マスターズは社会貢献も世界最高峰 華やかな舞台の背景
SDGsとゴルフ|第12回
2022年のマスターズ会場。SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。 2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のゴール・169のターゲットから構成されている。
世界中からトップ選手が集まり、オーガスタナショナルGCを舞台に開催されるマスターズ。日本ではあまり報道されていないが、この華やかな舞台の裏では地元地域への社会貢献が実施されている。ゴルフ界最高の祭典と言われるマスターズは、社会貢献においても世界最高峰の取り組みを行っている。その取り組みを紹介しよう。
GOLF TODAY本誌 No.601/125ページより 写真/Masters Official、ゴルフトゥデイ編集部
オーガスタナショナルGC が実施している地域への社会貢献
地域のコミュニティーのために1000万ドルを拠出
オーガスタナショナルGC近くのワシントンロード。
2020年、マスターズを主催するオーガスタナショナルGCは 地域コミュニティーのために1000万ドル(約13億円)を拠出すると発表した。
オーガスタナショナルGCの近くを通るワシントンロードの近くに位置するハリスバーグとレイニーウォーカー地区を対象としたコミュニティーイノベーションのためのHUBを建設。AT&T、IBM、バンク・オブ・アメリカもこの取り組みを支援した。この施設で、教育、医療、栄養サービスを提供し、緊急のニーズに対応するとともに、長期的な地域活性化のための土台を築くことを目的としている。
コロナ禍には地域のための様々な取り組みを展開
会場内で販売されているポテトチップス。
コロナ禍の影響で、2020年4月に開催する予定だったマスターズは同年の11月に延期。その頃同時に取り組んでいたのが地域コミュニティーへの貢献だった。コロナ禍の影響で、マスターズだけでなく多くのスポーツイベントが中止になっていた2020年5月、オーガスタナショナルGC が地元のフードバンクに寄付を行ったことが現地のニュースで報じられた。農産物、パン、乳製品、さらに大会で販売する予定だったポテトチップス5万袋などが寄付された。
2021年には新型コロナワクチン接種実施のために地元当局とのパートナーシップを締結。ワクチンの接種会場としてワシントンナショナルショッピングセンターの土地をオーガスタナショナルGCが提供した。
2022年も新たな取り組みを実施
2022年マスターズの開幕前日、オーガスタナショナルGCはオーガスタ・テクニカル・カレッジに100万ドルの寄付を行うと発表した。この取り組みにより、レーニー・ウォーカー地区に新しい自動車サービストレーニングセンターの開発を開始。
このトレーニングセンターでは、キャリアトレーニング、資格取得、就職斡旋を提供し、この地域で高まっている自動車技術者や専門家のニーズに応えることを目的としている。「私たちには競技以外にももう一つのコアバリューがあり、コミュニティーへのコミットメントにも重点を置き続けてきた」とオーガスタナショナルGCのコミッショナーであるフレット・リドリー氏。
世界中のゴルファーが憧れるゴルフの祭典は、社会貢献においてもスポーツイベントとしては世界最高峰の取り組みを実施している。
北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌(ALBA)編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。
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