ゴルフのボギーとは|意味やダブルボギー、トリプルボギーの違い
ゴルフのボギーとは、規定打数のパーより1つ多い打数でホールアウトしたときのスコアのことです。2つ多いとダブルボギーと呼びます。一方、パーより少ないスコアでホールアウトしたスコアには、バーディをはじめ鳥にちなんだ名前が付けられています。
ここでは、ゴルフのボギーの意味や語源、ボギーと一緒に覚えておきたいスコアの種類を由来も含めて紹介します。
ゴルフのボギーとは【用語解説】
ボギーとは、各ホールの基定打数であるパーに対して、1つ多いスコアでホールアウトすることを意味します。パー3のショートホールであれば4打、パー4のミドルホールであれば5打、パー5のロングホールであれば6打のスコアでホールアウトすればボギーです。
ボギーはプロのトーナメントではオーバーパーと言って、あまりよくないスコアとされていますが、ボギーという言葉ができた頃は、「いいスコア」を意味していました。
- ボギーの語源・由来
- ダブルボギー/トリプルボギー/クアドラプルボギー
- ボギーオン(率)とは
ボギーの語源・由来
ボギーという言葉は19世紀末のイギリスの伝統的なゴルフ俱楽部で、C・Aウエルマン氏が、優れたスコアを出すゴルファーに対して「レギュラー・ボギーマンだ」と呼んだことがきっかけです。
この言葉は、当時ミュージックホールで流行していた「ボギーマンがやって来る!」という歌をもじっています。ボギーマンは妖怪のことで、当時のゴルファーにとってボギースコアでまわるのは、妖怪と対戦しているような気分だったのです。
当時、ボギーはなかなか出せない「いいスコア」でした。その後、「ボギー」の呼称は新しいストロークシステムとしてハンディキャップ競技に取り入れられ、次第に定着していきました。
ダブルボギー/トリプルボギー/クアドラプルボギー
ボギーが付く呼称は、規定打数(パー)よりも多いスコアを意味します。パーに2打多いスコアはダブルボギー、パーに3打多いスコアはトリプルボギーといいます。
トリプルボギーよりも多いスコアに関しても呼称があります。規定打数(パー)より4打多いときはクアドラブルボギー、5打多いときはクインテュープルボギーといいます。なお、パーの倍のスコアはダブルパーと呼びます。また、7、8、9以上のオーバーパーが出たときなど、イギリスでは「Blow up」(爆発)とか「Disaster」(災害)と表現します。
ボギーオン(率)とは
ボギーオンとはパーオンよりも1打多い状態でグリーンにオンすることを意味します。パー3で2打目、パー4で3打目、パー5で4打目にグリーンに乗って、あと2パットで上がればボギーになるので、ボギーオンです。
18ホールをラウンドしたとき、パーオンしたホールの数の割合を示した数字をパーオン率といいます。18ホールをラウンドしたとき、ボギーオンしたホールの数の割合を表した数字をボギーオン率と呼びます。
飛距離が出にくいアベレージゴルファーにとっては、確実にボギーオンをして2パットのボギーか、1パットのパーでまわることがスコアメイクの鍵となります。
ボギーと一緒に覚えたいゴルフスコアの呼び方
ここでは、ボギーと一緒に覚えておきたいスコアの呼び方を紹介します。パーに対して少ないスコアの呼称は鳥の名前が付けられています。その意味と由来も併せて説明します。
- パーの意味
- バーディの意味
- イーグルの意味
- アルバトロスの意味
- コンドルの意味
パーの意味
パーとは各ホールに定められている規定打数のこと。ハンディキャップ0のスクラッチゴルファーを標準に定められたストロークの数です。パー3なら規定の3打、パー4なら規定の4打、パー5なら規定の5打でホールアウトするとスコアはパーとなります。
18ホールのコースで各ホールのパーの合計が72であれば、「パー72」のコース。1ラウンドの18ホールを72ストロークでまわれば「パープレー」でのラウンドといいます。
パーは、証券取引の用語で、上下する株式の通常の数値を意味する言葉でした。ゴルフでも打数が標準から上下することからイギリスで使われ始めたとされています。
バーディの意味
バーディは規定打数のパーを1打下回るスコアを意味します。パー3のホールでは2打、パー4では3打、パー5では4打で上がるとバーディです。
1898年9月(1903年説あり)、アメリカ、アトランティックシティのゴルフクラブで、A・Bスミスのセカンドショットがホールのすぐそばに止まって、パーより一打少なく上がったとき、「あれはバードショットだ!」といったのが始まり。
「Bird」にはスラングで「素晴らしい」の意味があり、パーに一打少ないショットのことを「Birdie(小鳥ちゃん)」と幼児語で呼びことに決めたとされています。
イーグルの意味
イーグルとはパーより2打少ない打数でホ-ルアウトすることをいいます。パー3のショートホールではティショットがそのままカップインする「ホールインワン」になります。
バーディよりさらに難しいスコアなので、アメリカのシンボルである強そうな鷲(Eagle)をネーミングしたのです。この言葉がアメリカで生まれたのはバーディのすこしあとのことで、その後イギリスにも伝わり、アメリカ用語として広まっていきます。
アルバトロスの意味
アルバトロスはパーに対して3打少ないスコアのことです。ショートホールでは不可能ですが、パー4のミドルホールでティショットが直接カップインするケースや、パー5のロングホールで第2打がカップインするケースがあります。ダブルイーグルとも呼ばれます。
距離が出るゴルファーでないと達成不可能なので、長距離を飛ぶアルバトロス(アホウドリ)が命名されたとする説。滅多に出ない珍しいスコアなので、珍しい鳥であるアホウドリの名が付いたという説もあります。
コンドルの意味
コンドルとは別名ハゲワシ。パーに対して4打少なくホールアウトするスコアのこと。パー5をホールインワンしたとき、パー6を2打、パー7を3打でホールアウトしたとき達成です。
ゴルフの歴史の中で、2018年までに報告されたコンドルはわずか4つとか。いずれもパー5での快挙でした。
パー5以外でのコンドルは、2020年12月10日に記録されました。ゴルファーのケビン・ボンはカリフォルニア州オークランドのレイクシャボットゴルフコース18番ホールで奇跡を起こしました。曲がりくねった急斜面の下り649ヤードのパー6。ケビンは何度も飛び跳ねたティショットに続いて、短い第2打をカップインさせました。この日、パー6の超ロングホールでコンドルの奇蹟は現実となったのです。
ゴルフのボギーについて改めておさらい
ボギーはもともと妖怪と対戦する「いいスコア」の意味でした。その後、パーより多く叩くスコアの基準として使われ、ダブルボギー、トリプルボギー、クアドラプルボギーなどと使われています。
一方、パーより良いスコアは、バーディをはじめとした鳥の名前が付けられています。イーグル、アルバトロス、コンドルと稀少・強大になります。
ラウンドでは、妖怪と戦うよりも、小鳥ちゃんと遊びたいものですね。