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ゴルフクラブのロフト角とは|飛距離や高さとの関係【初心者向け】

2022/10/30 ゴルフサプリ編集部

ゴルフ,ロフト角

ゴルフクラブのロフト角とは、クラブフェースの傾きを示す数値のこと。ボールの飛距離や高さを決定する重要な要素です。クラブを購入するとき、ドライバーでは自分のスイングや球筋に合ったロフト、アイアンでは番手ごとに適正な飛距離が出せるロフトを選ぶ必要があります。

この記事では、ロフト角の意味、飛距離や高さとの関係、ロフト角の選び方について初心者の人にもわかりやすく説明します。クラブ選択の参考にしてください。

目次

ゴルフクラブのロフト角とは

ゴルフ,ロフト角

ゴルフクラブのロフト角とは、クラブフェースの傾きの度合いを示す数値のことです。正確には、クラブのシャフトを地面と垂直にしたとき、シャフトの中心線とフェース面が作る角度のことをいいます。

通常、ドライバーに始まり、フェアウェイウッド、ロングアイアン、ミドルアイアン、ショートアイアン、ウェッジの順にロフト角が大きくなります。ロフト角が大きくなると、ボールは高く上がり、飛距離が小さくなります。

ボールを上げる必要のないパターではロフト角は最小です。ゴルフクラブのロフト角はそれぞれのクラブの役割に応じた機能を発揮するように設計されています。

リアルロフト角と表示ロフト角の違い

ゴルフ,ロフト角

ロフト角にはリアルロフト角と、表示ロフト角の2種類があります。通常、ロフト角というとリアルロフト角のことです。ここではリアルロフト角と表示ロフト角の違いについて説明します。

解説ポイント

  • リアルロフト角は実際に測定したときのロフト角
  • 表示ロフト角はクラブなどに表示してあるロフト角

リアルロフト角は実際に測定したときのロフト角

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リアルロフト角とは、ロフト角を実際に測定したときの数値のことです。通常は単にロフト角といいます。クラブのフェースやカタログに表示してあるロフト角(表示ロフト角)が実測数値と違うことが多いので、実測数値を「リアルロフト角」と呼んで「表示ロフト角」と区別しています。

リアルロフト角と表示ロフト角の差が大きいと、狙いどうりの高さや距離が出ないので、スイングで調整しようとして悪い癖がつくことがあります。手持ちのクラブのリアルロフト角を知りたいときは、「ヘッドスペック測定器」がおいてあるゴルフショップや工房を探して、測定を依頼するといいでしょう。

表示ロフト角はクラブなどに表示してあるロフト角

ゴルフ,ロフト角

表示ロフト角は、クラブやカタログに表示してあるロフト角のことです。ドライバーのソールの裏などに「9.5」「10.5」 「11.5」とロフト角が記載されています。この数字は表示ロフト角と呼ばれる数値で、リアルロフト角と必ずしも等しくはありません。

ロフト角には製造誤差があり、0.6度~1.5度位の違いは許容範囲とされています。表示ロフト角はリアルロフト角より大きいときも小さいときもありますが、ドライバーの表示ロフト角は平均して実際より小さい数字になっていることが多いといわれています。

ドライバーの表示ロフト角が11度を越えると、男性購入者のプライドが邪魔して売り上げが落ちるので、意図的に小さくしているのが理由との説もあります。

ロフト角と飛距離・ボールの高さの関係

ゴルフ,ロフト角

ロフト角はボールの飛距離と高さを決める重要な要素です。ここではロフト角の大きさが飛距離にどのように影響するのか、また、ボールの高さにどのように関係するのかについて説明します。

解説ポイント

  • ロフト角の数値が小さいほどボールの飛距離が出る
  • ロフト角の数値が大きいほどボールが高く上がりやすい

ロフト角の数値が小さいほどボールの飛距離が出る

一般的に、ロフト角の数値が小さいほどボールの飛距離が出るとされています。パターを除いたクラブの中では、できるだけ遠くへ飛ばしたいドライバーのロフト角が一番小さく、フェアウエイウッドやロングアイアン、ミドルアイアン、ショートアイアンの順にロフト角が大きくなります。

ロフト角が小さいとスピンが掛からないので落下したあとのランが出やすく、距離を稼ぐ要因になります。逆にピンを狙うウェッジは、飛びすぎては困るので大きなロフト角になっています。クラブにはそれぞれの役割があるので、目的の距離に応じたロフト角で作られているのですね。

ロフト角の数値が大きいほどボールが高く上がりやすい

ロフト角が大きいとフェース面が上を向いて打ち出し角が高くなります。またスピンも掛かりやすくなり、ボールは高く飛びます。ボールが高く飛んだ分だけ飛距離が落ちて、落下してからの転がりも少なくなります。

アイアンではボールを高く上げることで、ランを少なくして目標に正確に寄せることができます。クラブは、ロフト角に差を付けることによってボールの高さを調整し、正確な飛距離とランを出すように設計されています。

ロフト角の選び方【ゴルフクラブ別】

ゴルフ,ロフト角

ドライバーとアイアンではクラブの機能が異なります。ドライバーはできるだけ大きな飛距離が求められますが、アイアンでは番手ごとの正確な距離が求められます。ここではドライバーとアイアンのロフト角の選び方について説明します。

解説ポイント

  • ドライバーはヘッドスピードに合ったロフト角を選ぼう
  • フェアウェイウッドはアイアンやユーティリティより距離の出るロフト角で揃える
  • ユーティリティはアイアンとフェアウェイウッドの飛距離差を埋めるロフト角を選ぶ
  • アイアンは番手ごとのロフト角の差に注意して選ぼう
  • ウェッジのロフト角は4~6度刻みでセットすると飛距離の打ち分けがしやすい
  • パターは自分のパッテイングスタイルに合わせて転がりのいいロフト角を選ぼう

ドライバーはヘッドスピードに合ったロフト角を選ぼう

ドライバーはボールをできるだけ遠くへ飛ばしたいクラブです。最大飛距離を手に入れるためには、自分のヘッドスピードに合ったロフト角を選ぶことが大事です。

ヘッドスピードが遅い人はドライバーのロフト角がある程度大きい方が遠くへ飛ぶすことができます。

飛距離を出すためには、ある程度の高さが必要です。ヘッドスピードの早い人は、ロフト角が小さくてもボールが上がりやすいのですが、ヘッドスピードの遅い人は、ボールを上げるためにロフト角の大きさで助けてもらうことが必要となります。

最近のボールはバックスピン量が少なく高く打ち出した方が飛ぶという傾向もあり、一般の男性アマチュアゴルファーは12度や13度のロフトを選んだ方が飛距離が伸びることが少なくありません。ドライバーの距離が出ない方や、ヘッドスピードの遅い女性プレーヤーの方は思い切ってロフト角の大きなものを選んでみてはいかがでしょうか。

フェアウェイウッドはアイアンやユーティリティより距離の出るロフト角で揃える

フェアウェイウッド(FW)は地面から打つショットとして最大の距離がでるクラブです。ロングアイアンやユーティリティ(UT)よりも遠くへ飛ばしたいときに使うので、使用中のアイアンやユーティリティよりもロフト角が小さい(距離の出る)クラブで揃えるといいでしょう。

フェアウエイウッドは3番、5番、7番と番手が大きいとロフト角が大きくなり、飛距離が落ちます。ロフト角が18度から21度くらいの5番ウッドや7番ウッドはボールを上げやすく、グリーンを狙ったときにグリーン上でボールが止まりやすくなっています。

ロフト角15度前後の3番ウッドは、ヘッドスピードの遅い人やスイングの固まらない初心者にはボールが上がりにくいので、セッティングから外すことをおすすめします。5番ウッドや7番ウッドを入れてセットすると安心感もあり、距離の使い分けもできていいでしょう。慣れてきたら、距離の出る3番ウッドを加えて距離を稼ぐこともできます。

ユーティリティはアイアンとフェアウェイウッドの飛距離差を埋めるロフト角を選ぶ

ユーティリティを選ぶ時はアイアンとフェアウェイウッドの飛距離差を埋めるロフト角を選ぶことが大事です。例えば5番アイアンで170ヤード、5番ウッドで200ヤード飛ぶ人は、真ん中の185ヤードを飛ぶユーティリティを1本選ぶと飛距離差を埋められます。

使っている5番アイアンのロフト角が25度、フェアウェイウッドが5番のロフト角18度なら、ユーティリティは20度と23度の2本を加えると細かい距離の打ち分けが可能になります。ロングアイアンは初心者には扱うのが難しいので最近のアイアンセットは4番〜6番を外すことが多いです。そのためにできるアイアンとフェアウェイウッドとの距離の空白はユーティリティを加えることで補うことができます。

ユーティリティはアイアンと同じロフト角でも、フェースの芯やソールが広く、ダフりやトップへの寛容度が高いのでロングアイアンよりもトラブルになりにくく、初心者も安心して使えるクラブといえます。

アイアンは番手ごとのロフト角の差に注意して選ぼう

アイアンは、番手ごとに飛距離を正確に打ち分けることができる機能が求められます。そのために、番手間のロフト角の差は3度や4度と一定の幅で刻まれています。たとえば、番手が1番違うとフルショットで10ヤードの差が均等に出るアイアンセットは使いやすいです。

ロフト角は製造誤差が±1度くらいは許される範囲内とされているので、表示ロフト角で3度の差が実際は1度だったり、逆に5度になるケースも考えられます。番手間の飛距離が10ヤードの差のつもりで打っても4ヤードとか15ヤードの差になりかねません。

実は、アイアンの番手ごとのロフト角の決め方には、ルールがないのです。アイアンの番手間の飛距離が不規則なときは、リアルロフト角を測定してみることをおすすめします。

ウェッジのロフト角は4~6度刻みでセットすると飛距離の打ち分けがしやすい

ウェッジは、アイアンセットに入っているピッチングウェッジ(PW)よりも短い距離に使うクラブなので、ロフト角がピッチングウェッジよりも大きくなります。例えば、使用中のピッチングウェッジのロフト角が48度ならアプローチウェッジ(AW)を52度、サンドウェッジ(SW)を56度と4度刻みで2本選ぶと飛距離差を上手く使い分けられます。

最近ではストロングロフトという標準よりもロフト角が立ってよく飛ぶアイアンのセットが流行しています。使用中のピッチングウェッジのロフト角が44度であれば、同じ4度刻みのピッチだとアプローチウェッジが48度、サンドウェッジが52度となり、フルショットで打ったときに飛びすぎたり、バンカーから上がりにくくなる恐れがあります。このときは、ピッチを6度刻みにするとアプローチウェッジが50度、サンドウェッジが54度と距離の打ち分けをしやすいセットとなります。

ウェッジのロフト角はフルショットでの飛距離が打ち分けの基準となるので、ウェッジ選びは使用中のピッチングウェッジのロフト角を調べて4度から6度刻みでアプローチウェッジとサンドウェッジを加えるのがおすすめとなります。

パターは自分のパッテイングスタイルに合わせて転がりのいいロフト角を選ぼう

パターはドライバーと一緒で適正な打ち出し角を得るためには、適正なロフトが必要になります。適正なロフト角はゴルファーのパッティングスタイルによって異なります。市販されているパターのほとんどはロフト角2.5度から4度くらいです。いろいろと試打をして自分のパッティングスタイルに合った転がりのいいロフト角を選びましょう。

パターにロフトがある理由は、グリーンの上にあるボールをよく見ると芝に少し沈んでいるので、打ち出しのときにロフト角でボールを浮かす必要があるからです。右足寄りで打つ傾向のある人はロフト角が大きめのパターを選び、逆に左足寄りで打つ傾向の人はロフトの立ったパターで打ちだし角を抑えるといいでしょう。

ショートアプローチが苦手で、グリーン周りからのアプローチにパターを使いたい方は、ロフト角が大きなパターを使うとチッパー感覚で距離感を出せるので、いい結果につながることがあります。

軟鉄アイアンは自分に合ったロフト角に調整可能

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軟鉄アイアンは比較的柔らかい金属なので、軟鉄が主材料のアイアンであればロフト角を調整できます。逆に、チタンや17-4ステンレス、マレージング鋼やクロムモリブデン鋼などの素材でできたアイアンは硬い金属なのでロフト角の調整はできません。

手持ちのアイアンが軟鉄アイアンであれば、番手間のリアルロフト角が不揃いのときなど、ロフト角を調整するといい結果が期待できます。アイアンを購入するときはヘッドの主素材が軟鉄でできているかどうかを確かめておくといいですね。

アイアンを購入したら、番手間のロフト角を調整してから使用すると、番手別に飛距離の打ち分けがしやすくなり、いいスコアが期待できますよ。

ゴルフクラブのロフト角について改めておさらい

ゴルフクラブのロフト角はヘッドの傾きを示す数値です。ロフト角の大小によって、ボールの飛距離や高さが変わってきます。ドライバーは遠くへ飛ばすのが仕事で、アイアンの役割は番手ごとに正確な距離を出すことです。

ゴルフクラブのロフト角はクラブの種類や役割に合わせて設計されています。リアルロフト角や表示ロフト角の違いなど、ロフト角の理解を深めて、ゴルフクラブを上手に使い分けてくださいね。