ゴルフシューズを家から履いていくのはマナー違反なの?
普段からスニーカー代わりにスパイクレスシューズを履くゴルファーが続出中ですが…
写真提供/真鍋雅彦
スパイクレスの登場以来、「ゴルフシューズは家から履いていく」という人が増えているようです。
凸凹が少ないから車の運転も支障なし。荷物は減るし、コースで履き替える手間も省ける。まさに一石二鳥です。しかし、ゴルフ場関係者は、「家から履き」に頭を悩ませているそうな。
完全にアウト!ではないが、できれば控えて欲しいとか。その理由を探るとともに、それでも「家から履き」をやりたい人へアドバイス!
ソールには芝が嫌がる菌がウヨウヨ
写真提供/真鍋雅彦
最近流行のスパイクレス。最近では、アッパーのデザインも、“お洒落なスニーカー”風なモデルが続々登場していることから、「履き心地がいいので、普段からスニーカー代わりに使っている」、「練習場やゴルフ場に行くときも、家から履いていく」というゴルファーも増えているようです。
しかし、その一方で、「それはマナー違反だよ」という人もいます。なぜ、マナー違反になってしまうのか。これにはちゃんとした理由があります。
その理由とは、ゴルフ場以外で履いたシューズでプレーをすると、ゴルフ場内の芝が痛んだり、病気になる原因になりやすいからです。
多くの人は気にしたことがないと思いますが、我々が普段歩いている地面には、いろいろな菌が付着しています。また、家庭や工場から排出された薬剤などが染みついている道路もあります。
そういうところを歩いたシューズでラウンドをすると、当然その菌や薬剤がコースに持ち込まれることになります。
そうするとどうなるか。すべての菌や薬剤が芝を痛めつけるわけではありませんが、芝の種類によっては根腐れを起こしてしまったり、色が変わったりしてしまうのです。
とくにベント芝は病害虫にとっても弱い
芝の中でも病害虫に弱いのが、ここ数年、グリーンの芝としては主流になっているベント芝です。
昔、日本のゴルフ場でよく使われていた和芝といわれる高麗芝(今でも使っているゴルフ場はありますが)は、寒さに弱いという欠点はあったのですが、暑さと病気には強く、手入れも比較的簡単でした。
ベントって何? 高麗って何? え、バミューダ?
こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ 名取確です。 みなさんゴルフスコアを入力するアプリを使っている方が多い...
一方、冬でも枯れにくい西洋芝のベント芝は、菌に対する抵抗力が弱く、ちょっとした外敵にもフニャッとなりやすいという特徴があります。しかもベント芝は管理が大変で、管理費用も高麗に比べて高くつきます。そんなベント芝に、たくさんの菌を持ち込まれたら…。
中には、足の型で芝が枯れたという事例もあるとか。グリーンキーパーさんの嘆きが聞こえてくるようです。ゴルフ場としても、本当は、「ゴルフ場に来たら、コース専用のシューズに履き替える」ことを徹底したいそうですが、そこは悲しいかな客商売。「それぐらいのことはわかって欲しいなあ」とイジイジしているというのが現状です。
「ハウス内ではジャケットの着用をお願いします」というルール(どちらかというとマナーですね)を作っておきながら、そのことをクラブハウスの目立たないところに掲示していたり、ジャケットを着用していないゴルファーを見かけても直接注意することはないのと同じことですね。
手と同じようにシューズも除菌を
しかし、注意されないからといって、どんどん菌を持ち込むわけにはいきません。美しいコースでプレーしたいのなら、我々ゴルファーもできることをしないと、です。
まずやるべきは、当たり前のことですが、ゴルフシューズを普段履かないようにすることです。
もし日常でも履きたいなら、それはコースでは使用しないこと。また、ラウンドの際、家からゴルフシューズを履いていくのも止めるようにしましょう。
「練習場ぐらいなら家から履いていってもいいかも」と思う人もいるかもしれませんが、そのシューズをコースでも使うつもりであればNG。もっと厳密にいうのなら、コース以外では絶対に履かないというコース専用シューズを用意し、それは練習場でも履かないようにする(普段履きのスニーカーで打撃練習をしている人もいますからね)というのが理想ですが、そこまで神経質になることはないでしょう。
「ゴルフ場の芝を守る」という点でいけば、ラウンドの前にソール部分を除菌するというのも有効です。コロナ禍によって一般的になった除菌スプレーを靴底にも吹き付けるというやり方です。
実際、ピッチに入る前に、除菌液入りのパットに足を入れ、ソールを消毒してからでないと中には入れさせないという競技場を見たことがあります。
そのような除菌液を、マスター室の前にでも置いておいてくれればベストなのですが、芝管理の専門家の話によれば、「一般的に使われている除菌液でも一定の効果が得られます」とのこと。ただし、アルコール入りのものはNGなので、使用は控えてくださいということだそうです。
家からシューズを履いていきたいという人は、ゴルフ場に足を踏み入れる前に、シュシュッとやってはいかがですか?
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真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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