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グローブライド オノフ フォージドアイアンKURO(2022)試打評価

試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー

2021/10/06 ゴルフサプリ編集部

とにかくやさしくオートマチックに扱える『オノフアイアンAKA』に対して、『オノフフォージドアイアンKURO』はやさしく打てて操作もできるセミオートマチックモデルという位置づけ。試打のスペシャリストとしておなじみのプロゴルファー、高橋良明が『オノフフォージドアイアンKURO』(2022)のやさしさやねらいやすさについてレポートします。

[目次]

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROの総合評価

グローブライド オノフ フォージドアイアンKURO

飛距離性能★★★★☆(4/5)
打球感★★★★☆(4/5)
操作性★★★★☆(4/5)
上がりやすさ★★★★☆(4/5)
総合評価★★★★☆(4/5)

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROの特徴

グローブライド オノフ フォージドアイアンKURO

前作の2019年モデルでキャビティバックから中空構造へと大幅なモデルチェンジを行った2022年モデルの『オノフフォージドアイアンKURO』。中空構造を採用する一番大きなメリットはヘッドの慣性モーメントを大きくし距離と方向のブレを小さくできることです。前作もアスリートゴルファーがやさしく正確に打てるアイアンとして評価されてきましたが、2022年モデルは中空構造を継承しながら、オノフ契約プロのアドバイスをもとに、構えやすさ、飛び、打感、スピン性能などをさらに高めたモデルとなっています。

特徴

  • ミスショットでも飛距離ロスが少ない「Lカップフェース」採用
  • 六角形のレーザーミーリングにより安定したスピン性能を実現
  • 「クロスバランステクノロジー」で振り心地を極められる

特徴1. ミスショットでも飛距離ロスが少ない「Lカップフェース」採用

グローブライド オノフ フォージドアイアンKURO

慣性モーメントを高くできること以外にも中空構造には大きなメリットがあります。それはフェース周辺部の溶接面積が小さいためフェースのたわみを大きくできることです。『オノフフォージドアイアンKURO』ではその長所をさらに生かすために強度の高いバネ鋼を採用しフェースそのものの反発力をアップ。また、フェースをL字型のカップ形状にすることでフェース下部の反発力が上がり、薄い当たりでもボールを上げて飛ばせるようになっています。

特徴2. 六角形のレーザーミーリングにより安定したスピン性能を実現

フェースの反発力が上がると打感は硬く感じるようになります。それを解決するために『オノフフォージドアイアンKURO』はフェース裏面の肉厚を3段階に変化させ、打点部分をもっとも肉厚に設計。さらに、ボディに軟らかいS20C素材を採用し、中空部分の下部に振動を吸収する樹脂を注入することでやわらかくソリッドな打感を実現しています。また、フェースの表面には六角形のレーザーミーリングが施されていて、弾きの強いアイアンでありながら高いスピン性能を実現。フェース面やボール、芝が雨で濡れた状態でも安定したスピンでターゲットをねらうことができます。

特徴3. 「クロスバランステクノロジー」で振り心地を極められる

『オノフフォージドアイアンKURO』は振りやすさを追求しヘッドスピードを最大化できる「クロスバランステクノロジー」を全番手に搭載。バックフェースのトゥ寄りに装着されたウエイトスクリューは標準の4グラムのほか1グラムから7グラムまでオプションが用意され、ヘッド重量をプラスマイナス3グラム、スイングバランスをプラスマイナス1.5の範囲で調整することができます。さらに別売りの「CBTラバーグリップ」を装着すればグリップエンド側のウエイトも交換が可能。少し重い、軽いといった違和感を解消し自分の振りやすいアイアンに仕上げられます。

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROのスペック

「DAIWA」のロッド技術から生まれたカーボンシャフト『CBT:622I』は『オノフフォージドアイアンKURO』の専用設計で、しっかり振っても当たり負けせず飛距離性能と操作性を両立。スチールシャフトは中軽量で手元調子の『N.S.PRO MODUS3 TOUR105』とアスリートゴルファーのセッティングの変化(軽量化)に対応して登場した『N.S.PRO MODUS3 TOUR115』の2モデルが用意されています。

メーカーグローブライド
製品名オノフフォージド アイアン KURO(2022)
ヘッド素材[#4〜7]
ボディ:軟鉄(S20C)鍛造+ステンレスウエイトスクリュー、フェース:特殊バネ鋼SAE8655圧延材Lカップ

[#8〜PW]
ボディ:軟鉄(S20C)鍛造+ステンレスウエイトスクリュー、フェース:特殊バネ鋼SAE8655圧延材
番手/ロフト角4I/22度
5I/25度
6I/28度
7I/32度
8I/36度
9I/40度
PW/44度
シャフトカーボン:CBT:622I(S)
スチール:N.S.PRO MODUS3 TOUR105(S)、N.S.PRO MODUS3 TOUR115(S)
長さ(#7)36.75インチ
重量/バランス(#7)390g/D0(CBT:622I(S))
421g/D1(N.S.PRO MODUS3 TOUR105 (S))
430g/D1.5(N.S.PRO MODUS3 TOUR115 (S))
価格●カーボン
5本セット(#6〜9、PW):121,000円(税込み)
単品(#4、#5):24,200円(税込み)

●スチール
5本セット(#6〜9、PW):110,000円(税込み)
単品(#4、#5):22,000円(税込み)
公式サイトオノフ公式サイト

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROを試打レビュー

中空構造にモデルチェンジして2世代目の『オノフフォージドアイアンKURO』はどのようにブラッシュアップされたのか。あらゆるアイアンを打ち尽くしてきた高橋良明がアスリートアイアンに求められる性能について様々な角度から評価しました。

試打レビュー

  • スクエアに構えやすく、前作よりさらに大きな安心感がある
  • 打点をずらして打っても飛距離がほとんど変わらない
  • スピン量が安定しているから飛距離が出て球も曲げやすい

スクエアに構えやすく、前作よりさらに大きな安心感がある

中空になってもアイアンとしての形がすごくきれいに保たれているところはさすが『オノフ』だなと思います。アスリートモデルでもミッドサイズなので安心感があるし、前作はエッジがシャープで精悍なイメージが強調されていましたが、新しい『オノフフォージドアイアンKURO』は少し丸みを帯びてきたのでよけいに易しい印象になりました。といってもネックのところからリーディングエッジにかけてのラインがすごくストレートに見えて、ターゲットラインに対してスクエアにかまえやすいところは、さすがにツアープロの意見が入っているだけのことはありますね。

打点をずらして打っても飛距離がほとんど変わらない

今回の『オノフフォージドアイアンKURO』は前作以上に飛びます。飛び系アイアンのようにパーンと弾いている感じはないけれどロフト角の割に初速が出ます。打点をトゥやヒール、上下に外してもそんなに距離が落ちないところは中空構造の効果でしょう。アスリート系のアイアンとしてはかなりミスショットに強いといえます。球の高さにも驚きました。そんなにロフトが立っていませんが、それ以上に打ち出しが高い印象です。おそらく重心もかなり低いのでしょうね。ちょっとトップしたかなと思っても意外と芯に近いところに当たった感触できちんと球を上げてくれます。

スピン量が安定しているから飛距離が出て球も曲げやすい

飛ぶアイアンは曲げづらいといわれていますが『オノフフォージドアイアンKURO』はけっこう曲げることができます。打球感でいえばけっこうフェースとボールがしっかり食いついてスピンが入る印象。スピン量は前作よりも明らかに増えています。そして、スピンが増えているのに飛距離をロスしていないのは驚きです。やはりフェース面のミーリングがただスピン量を増やすだけでなく安定させる方向に効いているのだと思われます。ソールの抜けもいいのでドローもスライスも思い通りの球筋で打てます。『オノフフォージドアイアンKURO』は競技で使うアスリートアイアンとして正常進化しています。

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROがおすすめの人

グローブライド オノフ フォージドアイアンKURO

『オノフフォージドアイアンKURO』はかなりいろいろなことができるアイアンなので、クラブの性能を引き出すという意味で一番にオススメしたいのはすでに技術のある中上級者や向上心のあるゴルファーです。とくに今までマッスルバックやハーフキャビティを使ってきたけれど少し楽にゴルフをしたいという人には最適です。一方、許容範囲がすごく広いところも『オノフフォージドアイアンKURO』の特色です。基本的に球が上がりやすくてミスヒットに強いので初心者レベルでも十分に使えるでしょう。また、このモデルはバックフェースやグリップのウエイトを交換できるし、「オノフ」ブランドは純正シャフトだけでなくカスタムシャフトの種類も豊富なので、パワーのない人もある人も最初から自分にマッチしたアイアンを手に入れることができます。

グローブライド オノフ フォージドアイアンKUROの評価

2003年に出た2代目「オノフ黒」も中空アイアンでしたが1代限りでキャビティに戻りました。中空のメリットもあったけれど打感などデメリットもあったからです。しかし、2022年の『オノフフォージドアイアンKURO』は中空のデメリットをまったく感じさせず、かっこよさ、かまえやすさ、飛距離性能、操作性、打感などアイアンに求められる要素がすべて満たされているといっても過言ではありません。性能のバランスのよさは許容範囲の広さにもつながっています。腕に覚えのあるベテランはもちろん、これから腕を磨いていきたい初級者まで幅広く試してもらいたいアイアンです。


高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。