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ドライバーのロフト角「9度・10.5度」の違いや選び方を解説

2023/09/22 ゴルフサプリ編集部

ドライバーのロフト角

ドライバーはロフト角の大きさによって飛距離や飛び方など、弾道に違いがでます。

そのためロフト角の基本的なことを理解していないと、購入するときに自分にマッチしたドライバーを選べなくなったり、いま使っているドライバーが自分に合っているのかを知ることができなくなります。

そこでこの記事ではドライバーのロフト角についてお話しします。

撮影協力/埼玉県所沢市「インドアゴルフKF24」
モデル/大瀧真梨香さん

目次

ドライバーのロフト角とは

ドライバーのロフト角とは

ドライバーのロフト角とは、クラブのフェース面がどれくらい傾斜しているか(どれくらい斜めになっているか)を数値で表したものです。

もう少し詳しく説明すると、シャフトを地面に対して垂直に立てたとき、シャフトの中心線とフェース面がつくる角度のことをいいます。

一般的にゴルファーの間では、フェース面の傾斜度合いが大きいものを「ロフト角が大きい」「ロフトが多い」などと言い、フェース面の傾斜度合いが小さいものを「ロフト角が小さい」「ロフトが少ない」などと言います。

ドライバーのロフト角
ロフト角が違うとフェース面の傾斜度合いが変わることが見て取れる

ドライバーのロフト角の大きさで飛距離やスピン量が変わる

ドライバーのロフト角の大きさ

ドライバーはロフト角の大きさで飛距離やスピン量など、弾道に違いがでます。

そのため自身のスイングやプレースタイルにマッチしたロフト角のドライバーでないと、望む弾道が手に入りにくくなるため注意が必要です。

ポイント

  • ロフト角が大きいとスピン量が多くなりボールが上がりやすい
  • ロフト角が大きいとサイドスピンが少なくなりボールが曲がりにくい
  • ロフト角が小さいとスピン量が少なくなり飛距離が出やすい

ロフト角が大きいとスピン量が多くなりボールが上がりやすい

ドライバーのロフト角が大きい、すなわちフェース面の上向きの角度が大きいと、角度が小さいものより、インパクト時のボールとフェース面の摩擦が増してバックスピン量が多くなります。

その結果、ボールは高く上がりやすくなります。高さがでない、もしくはキャリー不足に悩んでいるなら、ロフト角が大きいドライバーを選ぶと悩みが解消されるでしょう。

ロフト角が大きいとサイドスピンが少なくなりボールが曲がりにくい

さらにドライバーのロフト角が大きいと、サイドスピン量が減少して、ボールが曲がりにくくなります。

前項で説明しましたが、ロフト角が大きいほどボールにかかるバックスピン量は増えます。そしてバックスピン量が増えることでサイドスピン量が相殺されて、ボールが曲がりにくくなるのです。

一般的にゴルファーの間では、ロフト角が大きいとボールのつかまりがよくなるため、ボールが右に曲がりにくくなる、という認識です。このことから、スライスに悩んでいる、スライスを直したいのならロフト角の大きなドライバーを使う方が曲がり幅を抑えるのに有効といえるのです。

ロフト角が小さいとスピン量が少なくなり飛距離が出やすい

ドライバーのロフト角が小さい、すなわちフェース面の上向きの角度が小さいと、角度が大きいものより、インパクト時のボールとフェース面の摩擦が減少してバックスピン量が少なくなります。

その結果ボールは高く上がるよりも、前に進む力が強くなり、ロフト角が大きいものより飛距離がでやすくなります。

とはいえ、バックスピン量が減り過ぎてしまうとボールはすぐに落下してしまうので、あくまでも適正なバックスピン量が必要です。

ドライバーのロフト角「9度・10.5度」の違い

ドライバーのロフト角

ドライバーのロフト角には9度や10.5度など、いくつかのバリエーションがあります。そしてロフト角によってクラブの特徴が若干変わるため、自分に合ったものを選ぶことがスコアメイクに役立つのです。

ポイント

  • ロフト角「9度」の特徴とメリット・デメリット
  • ロフト角「10.5度」の特徴とメリット・デメリット

ロフト角「9度」の特徴とメリット・デメリット

ドライバーのロフト角が9度のものは比較的バックスピン量が少ないため、ボールが打ち出される角度も低くなります。弾道的には中弾道で、吹け上がりの少ない強い弾道です。

ロフト角9度のメリットは、スピン量が少なめなのでボールが曲がりにくい点です。
デメリットはヘッドスピードが遅いとボールに高さがでない、ボールがつかまりにくいなどが挙げられます。

このことからヘッドスピードが速く、ボールをつかまえる技術がある人にはおすすめです。

ロフト角「10.5度」の特徴とメリット・デメリット

ドライバーのロフト角が10.5度のものは比較的バックスピン量が多いため、ボールが打ち出される角度も高くなります。弾道的には中高弾道といえるでしょう。

ロフト角10.5度のメリットは、スピン量が多めなのでボールがラクに上がる点です。また、つかまりがいいのでスライスしにくいともいえます。
デメリットは、ヘッドスピードが速いとボールが吹け上がって飛距離が出にくくなります。

このことからボールが上がらずキャリーがでにくい人やスライスに悩む人にはおすすめです。

ドライバーのロフト角の選び方【初心者・上級者】

ドライバーのロフト角の選び方

ここでは初心者向けのドライバーのロフト角と、上級者向けのドライバーのロフト角を紹介します。

腕前に応じたロフト角をチョイスすることで希望に近い弾道が手に入り、スコアアップを実現できるでしょう。

ポイント

  • 初心者はロフト角「10.5度」が目安
  • 上級者はロフト角「9度〜10.5度」が目安
  • ヘッドスピードが速い人はロフト角「9度〜9.5度」が目安

初心者はロフト角「10.5度」が目安

ゴルフを始めて間もない初心者や100切りを目指す初級者レベルの人は、ロフト角ができるだけ大きいドライバーを選びましょう。

大きいほど簡単にボールが上がり、飛距離を伸ばせます。また、初心者や初級者につきもののスライスも軽減してくれます。

おすすめのロフト角は12~13度ですが、この角度のドライバーはモデル数が少ないため「これだ!」と思えるものになかなか出会えません。また、一般的なアマチュアゴルファーの間ではロフト角が大きいとカッコ悪い、初心者っぽい、といったマイナスイメージが浸透しています。

ゴルファーは総じて見栄っ張りなので、そういったイメージが蔓延するのも理解できます。したがってこういった風潮を気にするのなら、ロフト角が10.5度のものを目安に選ぶことをおすすめします。

上級者はロフト角「9度〜10.5度」が目安

平均スコアが85以下の上級者はスイングもそれなりにかたまっています。また自分のプレースタイルもある程度決まっています。そしてどのようなドライバーを使うのが自分にとってベストなのか、理解している人が多いものです。

したがって上級者のドライバーのロフト角は、その人がよいと思う角度でなんの問題もありません。

10~11.5度だとボールが上がりすぎると感じるなら9度を試せばOK。

8.5~9度だとボールが上がらないと感じるなら10.5度などを試せばいいのです。

スイングを変えずにいまよりボールをつかまえたいのであれば、現在使っているドライバーよりもロフト角の大きいものに変えればよく、つかまりを抑えたいのであればロフト角を小さいものにチェンジすればOKです。

もし、上級者でどのロフト角を使ったらいいか迷われるような場合は、9~10.5度を目安にするのが無難です。

ヘッドスピードが速い人はロフト角「9度〜9.5度」が目安

平均スコアが90前後、これから85以下のスコアを目指す中級者で、ドライバーのヘッドスピードが43m/s以上あるなら、ロフト角がやや小さめの9~9.5度のドライバーを目安にしてみましょう。

このレベルは基本的にスイングが安定していて、ボールをつかまえる技術もあります。持ち球がスライス系という人もいますが、つかまりすぎによる左へのミスを嫌う人が多いことからも、この程度のロフト角がおすすめといえます。

月イチレベルのアマチュアゴルファーやスコア100を行ったり来たりしているレベルのアマチュアゴルファーでヘッドスピードが43m/s以上あったとしても、それは単にヘッドスピードが速いだけであって、そのようなアマチュアはごまんといます。

ですので、このレベルの人がヘッドスピードが速いからといってロフト角9~9.5度のドライバーを使ってもよい結果はでません。ロフト角が多めのドライバーで、ボールをつかまえる技術をまずは習得しましょう。

ドライバーのロフト角はヘッドスピードに合った角度を選ぼう

ドライバーのロフト角

ヘッドスピードロフト角の目安プレーヤーレベル
45m/s以上8.5度男子プロ
43m/s前後9度トップアマチュア
42m/s前後9.5度トップアマチュア
40m/s前後10度一般アマチュア(速め)
38m/s以下10.5度以上一般アマチュア(遅め)

ドライバーはボールをできるだけ遠くへ飛ばしたいクラブです。最大飛距離を手に入れるためには、自分のヘッドスピードに合ったロフト角を選ぶことが大事です。

ヘッドスピードが遅い人はドライバーのロフト角がある程度大きい方が遠くへ飛ばすことができます。

飛距離を出すためには、ある程度の高さが必要です。ヘッドスピードの早い人は、ロフト角が小さくてもボールが上がりやすいのですが、ヘッドスピードの遅い人は、ボールを上げるためにロフト角の大きさで助けてもらうことが必要となります。

最近のボールはバックスピン量が少なく高く打ち出した方が飛ぶという傾向もあり、一般の男性アマチュアゴルファーは12〜13度のロフトを選んだ方が飛距離が伸びることが少なくありません。ドライバーの距離が出ない方や、ヘッドスピードの遅い女性プレーヤーの方は思い切ってロフト角の大きなものを選んでみてはいかがでしょうか。

ドライバーのロフト角を調整できる「カチャカチャ」について

カチャカチャ
カチャカチャは便利だが弾道が劇的に変わるほどの変化は望めない

いまやスタンダードになった「カチャカチャ」は主にロフト角、ライ角、フェース角、そして重心位置を変えることができる機能です。変えることができるとはいえ、ヘッドの特性や性能を変えることはできません。あくまでも微調整が可能になる機能と理解しておくべきでしょう。

それを踏まえたうえでカチャカチャは、スコア100前後を行ったり来たりしているレベルのゴルファーにはとても便利な機能です。その理由は、このレベルの人たちはほとんどがスライサー。ボールをつかまえるテクニックが拙い人たちです。しかしカチャカチャで調整すれば、ボールのつかまりがよくなり、曲がり幅を軽減できます。

ボールが思ったほど上がらないと悩んでいる人も、カチャカチャを使えばいまより高い球が打てるでしょう。とはいえ、スライスがドローボールに、低弾道が高弾道に、というほどの劇的な変化は望めませんので注意が必要です。

ドライバーのロフト角はリアルロフト角と表示ロフト角に注意

リアルロフト角と表示ロフト角

ドライバーのロフト角を選ぶ際に注意したいのが「リアルロフト角」と「表示ロフト角」の違いについてです。

同じロフト角でも、各メーカーによって「リアルロフト角」「表示ロフト角」どちらで表記しているか異なる場合があります。

ポイント

  • リアルロフト角は実際に測定したときのロフト角
  • 表示ロフト角はクラブなどに表示してあるロフト角

リアルロフト角は実際に測定したときのロフト角

リアルロフト角とは、ロフト角を実際に測定したときの数値のことです。通常は単にロフト角といいます。クラブのフェースやカタログに表示してあるロフト角(表示ロフト角)が実測数値と違うことが多いので、実測数値を「リアルロフト角」と呼んで「表示ロフト角」と区別しています。

リアルロフト角と表示ロフト角の差が大きいと、狙いどうりの高さや距離が出ないので、スイングで調整しようとして悪い癖がつくことがあります。手持ちのクラブのリアルロフト角を知りたいときは、「ヘッドスペック測定器」がおいてあるゴルフショップや工房を探して、測定を依頼するといいでしょう。

表示ロフト角はクラブなどに表示してあるロフト角

表示ロフト角は、クラブやカタログに表示してあるロフト角のことです。ドライバーのソールの裏などに「9.5」「10.5」 「11.5」とロフト角が記載されています。この数字は表示ロフト角と呼ばれる数値で、リアルロフト角と必ずしも等しくはありません。

ロフト角には製造誤差があり、0.6度~1.5度位の違いは許容範囲とされています。表示ロフト角はリアルロフト角より大きいときも小さいときもありますが、ドライバーの表示ロフト角は平均して実際より小さい数字になっていることが多いといわれています。

ドライバーの表示ロフト角が11度を越えると、男性購入者のプライドが邪魔して売り上げが落ちるので、意図的に小さくしているのが理由との説もあります。

自分に合ったロフト角のドライバーを選ぼう

ロフト角

ドライバーのロフト角についていろいろとお話ししてきましたが、どんな角度のものを使うかはあなた次第です。「ヘッドスピードは遅いけど9度が使いたい」。そう思うなら使ってみるべき。使ってみれば、自分に合っているのか、いないのかがわかります。これを何回か繰り返すことで、自分にとってベストといえるロフト角のドライバーと巡り会えるでしょう。

プロフィッターからのアドバイスやシミュレーターのデータも重要ですが、トライ&エラーを繰り返すことでしか、見えてこないものもあります。


宮川岳也

■解説者プロフィール

宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経て、フリーランスのゴルフライターに。USGTFティーチングプロ資格を有し、現在はゴルフライター活動とレッスン活動の二刀流。