1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. スイング作り
  4. アイアンのダウンブローとは|打ち方のコツや練習方法【図解】

アイアンのダウンブローとは|打ち方のコツや練習方法【図解】

2023/07/27 ゴルフサプリ編集部

ゴルフ,ダウンブロー

主にティアップしない状況で使用することが多いアイアンはダウンブローで打つのが前提です。

しかしたいていのアマチュアゴルファーはダウンブローで打つことができません。そのため、ライがいい状態にも関わらずダフったりするのです。

そこでアイアンの前提というより「大前提」ともいえるダウンブローを身につけるためのヒントを紹介しましょう。

撮影協力/埼玉県所沢市「インドアゴルフKF24」

目次

ダウンブローとは

ゴルフ,スイング,ダウンブロー
ダウンブローはクラブヘッドが地面と接触する手前でボールをヒットする

ダウンブローとは主にアイアンショットで必要とされる打ち方で、クラブのヘッドがスイングの最下点に到達する前にボールとコンタクトする打ち方をいいます。

スイングの最下点というのは地面のことで、クラブヘッドが地面と接触する手前でボールをヒットするためダフりにはならず、ボールの先(目標方向)の芝(ターフ)が削り取られることになります。

アイアンはダウンブローに打つことが基本

ゴルフ,アイアン,ダウンブロー

アイアンショットは主にティアップしないで打つことが多いため、ダウンブローで打つことが基本。

ダウンブローで打てれば、多少ライが悪くてもボールをクリーンにヒットできるためナイスショットの確率がアップします。

さらに以下のようなメリットも享受できます。

ポイント

  • ダフり防止に加え、安定した飛距離が手に入る
  • 適正スピンが手に入り、パーオン率がアップする
  • ダフりを回避したいなら、ダウンブローは必須
  • 悪いライからでもボールをクリーンに打てる

ダフり防止に加え、安定した飛距離が手に入る

アイアンショットがダウンブローで打てるようになると、ヘッドがボールの手前に入る=ダフったりすることが少なくなるため、飛距離が安定します。

ダフる一歩手前の芝を擦るような入射角で打っていた人がダウンブローで打てるようになると、入射角がややスティープになるためインパクトロフトが立って飛距離が伸びるケースも多々あります。

適正スピンが手に入り、パーオン率がアップする

アイアンショットがダウンブローで打てるようになると、入射角がややスティープになってインパクトロフトが立つため、番手相応の適正スピンが手に入ります。

スピン量が適正ならば方向性も飛距離も安定するため、ミドルホールのセカンドショットやロングホールのサードショットでピンを狙えるようになり、パーオンの確率が増すといったメリットがあります。

ダフりを回避したいなら、ダウンブローは必須

100切りレベルや月イチレベルのアマチュアのほとんどは、ダフりのミスに悩んでいます。
アイアンショットがダウンブローで打てるようになると、ヘッドは地面と接触する前にボールをヒットするため、ダフりのミスがなくなります。

ダフりはボールが前に飛ばないため、プレーヤーにとって大きな痛手。それを回避するためには、ダウンブローを身につけることが必須と言えるでしょう。

悪いライからでもボールをクリーンに打てる

アイアンショットがダウンブローで打てるようになると、ヘッドは最下点の手前でボールとコンタクトするため、ベアグラウンドやフェアウェイバンカーなど、悪いライからでもボールをクリーンヒットできるようになり、スコアをまとめやすくなります。

ラウンドしていると、ボールだけをクリーンに打たなければならない状況に遭遇することが多々ありますが、ダウンブローに打つ技術があると、そのような状況にも対応できるため、マネージメントの幅が広がります。

アイアンのダウンブローの打ち方【図解】

ゴルフ,ダウンブロー

ここからはアイアンのダウンブローの打ち方を順を追って紹介します。

一般的なアマチュアゴルファーにはやや難しく感じるでしょう。しかし、マスターすれば必ずスコアに反映されるので根気よく練習してください。

ポイント

  • ダウンブローにはハンドファーストが不可欠
  • ダウンスイングで手首の角度をキープする
  • 下半身リードで左足体重のインパクトをつくる
  • グリップエンドを右足に向けて下ろす
  • 胸の向きを変えずにダウンスイングする

ダウンブローにはハンドファーストが不可欠

ゴルフ,ダウンブロー,ハンドファースト

インパクトがハンドファーストになっている必要がある

アイアンをダウンブローで打つためには、インパクトがハンドファーストになっている必要があります。なぜならハンドファーストはダウンスイングでタメが作られ、クラブの入射角(アタックアングル)がスティープ(鋭角)でなければできないからです。

ダウンスイングで手首のタメが解けてキャスティングする動作が起きると、クラブの入射角がスイープ(鈍角)になり過ぎるうえ、ヘッドがグリップを追い越してしまうため、ハンドファーストにはなりません。

ダウンスイングで手首の角度をキープする

ゴルフ,スイング,ダウンブロー

手首の角度が解けないよう切り返しを下半身リードで行う

ダウンブローで打つためにはハンドファーストが不可欠で、そのためにはダウンスイングでタメをキープする必要があります。タメというのは簡単に言うとダウンスイング時の手首の角度のことです。

切り返しで手や腕を使ってクラブを下ろすと、トップで作られた手首の角度が解けてしまいます。解けないようにするには、切り返しを必ず下半身リードで行う必要があります。

これができれば手首の角度がすぐに解けることはなくなり、あとはインパクトまでキープする意識をもてばいいのです。

下半身リードで左足体重のインパクトをつくる

ダウンスイングでタメをキープすることがハンドファーストのインパクトには必要ですが、もうひとつ欠かすことができないポイントがあります。
それは左足体重のインパクトをつくること。

そしてこれを実現するには前述しましたが、下半身リードのダウンスイングが必須になります。下半身リードは何も特別なことではなく、ゴルフスイングの基本です。
つまりダウンスイングの動きが基本通りであれば、自然とウェートシフトが発生して左足体重のインパクトになります。

  • ゴルフ,ダウンブロー,ダウンスイング

    下半身リードのダウンスイングが必須

  • ゴルフ,ダウンブロー

    ウェートシフトが発生して左足体重のインパクトに

グリップエンドを右足に向けて下ろす

ゴルフ,ダウンブロー

グリップエンドを右足に向けて下ろすようにするとタメが生まれる

切り返しは下半身リードが絶対条件ですが、それができずに手や腕が真っ先に動いてしまう人はフェース面をなるべく早くボールに向けて「フェースとボールをうまく当てたい!」という意識があるからです。

これでは手首のタメがキープできないためハンドファーストにならず、ダウンブローで打つこともできません。
当てたいという意識を抑えて下半身から切り返したら、グリップエンドを右足に向けて下ろすようにするとタメが生まれるのでダウンブローの近道になります。

胸の向きを変えずにダウンスイングする

ゴルフ,ダウンブロー

右を向いた胸の向きをキープしたまま下半身から切り返す意識をもつ

下半身リードで切り返すことができても、リードした下半身の動きにつられて上半身がすぐに左へ回転してしまうと左足へのウェートシフトが十分に行えず、右足に体重が残ったままのインパクトになってしまいます。

これではクラブがすくい上げる軌道で動くためダウンブローにはなりません。

これを防ぐためにはトップで右を向いた胸の向きをキープしたまま下半身から切り返す意識をもつこと。

この意識があれば、上半身の開きが抑えられるため、右足に体重が残る心配がなくなります。

アイアンをダウンブローで打てない原因

ゴルフ,ダウンブロー

アイアンをダウンブローに打てない原因は「ボールは最下点の手前で打つ」というゴルフの前提を理解していない、もしくは知らないからです。

オフィシャルハンデキャップが14以下の上級者ならば、最下点の手前で打たなければショットが成り立たないことを誰でも理解しています。

しかし、初級者はもちろん、中級者のなかにも、これを知らない人がいます。知らない人は最下点はボールの位置と思っているため、ダウンブローになり得ません。

したがってまずは、最下点の手前で打つということを肝に銘じる必要があります。そのうえで下半身リードで切り返す、ダウンスイングでタメをキープする、左足へ確実にウェートシフトするといったポイントに注意してスイングすることが重要です。

アイアンをダウンブローで打つ練習ドリル

ゴルフ,ダウンブロー,練習

アイアンのダウンブローは、練習場でたくさんのボールを打てばマスターできるという単純なものではありません。

理に叶ったドリルを行うことで打ち方が身につき、またそれが近道でもあります。そこで簡単にできる練習ドリルを紹介しましょう。

ポイント

  • ボールの後ろにテープを貼って打つ
  • 右手首の角度を維持してハーフスイング
  • グリップエンドを右足の外側へ下ろす

ボールの後ろにテープを貼って打つ

ボールの後方にガムテープなど紙製のテープを貼り、そのテープが剥がれないように注意してボールを打ちます。

剥がれずに打てればボールをクリーンヒットできているため最下点の手前で打てている証拠です。剥がれてしまう場合はヘッドがボールの手前に入りダフっています。

まずはウェッジやショートアイアンからはじめて、最終的にはフェアウェイウッドでもテープが剥がれないように打てるようになりましょう。

ダウンブロー,ドリル
テープが剥がれないように注意してボールを打つ

右手首の角度を維持してハーフスイング

コックを使ってバックスイングしたら、右手首の角度を維持したままダウンスイングをし、さらに角度を維持したままボールを打ちます。

維持したままインパクトできれば、クリスピーで硬い打感が手に伝わります。

手首の角度が解けるとヘッドがマットを擦るためダフったり、ダフりに近い打感になります。

このドリルもウェッジやショートアイアンから始めて、最終的にはフェアウェイウッドで行いましょう。振り幅はハーフスイングでOKです。

  • ゴルフ,ダウンブロー,スイング

    右手首の角度を維持したままダウンスイング

  • ゴルフ,ダウンブロー,スイング

    角度を維持したままボールを打つ

グリップエンドを右足の外側へ下ろす

ゴルフ,ダウンブロー

グリップエンドを右足の外側へ向けて下ろしボールを打つ

いつも通りにバックスイングしたら、ダウンスイングでグリップエンドを右足の外側へ向けて下ろしてボールを打ちます。

正しくできれば自然とタメがつくられて、クラブが立って下りてくるためハンドファーストのインパクトになります。

グリップエンドではなく、ヘッドをボールへ向けて下ろしてしまうとタメができず、ハンドレイトのインパクトになります。

アイアンのダウンブローの打ち方をおさらい

ゴルフ,ダウンブロー

アイアンショットがダウンブローで打てると、ハイハンデのアマチュアに多いダフりのミスが激減し、必ずスコアアップができます。

中級者は番手ごとの飛距離が整ってくるためパーオンの可能性が広がります。また芝が薄かったり、ベアグラウンドでも、ボールをクリーンヒットできるため、大きなミスになりません。

最下点の手前で打つダウンブローはショットの基本です。紹介したドリルをしっかり行ってマスターしてください。


宮川岳也

■解説者プロフィール

宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。