ベントって何? 高麗って何? え、バミューダ?
逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第7話
こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ 名取確です。
みなさんゴルフスコアを入力するアプリを使っている方が多いと思いますが、その中にその日のティーやグリーンを入力するところがありますね。何気なく見ていると思うのですが、実はそのグリーンの芝の種類にはコースの考え方や特徴などが出るんですよ。
[目次]
グリーンが早いか遅いかは、凄く大事なことなんです
ゴルフ格言の一つに「Putt is MONEY」というのがあります。
ゴルフは、各ホールの目的地はグリーンに切られた直径10.8cmの小さいカップ。そこに向かう道をどういうルートで行くのかは、人それぞれに違うルートの取り方があります。
ある程度ショットが打てるようになると、グリーンまでの打数にそこまで大きな差は出ず、最終的にはグリーン上で勝負が決まります。パターで転がしてカップに入るかどうかが命です。
72のパープレーで回れる人だと大体パット数は30行かない程度。100で回る人は40回程度打っている人が多いでしょう。
いずれにせよスコアの4割はパッティングです。
なので、ゴルファーにとってグリーンが早いか遅いかは凄く大事なんです。
そして、早い遅いの他にも、曲がりやすい・止まりやすいなどは“芝質”が大きく影響してきます。
グリーンは早いと難しい?!
グリーンの速さはスティンプメーターというもので測り、毎日その数値はスタートホールあたりに掲示されていることがほとんどです。そして、その数値が高いほど、グリーンが速い、ということになります。
季節によってこの数値(グリーンの速さ)は、ガラリと変わります。グリーンのスピードは速ければ速いほどシビアになって、痺れるようなパッティングが求められます。
いや~ほんと、高速グリーンは私みたいなドMじゃないとやってられないかもしれない(笑)
芝の育成がしやすい気候の春や秋は10.0ft(フィート)を越える数字になることもあります。
私のホームコースはグリーンの質の高さが売りで、プライドを持って維持管理をしていますので、ベストシーズンは12.5ftくらい行きます。
12.5ftを例えるなら、マスターズゴルフトーナメントを見たことある人はわかると思いますが、プロが本気で入れに行ったパッティングが止まらずにコロコロとグリーン外まで出ちゃうような、ガラスのグリーンと言われるレベルです。
暑い時期は芝が伸びやすいので、夏は9.0ftくらいが普通です。
まぁこれくらいだと、止まらないってことはないので初中級の方には安心できるレベルだと言えると思います。
逆に、春と秋のベストシーズンは、ゴルフ場選びの時にあんまりグリーンスピードが早すぎるコースだとまったく入らなくて苦労するかもしれません。
コースのHPのトップページや探しやすい所に、グリーンのスピードと硬さを掲載しているコースが多いので是非コース選びの際には参照してください。
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グリーンは芝の種類が違う
グリーンの芝は、一般的には3つ覚えておけば大丈夫です。
(1)ベント
(2)高麗
(3)バミューダ
ベントとは
「う、美しい」と思うゴルフコースのほとんどは、ベント芝です。
1年中綺麗な緑色をキープしやすい品種で、芝の一本一本が細目なので、緑が密集して濃い印象になります。
例えるなら、ベルベットの絨毯のような滑らかな感触になります。
グリーンに採用すると、ボールの転がりがとても滑らかなので繊細なタッチを要求されるような高速グリーンを作りやすいのです。
綺麗なものが好きかと問われれば、男女問わず答えは、「はい」か「YES」ですから、日本中のコースで採用されています。
一本一本が細いから傷つきやすいですし、柔らかいのも特徴。
アプローチのスピンも柔らかい芝に食い込むため、キュキュッと止まる技が使いやすいです。
雨の後などには、ショットが着弾した跡が付きやすいので修復をしっかりしないといけません。
ベントの滑らかな転がりを楽しむには、プレーヤーの皆さんの協力が不可欠です。
高麗とは
高麗芝は、ベントと真逆の性質と思えばわかりやすいですね。
芝は太く硬いので、反発力・摩擦力が強いです。
ちょっと暑い地域や海沿いなどは繊細なベント芝よりも高麗の方が管理育成しやすいため、海沿いの名門コースの代表である川奈ホテルゴルフコースなどは高麗芝のグリーンが名物になっています。
グリーン上では、硬い芝がボールの転がりに影響を与えやすいので、ショートパットをしっかり打たないとカップ手前で「え?」ってくらい止まることがあります。
強くて太い芝が並んでいるので芝目が強く出やすいのでピン位置によっては「うぉ~」と声が上がるくらい曲がります。
アプローチではスピンの効いた球を打っても、芝が回転を弾くので思ったよりも止まらないという事も起きます。
男らしい芝という感じですが、こちらもモチロン修復はマストです。
バミューダとは
バミューダ芝は、ベントと高麗の良いとこどり。
暑さに強いのに、細くて繊細なタッチも出せる。
「それなら全部バミューダで良いじゃん」と思うかもしれないけど、ちょっとクセが強い(笑)
私も、初めてバミューダ芝のコースをプレーしたときは、クセが強すぎて…しばらくはプレーしなくていいかなと思ってしまいました。
グリーン上は、人気のベントのような高速グリーンを作れるので、これから気候変動に対応するためにバミューダに替えることも多くなってくるような気がします。
おそらくクセが強いと思うのは最初だけ。慣れてくれば、きっと美しいベントと同じように皆さんに愛されるのではないかと思います。
芝によってプレーを変えた方がいいの?
もちろん、芝質によってグリーン上のパッティングに与える影響は特徴があります。
ですが、上級者ほどその影響を強く受けるけど、初中級者の方はそんなにやるべきことは変わりません。
まず、芝質のことなんて関係なく以下の練習は必ずやるようにしましょう。
練習グリーンに時間をかける
ラウンド前は、少なくとも20分以上は練習グリーンに時間を使いましょう。
スコアの4割はパッティングなんだから、練習の4割はパターですよ!スタート前の練習に30分使うなら、そのうちの20分は練習グリーンでパッティング!
ロングパットをたくさん練習する
スタート前の練習グリーンには、ボールを3つor4つ持っていき、同じ地点から同じ距離を連続して打つ練習をしましょう。
ショットが近くに寄ることは少ないのですから、自分の10歩~15歩の距離を体で覚えておきましょう。
ショートパットを3連続入れて終わる
最後に1歩半~2歩のショートパットを3連続入れて気持ちよく練習を終えましょう。この距離に寄せれば入るというおまじないを自分にかけること。
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初中級者が練習グリーンでやるべきなのはロングパットです。特に15歩程度は確実に1ピン以内に寄せることを目指しましょう。
2パット×18ホール=36回をまず目標にしてください。
36回以上叩いているうちは、ロングパット中心の練習を続けることで、自分のスイングがボールを運ぶ力がどれくらいあるのかを体・脳に叩き込みます。
グリーン上でピンから遠くても打ち過ぎてしまうことがないようになれば、大分パターは上達したと言えるでしょう。
芝の質によって変えるべきポイント
一応最後に、芝の質で多少変えるべきことを書いておきます。
ベント
特徴 | 対策 |
---|---|
良く転がる | 強く打ち過ぎず、ラインに乗せる! |
芝目は出にくい | 特に傾斜にしっかり注目! |
スピンは効く | アプローチは積極的に突っ込む! |
高麗
特徴 | 対策 |
---|---|
止まりやすい | ショートパットは壁ドン意識! |
芝目が出やすい | 読んだラインよりも少し膨らませて! |
スピンはほどける | アプローチは転がしで! |
バミューダ
特徴 | 対策 |
---|---|
良く転がる | ベントだと思って強く打ち過ぎない! |
芝目が出やすい | クセがあるからあきらめも肝心(笑) |
スピンはそこそこ効く | 浮かすか転がすかは傾斜次第で! |
こうやって、芝の違いまで楽しめるゴルフ。どこまで深いんだ!!と、こうやって記事を書いていてもテンションが上がってワクワクします。あぁ~、早く芝の上に立ちたい!!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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文・名取 確
逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。
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