフトーナメントが開催されています。トーナメントの長い歴史の中で、アルバトロスも何度か達成されてきました。
今回はその中から、世界で最も有名な大会「マスターズ」と、日本ツアーで達成されたアルバトロスの記録をご紹介します。
マスターズのアルバトロス達成例・記録
世界中のゴルファーが憧れるゴルフの祭典、マスターズでは、過去5回のアルバトロスが達成されています。中でも最初に達成したジーン・サラゼンは、このアルバトロスによってプレーオフに滑り込み、劇的な優勝を果たしたことでも有名です。
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大会 | 達成者 | ゴルフコース | ホール | パー |
---|---|---|---|---|
1935「マスターズ」 | ジーン・サラゼン | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | 15番 | 5 |
1967「マスターズ」 | ブルース・デブリン | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | 8番 | 5 |
1994「マスターズ」 | ジェフ・マガート | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | 13番 | 5 |
2012「マスターズ」 | ルイ・ウーストハイゼン | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | 2番 | 5 |
2014「マスターズ」 | ジャン・ハナ | オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ | 8番 | 5 |
日本ツアーのアルバトロス達成例・記録
日本ツアーにおけるアルバトロスは、男子で1986年以降29回、女子では1984年以降10回記録されています。そのうち1回(1998年中嶋常幸プロ)はミドルホールで達成されていますが、それ以外は全てロングホールでの達成です。
以下、最近のアルバトロスの達成例をご紹介します。
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大会 | 達成者 | ゴルフコース | ホール | パー |
---|---|---|---|---|
2007「ミズノクラシック」 | 上田桃子 | 近鉄賢島カンツリークラブ | 7番 | 5 |
2009「つるやオープン」 | D.スメイル | 山の原ゴルフクラブ山の原コース | 15番 | 5 |
2009「フジサンケイレディスクラシック」 | 有村智恵 | 川奈ホテルゴルフクラブ富士コース | 5番 | 5 |
2009「カシオワールドオープン」 | 宮里優作 | Kochi黒潮カントリークラブ | 18番 | 5 |
2011「スタンレーレディースゴルフトーナメント」 | 有村智恵 | 東名カントリークラブ | 7番 | 5 |
2012「とおとうみ浜松オープン」 | 谷口徹 | グランディ浜名湖ゴルフクラブ | 13番 | 5 |
2015「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」 | 渡邉彩香 | 軽井沢72ゴルフ北コース | 16番 | 5 |
2016「レオパレス21ミャンマーオープン」 | 矢野東 | ロイヤルミンガラドンG&C | 14番 | 5 |
2018「日本オープンゴルフ選手権」 | 杉山知靖 | 横浜カントリークラブ | 14番 | 5 |
ゴルフのアルバトロス達成には飛距離と正確性が求められる
アルバトロスを達成するための最低条件として、まずは500ヤード前後、あるいはそれ以上あるロングホールを2打で届かせなければなりません。
つまり、少なくともドライバーで270ヤード以上、フェアウェイウッドやアイアンで230ヤード以上飛ばす飛距離が必要になります。
さらに、カップに入れるとなると、ただ飛ばすだけでなくピン方向打っていく正確性も求められます。ミドルホールでのアルバトロスに至っては、300ヤード以上先のカップに1打で入れなければならないので、余程の飛ばし屋でない限り達成はできないでしょう。
運が必要なのはホールインワンと同じですが、より高いレベルの飛距離と正確性が求められるのが、アルバトロスであると言えますね。
ゴルフのアルバトロスについて改めておさらい
- アルバトロスとはホールの基準打数より3打少ない打数で上がること
- アルバトロスは「アホウドリ」の英名で、その飛び方と希少性が由来となっている
- アルバトロスを達成する確率はアマチュアゴルファーだと200~300万分の1
- 過去、マスターズでは5回、日本男子ツアーで29回、日本女子ツアーで10回達成されている
アルバトロスは、その確率、求められる飛距離や正確性など、ゴルフの中でもっとも達成困難な記録です。自分で達成することは無理でも、ツアー中継などで1度はお目にかかりたいものですね。