桂川有人のマン振りしても再現性が高いスイングはどうやってできるの?
一流プロのドライバーのマネどころ
全英オープンでは予選を通過した期待のルーキー!
23歳の桂川有人は日本ゴルフ界期待のホープ。
今シーズンの日本ツアーでは賞金ランキング2位につけ、4大メジャー初出場となった「全英オープン」では松山英樹とともに予選を通過。身長167センチという小柄な体型から、力強いショットを打つ秘密はどこにあるのだろうか?
GOLF TODAY本誌 No.603 14〜17ページより
取材・構成・文/野中真一
撮影/相田克己 ISPS
両ワキを締めたまま手首やヒジを柔らかく使う
ドライバーは腕や上半身をガチガチに固めて打とうとすると、飛距離が出ません。逆に、腕を柔らかく使ってヘッドを走らせようとすると、方向性が安定しない。
飛距離を出しつつ、安定させるためにはそのバランスを取ることが大切になるのですが、桂川選手のスイングは最高のお手本です。桂川選手は手首やヒジを柔らかく使いながら、両ワキをしっかり締めている。連続写真を見ても最もスピードが出るインパクト前後(写真5、写真6)でも両ワキが体にピッタリとくっついています。
だから、マン振りしても再現性が高いスイングになるのです。
このスイングを習得するためのポイントは胸の回転スピードを上げること。腕を速く振るのではなく、胸をスピーディに回転しようとすると両ワキが締まったままでもスイングスピードを上げることができます。
両ワキにタオルを挟んで素振りする
胸の回転スピードを上げるための定番練習が両ワキにタオルを挟んで素振りすること。
胸を回す意識を確認するために、ツアープロもよくやっている。
ダウンスイングで右ヒジは体の前へ。グリップを引っ張る力で飛距離が伸びる!
ダウンスイングではヘッドはどんどん体から離れようとする
両ワキを締めることを意識していれば、アマチュアの皆さんもアドレスからバックスイング、トップまではできると思います。でも、ダウンウイングからインパクトまで両ワキを締めたまま打つことが難しい。
その理由はダウンスイングで遠心力がかかると、腕とヘッドはどんどん体から離れていこうとするからです。その結果、アマチュアはインパクトで両ワキが完全に空いてしまう。それを解消するのがグリップを引っ張る力です。
桂川選手のダウンスイングを見ると写真6から写真8にかけてグリップを体に引きつけながらインパクトしています。ヘッドは体から離れようとしているのですが、グリップを体に引きつけることで、両ワキを締めたままインパクトしています。
両ワキを締めるためにもう一つ大切なのが切り返し直後の右ヒジです。多くのアマチュアは切り返し直後に右ヒジが高く上がったり、体の後ろ(お尻側)に動いてしまう。そうすると右ワキが空いてしまう。右ワキは桂川選手のように体の横を通りながら、体の前に入っていくのが理想。右ヒジの軌道を意識するだけで、右ワキが締まったスイングになります。
ハーフウェイバックはややシャットに
両ワキを締めたまま胸の回転でクラブを上げるとハーフウェイバックではシャットフェースになるので、フェースが開くことはない。
手首の動きに対して、ヘッドは少し遅れる
切り返し直後は手首の動きに対して、ヘッドが少し遅れることで、ダウンスイングでヘッドを加速させることができる。
左手でグリップを引っ張り続ける
グリップは左手で引きつけることで、左サイドの回転とともにヘッドとグリップに引っ張り合う力が生まれる。
両ワキを締めると右サイドは屈曲
前傾角度をキープしながら、両ワキを締めたスイングをするとインパクトでは自然に右サイドが屈曲した姿勢になる。
解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
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