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キャロウェイ APEX TCBアイアンの試打評価|試打のスペシャリスト・高橋良明の本気レビュー

2022/05/01 ゴルフサプリ編集部

キャロウェイ APEX TCBアイアン

ジョン・ラームの全米オープン初制覇やザンダー・シャウフェレの五輪金メダルをサポートしたキャロウェイ屈指のツアーモデルが2021年秋モデルとして新登場。『APEX TCBアイアン』が大勢のアスリートに選ばれ、結果を出している理由をゴルフクラブ試打のスペシャリストとしておなじみのプロゴルファー、高橋良明が解明します。

ソリッドかつ心地よい打感が魅力

キャロウェイ APEX TCBアイアン

『APEX TCBアイアン』は軟鉄鍛造ボディとキャロウェイ独自の「ツアーチューンド・フェースプレート」、「MIMタングステンウエイト」の組み合わせにより、ツアープレーヤーが求めるソリッドで心地よい打感と安定した弾道を実現したモデルです。基本構造が同じ『XフォージドCBアイアン』とはバックフェースのデザインがよく似ていますが、『APEX TCBアイアン』はさらにブレードがコンパクトで薄く、オフセットも小さめ。寛容性のある複合キャビティでありながら、マッスルバックのようなシャープな見た目と高い操作性を持つツアーアイアンとなっています。

非常にコンパクトでインテンショナルショットが打ちやすい

キャロウェイ APEX TCBアイアン

『APEX TCBアイアン』はツアープレーヤーが求める抜けのよさや操作性を実現するためヘッドが非常にコンパクトに作られています。同じアスリート系の『XフォージドCBアイアン』と見比べても、ブレード長が短めでトップブレードやソールも薄く、ネックもほぼストレートで見た目のシャープさは数あるアイアンの中でも群を抜いています。また、リーディングエッジには丸みがあって、あらゆるライに対応でき、インテンショナルなショットをイメージしやすい設計です。

「ツアーチューンド・フェースプレート」による厚みのある打感

キャロウェイ APEX TCBアイアン

S25C軟鉄鍛造ボディとの組み合わせにより極上のフィーリングを実現しているのがキャロウェイ独自の「ツアーチューンド・フェースプレート」です。このプレートの素材は17-4ステンレスですが、フェース自体の厚みを変化させ打点部分を肉厚にすることで、マッスルバックのような食いつきのよさとやわらかい打感が再現されています。また、一般的な複合アイアンと異なるのは、ボールスピードを上がりすぎないようにしてスピン量を追求しているところです。その結果、『APEX TCBアイアン』は高重心設計と相まって優れたスピンコントロール性能を発揮します。

理想の重心位置と安定した弾道を実現する「MIMタングステン」

『APEX TCBアイアン』には、外観上の特徴となっているバックフェースのタングステンプレートのほかにヘッド内部にもタングステンウエイトが搭載されています。合計2つのタングステンウエイトは金属射出成型(MIM製法)により緻密に成型されており、複雑なパーツを組み合わせた複合構造でありながらウエイト重量や搭載位置を設計値通りに精密に管理することが可能。番手毎に設計された理想的な重心位置により、安定した飛距離、打ち出し角、スピン量を実現しています。

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見た目はシャープだがパワーヒッターや上級者には安心

キャロウェイ APEX TCBアイアン

『APEX TCBアイアン』はとにかく小さくてかっこいいアイアンです。かまえたときにもすごくシャープな印象で、バックフェースを見なければほぼマッスルバック。見た目からして完全なツアーモデルです。

ぼく自身はやさしいアイアンが好きなのでちょっと身構えてしまいますが、ヘッドは小さくてもヒールの高さがあるので球を包み込むような安心感があります。ヒールでかまえる人はとくにターゲットをイメージしやすいでしょう。

7番でロフト角が34度あり、かまえたときからフェースが開いて見えます。飛ぶ人にとっては安心ですが、パワーのない人はない人はちゃんと飛ばせるかどうか不安に感じるかもしれません。ソールが非常に薄い上に、リーディングエッジとトレーリングエッジが削ってあるのでヘッドがスムーズに入って抜けてくれそうです。

キャロウェイ APEX TCBアイアン

これだけヘッドが小さいといくら複合とはいえ『APEX TCBアイアン』の芯はそれほど大きくありません。上下のミスヒットに対してはけっこうやさしいけれど、プロモデルらしく左右のミスはミスとして結果にあらわれます。逆にいえばそれだけ球筋のコントロールがしやすいということになり、自分がこういう球を打ちたいなとイメージしやすく、その通りの球が打てます。

ブレードはとても薄く、ちょっと手前から入るとフェースが開いてしまいそうですが、ソールのヒール側が狭くラフからの抜けは非常にいいです。また、リーディングエッジは少し丸みがあるのでボールが少しくらい沈んでいてもきちんとコンタクトできます。キャロウェイのアイアンの中では重心が高めですが、スピンがかなり入るので球を持ち上げてくれます。

球が上がって前に行く。+数ヤードの飛びでねらいやすさアップ

7番でロフト34度と聞いて『APEX TCBアイアン』はまったく飛ばないアイアンかと思いましたが、打ってみると球はよく上がるし意外と距離が出ました。試打したときはけっこうなアゲンストの風でしたが、自分の思った以上に飛んでいました。バックフェースのタングステンの重さが当たったときにエネルギーとして伝わって、球を浮かせながらも強い球で前に飛ばしてくれるイメージです。

ほかの34度と比べるとプラス2、3ヤードは前に行きます。ツアープロにとってアイアンの飛距離性能は二の次ですが、この数ヤードだけでもずいぶん攻め方が楽になりそうです。ただし、これだけロフト角が大きいとしっかりハンドファーストでインパクトして、ダウンブローに打っていかないと飛びません。アッパーブロー気味に当てると目に見えて飛距離が落ちてしまいます。

見た目といい、操作性といい『APEX TCBアイアン』は完全に上級者向けモデルです。初中級者が不安を覚えるような小さいヘッドや寝ているロフトもプロや上級者にとっては抜けのよさや飛び過ぎない安心感になります。また、ロフトが寝ていてソール幅も狭いのでダウンブローで打てる人に向いています。ぼくも欲しくなってしまうくらいかっこいいし、PGAツアープロと同じモデルを使いたいという気持ちも分かりますが、向上心のある人や練習をする気のある人にしかオススメしません。

バックフェースにタングステンが見えているのでやさしい印象もありますが、このタングステンは芯を広げるというよりもショットの精度を高めるためのもので、左右の慣性モーメントは小さくミスヒットすればフェースが開いたり閉じたりします。フェース面の管理ができる人や打点の安定している人ならこのアイアンの性能を発揮させることができるでしょう。

『APEX TCBアイアン』はマッスルバックアイアンと同等のフィーリングや操作性を持ち、ショットの精度をさらに高めてくれるアイアンです。タングステンの効果でとくに縦方向の慣性モーメントが高く、上下のミスに対しても打感、打ち出し角、スピン量が安定しているので距離のブレを最小限に抑えてくれます。元々左右のミスが少なく、どちらかといえば縦の距離のブレを気にする上級者がピンを積極的に攻めることができるでしょう。PGAツアーのトップ選手がこぞって使うモデルだけあって、テクニックやパワーのあるプレーヤーほど性能を存分に発揮できるクラブです。

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高橋良明

テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

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