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アイアン、こうすればダウンブローに打てます!

アイアンがうまくなるコツを吉本舞がレクチャー! VOL.4

2021/11/17 ゴルフサプリ編集部

アイアンショットはダウンブローに打つ。頭では理解したつもりでも、これがなかなかマスターできないという人は、スイングのメカニズムを根本からカン違いしていることが考えられる。「ゴルフスイングには2つの振り子運動があって、この2つのバランスが大事なんです」と吉本舞コーチ。これを正しく理解すれば本当のダウンブローが身につくという。

ダウンブローはグリップ支点の振り子運動が大前提!

カラダの回転より、正しい腕使いのマスターが先決

ゴルフスイングは2つの振り子運動で成り立っています。このことは私が師事している森守洋プロがアマチュアの方々によく説明されていますが、第一振り子と第二振り子をどう連動させるかがカギなんです。第一振り子はグリップエンドが支点で、第二振り子は脊柱の上部が支点です。脊柱上部は首のツケ根付近と考えてください。2つの支点があり、2つの振り子運動を連動させるのですから二重振り子と思いがちですが、そうした概念は持たない方がいいと思います。なぜならグリップエンド支点の振り子運動を重視することがダウンブローの完全マスターにつながるからです。

早い話、グリップエンドの第一振り子だけでもダウンブローに打てると断言してもいいほどです。ところがレッスンのほとんどは、「カラダの回転を主体にスイングしましょう」といった内容で、グリップ支点の振り子運動についてはあまり触れられていませんよね。「でも、それって手打ちでしょ?」と思うかもしれません。手打ちはよくないことのようにいわれますけど、「グリップエンドの第一振り子=手打ち」なんて考えないでください。ゴルフスイングは2つの振り子運動の連動ですが、再現性の高い振り子運動を継続できるのがいいスイングの条件であって、その主導権を握っているのがグリップエンド支点の振り子です。だから「第一振り子」なんです。

では、どうすればグリップエンド支点の第一振り子を体感できるかといえば、グリップを柔らかめに握り、手首を柔軟にして素振りするのが一番。ポイントは手首を柔らかく使ってクラブの重さにまかせて振ること。フェース面を固定しようとして、グリップを強く握り締めて手首を固めてはダメです。これではクラブの動きを押さえ込んでしまうことになり、グリップエンド支点の第一振り子が作動しません。すくい打ちになってしまうパターンがそれです。また、ダウンブローに打とうとして両手に力を込めて鋭角に打ち込んでしまうのもいけません。上体が突っ込みやすく、首のツケ根支点の第二振り子運動が崩れやすいからです。

ゴルフスイングには2つの振り子がある。グリップエンドが支点の第一振り子と、首のツケ根が支点の第二振り子だ。
グリップをソフトに握り、グリップエンドを支点にしてきれい円弧を描くイメージで第一振り子運動の感覚をつかもう。
手首を硬めたり(左)思い切り鋭角に打ち込んだりすると(右)、グリップエンド支点の第一振り子運動ができない。

右手と左手をバランスよく使えばダウンブローに打てる

結局はグリップ支点の第一振り子運動ができないために正しくダウンブローに打てていない人が多いわけで、これを度外視してカラダの回転主体の第二振り子運動ばかりを練習してもほとんど意味がないのです。そこで第一振り子運動の理解度を高めるために、右手素振りをしてみてください。クラブを持ってもいいですし、右手を振るだけでもOK。右腕を脱力し、右手をごく自然に振りましょう。ただし、右手はクラブを持つときのようなグリップの形を作っておきます。そして右腕を脱力し、右手を脱力して振りましょう。右手をトップの位置へと上げて、右腕の重さにまかせて振り下ろし、右から左に振ればカラダの重心が自然と左足へと移動しますよね。

右手に7〜8番アイアンを持ち、左手で右ヒジを軽く抑えて構える。
トップから右腕の重さを利用してダウンスイング。右腕を左に振れば重心が左足に移動してダウンブローの形が作られる。

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さらに右ヒジから先の右前腕部が内旋(自分から見て左側への回旋)します。右手首は構えたときの角度をキープしておきましょう。ダウンブローが右手主体の動きと限ったことではないのですが、右手の使い方を覚えるとグリップ支点の第一振り子運動を体感でき、ダウンブローやフェースターンの動きが身につきます。右手に力を入れて右腕を硬く使って振ると左足への重心移動がしにくく、ダウンブローの動きが身につきません。

左手がこうした右手の動きとリンクすればダウンブローに打てるようになりますし、グリップエンド支点の第一振り子が正しく作動することで、首のツケ根支点の第二振り子運動、つまりカラダの軸回転とうまく連動するようになるのです。

インパクト地点を通過した後はクラブが先行し、右前腕部が内旋してフェースがターンする。
右手スイングの練習も効果的。クラブを持たなくても右手グリップを作っておくのがコツ。
右腕の重さを使ってスイング。右手首の角度をキープし、右ヒジから先を左に回旋しよう。
右手スイングの要領で振ってみよう。ただしグリップ支点の振り子運動は、右手と左手の連動だ。
第一振り子の動きを先に覚えれば首のツケ根支点の第二振り子と連動し、正しくダウンブローに打てるようになる。

インパクトで右手と左手がケンカしてはいけません。右手と左手が互いに押し合うような動きになるとグリップエンド支点の振り子運動ができなくなります。インパクトの手前からフォロースルーにかけて右前腕部が内旋すれば、左前腕部はそれに連動して外旋(自分から見て左側への回旋)するのが正しい動きです。これを体感するドリルを紹介しましょう。小さめのゴムボールを左右の前腕部の両ヒジに近いところで挟んでアドレスし、素振りしてみてください。両腕を柔らかく振るけど、両ヒジの間隔をキープ。グリップを支点にして腕を振れば、スイングの中で自然とダウンブローとハンドファースト、フェースターンが自然と作動します。同時に首のツケ根支点の第二振り子も覚えてください。ダウンブローとは単純にボールを上からヒットするということではなくて、2つの振り子運動の連動とバランスによって発生する現象なんですよ。

右手首が硬くなると左手とケンカするようなインパクトとなり、ダウンブローに打てない。
両ヒジのすぐ下の左右の前腕部に小さめのゴムボールを挟んでスイング練習をしよう。
ボールを落とさないように、両ヒジの間隔をキープすることが大切なポイント。
ダウンブローに振り下ろし、インパクトで一瞬ハンドファーストの形が作られる。
クラブをそのまま通過し、両腕が左側に回旋してフェースターンが自然に作動する。

取材・文/三代 崇
写真/富士渓和春
協力/武蔵丘ゴルフコース


吉本舞
よしもと・まい
1990年7月25日生まれ、佐賀県出身。USLPGA Teaching&Club Professionalの資格を取得。敏腕カリスマコーチ・森守洋に師事し、東京ゴルフスタジオ(三鷹市)で多くのアマチュアをレッスン。一人一人の悩みに寄り添った丁寧でわかりやすい指導で人気。Instagramでもゴルフレッスンやゴルフウェアコーディネートなど更新中。



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