6インチプレースとは|ゴルフ初心者向けルール解説
6インチプレースとは、ゴルフにおける救済措置の一つ。ゴルフ場のコースコンディションが不良で、ボールのライ(地面の状態)が良くないときなど、ペナルティーなしでボールを6インチ動かせるルールです。
6インチプレースは公式のルールではなく、あくまでコースの保護や、プレーの進行を良くするために設けられたローカルルール。ゴルファーが、常時使ってスコアをよくするための措置ではないので使い方に気をつけましょう。
ここでは、6インチプレースの適用範囲や使い方の例、知っておきたい注意点までを初心者向けに解説します。ルールを上手に使ってラウンドを楽しんでくださいね。
6インチプレースとは?
6インチプレースとは、ボールのライや周囲の環境がよくないときに、ペナルティー(罰打)を加えないで、ボールを6インチ動かせるルールです。コースの状態が不良でプレーに大きく影響するときや、芝の生育が不十分なときなどゴルフ場の判断で6インチプレースの許可を発表します。
また、懇親を目的としたプライベートコンペでは、幹事が「6インチ OK」を出せばルールの使用が可能です。どちらのケースも、6インチルールを実際に使うかどうかはプレーヤーの判断次第です。
それでは、6インチプレースを使うときの適用範囲や条件、具体的なシチュエーション例を紹介します。
- 6インチは何センチ?
- 6インチプレース適用範囲はジェネラルエリア(スルーザグリーン)
- 6インチプレースの適用条件・シチュエーション
- 6インチプレースと6インチリプレースの違い
6インチは何センチ?
6インチプレースの6インチとは何センチになるのでしょうか?1インチは2.54センチなので、6インチは6を掛けて15.24センチになります。
換算式:インチ×2.54=センチ
ところで、プレースの幅が6インチになった理由は、ゴルフ初期の頃、パットをするときに相手のボールが邪魔なとき、相手のボールと自分のボールの距離が6インチ以内であれば相手にリプレースを要求できたことから来ています。
その後、全英オープンで6インチを計測するために公式カードの幅を6インチに決めました。現在、ゴルフ場のスコアカードに6インチ幅が多いのはこのためです。プレース幅の目安になるので覚えておきましょう。
6インチプレース適用範囲はジェネラルエリア(スルーザグリーン)
6インチプレースが適用できるのはボールがジェネラルエリアにあるときです。ジェネラルエリアとは旧ルールでは「スルーザグリーン」と呼んでいました。
ジェネラルエリアとは、ティーショットを打つティーイングエリア、砂でできたバンカー、カップのあるグリーン、赤または黄色の杭で囲んであるペナルティエリア、そして区域外を意味するアウトオブバーンズ(OB)を除いたすべてのエリアのことです。
OB杭のすぐ外のボールを6インチ戻して打つことはできません。ざっくりいえば、フェアウェイとラフと林とカート道路がジェネラルエリアであると覚えておきましょう。
6インチプレースの適用条件・シチュエーション
6インチプレースはジェネラルエリア内であればどこでも適用できます。通常、ボールのライ(地面の状態)が良くないときや、周りの環境が悪くてスタンスが取りにくいときなどにプレーヤーの判断で適用します。
6インチプレースを行うシチュエーションの具体例
- ボールが木の根っこに止まって、目標に向かってスイングがとれない
- ボールが石の上に止まった
- ボールが密集した芝の中に入り込んだ
- ボールが凹みの中にある
- ボールが芝が禿げた硬い底地にある
- ボールが可愛い花のそばに止まった
凹みの中にあるボールで、ボールの一部が地表面より下にある「地面に食い込んでいる」状態のときは、(6インチでなく)1クラブレングスの救済が無駄罰で受けられるので覚えておきましょう。
6インチプレースと6インチリプレースの違い
ときどき「6インチプレース」ではなくて、「6インチリプレース」という言葉を耳にすることがあります。二つのフレーズは、意味が異なりますので気をつけましょう。
プレースとは「置く」ことの意味。リプレースとは「もとの位置に戻す」意味なので、「6インチリプレース」では意味をなしていません。例えば、グリーンでピックアップしたボールをマーカーのあるもとの位置に戻すことを「リプレース」と呼んでいます。
6インチプレースで知っておきたい注意点
ゴルフは本来、自然の中で「あるがままに」プレーする競技です。6インチプレースは便宜的な措置という側面が強いといえます。ここでは6インチプレースについてゴルファーが知っておきたい注意点を3つ解説します。
- 6インチプレースはローカルルール
- 6インチ以内で移動させ、ホールに近づけない
- 6インチプレースは賛否両論あることを覚えておこう
6インチプレースはローカルルール
「6インチプレース」はJGA(日本ゴルフ協会)の公式ルールには存在しないので、ローカルルールと呼ばれます。プロのトーナメントや、アマチュアの公式競技で使うことはありません。
ゴルフ場はコースの状態が不良で、プレーに影響するときや、芝の生育が不十分なときなどに「本日はジェネラルエリアは6インチプレースが許される」由をローカルルールとしてプレーヤーに伝えます。
また、懇親を目的としたプライベートコンペでは「6インチプレースOK!」とすることがあります。もともと、6インチプレースは日本固有のローカルルールで、海外では通用しないことを覚えておきましょう。
6インチ以内で移動させ、ホールに近づけない
6インチプレースは6インチ以内にボールを動かせる救済措置です。6インチを越える移動はルール違反となるので気をつけましょう。目安としてはコースのスコアカードが6インチ幅になっていることが多いので、スタート前にマスタールームで確認するといいでしょう。
当然ですが、ボールの移動先はホールに近づかない地点にしましょう。また、ボールを地面に置くときは、膝からのドロップでなく、(近い距離なので)その場でプレースするのが正解です。
6インチプレースは賛否両論あることを覚えておこう
6インチプレースは賛否両論があることを覚えておきましょう。ゴルフは自然の中で「あるがままに」が基本精神。ルールだからといって毎回拾い上げて、いいライに置き換えてプレーしていると同伴者に嫌がられることがあります。
ノータッチを信条として、悪いライでも知恵をひねって対処するプレーヤーも多数います。ゴルフ初心者の方は6インチルールが癖にならないように注意しましょう。
悪い状態からのプレーはスキルアップにつながります。ゴルフのルールは本来ノータッチであることを覚えておきましょう。
6インチプレースについて改めておさらい
6インチプレースは、公式競技にはない日本固有のローカルルールでした。ボールのライが良くないときや、スタンスが取りにくいときなどジェネラルエリアであれば、6インチプレースして救済が受けられます。
一方、ゴルフは自然の中で「あるがままに」が基本。難しいライから打つことはスキルアップにもつながり、ゴルフの楽しみ方でもあります。6インチルールを上手に使ってラウンドを楽しんでくださいね。