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フェースを真っすぐ出せば、ショートパットはよく入る!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第3回

2022/04/30 ゴルフサプリ編集部

ゴルフの一番の醍醐味といえばドライバーの飛ばしに尽きるだろう。でもゴルフの本質は「ボールをカップに入れること」にある。つまりスコアアップにはパットの出来が大きなカギを握っているのだ。「100を切るにはショートパットを入れる確率を上げることがとても大事ですよ」と中村英美。今回は入りそうで入らない短いパットをしっかり決めるポイントをレッスンする。

フェースを真っすぐ出せばショートパットがよく入る!

アドレスで一番大事なのはフェース面をカップに真っすぐ向けること

パットは他のクラブのように何番で何ヤードを打つといった大まかな目安はありません。15メートル近くもある長いパットからわずか10センチの短いパットまで、パターという1本のクラブで様々な距離を打ち分けなくてはならないのです。ロングパットの場合はカップインの確率が限りなくゼロに近いですから、カップの近くに寄せることが第一。アプローチ感覚で打つために距離感を重視しましょう。

ロングパットがカップの近くに寄れば2パットでホールアウトできる確率がアップします。1メートルくらいの距離ならしっかり決めたいところです。トッププロでも1メートルのパットが100パーセントの確率で入る保証なんてありませんが、自分なりにベストを尽くしてカップイン率の向上を目指しましょう。ショートパットが入らないという人は漠然と構えたり、安易に打ったりする傾向があります。確実に入れたいパットこそアドレスを丁寧に作ることが大切です。

ショートパットはロングパットと違って、距離感よりも正確な方向性が要求されます。そのためにはフェース面をカップに真っすぐ向けることが絶対条件となります。カップの直径は10・8センチで、お酒の一升瓶の直径と一緒です。ところがアドレスやインパクト時のフェース向きが少しでもズレると、1メートルのパットでも入らないのです。多少曲がるラインもありますが、カップまでしっかり届かせるくらいのタッチで打ちますから、基本的にはカップをストレートに狙う気持ちで打つのがベストといえます。

アドレスを作る手順としては、

1.ボールの後方に立ってラインを見る
2.フェース面をカップに真っすぐ向ける
3.左足、右足の順でスタンスの位置を決めて両手をグリップ

1メートルくらいのパットでも打つ前にラインを必ず確認しよう。
アドレスを作るときは最初にフェース面をスクエアにセットする。
右手でパターを持ち、左手をお腹に添えてアドレスを作るのが中村英美のルーティン。
左足を広げ、次に右足を広げる。左手をお腹に添えることでスクエア感覚が生じやすい。
入れたいパットほどアドレスを丁寧に作る心がけが大切だ。

私の場合はフェース面をセットするときはパターを右手に持ちます。そして左手をお腹に当てて、カラダの向きがラインと平行にセットできているかを確認しながらアドレスを作るようにしています。アドレスの手順は人それぞれで構いませんが、フェース面をカップに真っすぐ向けることだけは必須です。そこでボールを置くときにボールの線をカップに向けるといいでしょう。ボールに細い線が刻印されているブランドもありますし、私のようにボールにマジックで線を書き込む人も多くいます。

ボールを置くときはボールの線をカップに真っすぐ向けるのがオススメ。
ボールの線が視覚的にストレートのイメージを高めてくれる。

カップの奥の縁にフェース面をタッチするイメージでフォローを出す

ロングパットは振り幅が大きいため、ストローク軌道はイン・トゥ・インの緩やかな曲線を描きます。ショートパットの場合はロングパットと比べて振り幅がかなり小さくなるため、基本的にはストレート軌道で振ります。テークバックでフェース面を真っすぐ引き、インパクト後もフェース面を真っすぐ出していく感覚です。ボールの線をカップに向けておくことで、パターをストレートに振って、ボールをストレートに打ち出すイメージを出しやすくなります。インパクトで左手首が甲側に折れないように注意して、振り子のイメージで左右対称に振りましょう。アドレス時の右手首の角度をキープする意識でもいいですが、右利きの人なら器用な右手より鈍感な左手を意識するほうが手首の角度が変わりにくいと私は思います。自分で試してみてください。

小さいストロークでも一定のスピードでリズムよく振ろう。左手首が折れないように注意しよう。
ボールをカップにしっかり届かせる意識でフォロースルーを出すことが大事。
テークバックでフェース面をラインに沿って真っすぐ引く。
インパクト後もフェース面をカップに向って真っすぐ出そう。

ショートパットは方向性重視ですが、方向性を意識するあまりフォロースルーでパターヘッドをうまく出せずに手前にショートして悔しい思いをされた方も多いことでしょう。そこでボールのコロがりをスムーズにし、カップにしっかり届かせるためにぜひ心がけてもらいたいポイントがあります。カップの奥側の縁にフェース面をタッチするつもりでフォロースルーを出すのです。視覚的なイメージですが、こうするとフォロースルーを真っすぐ出しやすくてカップに入りやすくなります。

フォロースルーを真っすぐ出せばボールがスムーズにコロがる。
フェース面をカップの向こう縁にタッチ。そのイメージがカップインの確率を高める。
方向を意識しすぎてフォロースルーが出ないとショートしたり、カップの手前でコロガリが変わったりしやすい。

10メートル近くのロングパットの練習はコースの練習グリーンでないとなかなかできませんが、ショートパットの練習ならパターマットを活用するなど工夫次第でいくらでも出来ます。フェース面を真っすぐセットし、スクエアフェースでインパクトすることがショートパットの極意。そこで私がオススメしたいのはボールの代わりスリーブ箱を打つ練習です。スリーブとはボール3個入りの箱ですが、これを真横において箱の右面にフェース面を真っすぐ当てて構え、インパクトでもフェース面を真っすぐ当てましょう。フェース面をスクエアにキープし、ストレートにヒットする感覚が養われてショートパットが入る回数が増えてくるはずです。3パットや4パットが激減すれば100切りはバッチリですよ!

ボール3個入りの箱を使って練習しよう。
ボールを打たなくてもショートパットの練習はいくらでも出来る。
フェースをスクエアにキープしてスリーブに真っすぐ当てるのがポイント。

〈まとめ〉
・ショートパットは距離感よりも方向性が大事
・入れたいパットほどアドレスを丁寧に作ろう
・フェース面をカップに真っすぐ向けて構える
・ボールの線をカップに向けて置くと効果的
・インパクトで左手首が折れないように注意
・フェースをカップの奥の縁にタッチする意識を持つ
・スリーブを打つ練習でストレート感覚を養う

ショートパットはフェースをスクエアにキープして打つ!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


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