バラバラに交換すると、仕上がりに差が出ることも

「グリップを交換するときは、いっぺんに全部の番手を行うのがオススメです」

そう話すのは東京ゴルフスタジオのコーチで、多くのアマチュアの指導にあたっている真弓伸仁プロ。

真弓 「いっぺんに替えると統一感が出るので、不安なく使うことができます。ゴルフはメンタル要素が大きいゲームなので、『不安がない』という点が一番のポイントになります」

「自分で交換する人は別ですが、量販店でやる場合、バラバラに交換をお願いすると作業する人によって仕上がりに差が生じる、という場合があります。作業する人を指名できればいいのですが、そういうショップはなかなかありませんからね」

「特定の番手だけ握ったときに違和感があるようでは、そのクラブを安心して振ることはできません。こんなことにならないよう、できるだけいっぺんに交換するほうがいいでしょうね」

グリップのせいでミスをしている人も多い

真弓 「いっぺんに替えるのがオススメとはいえ、『今月はお財布がピンチだから、とりあえずこの番手だけ交換しよう』という人もいますよね。これはこれでアリだと思いますし、僕の勤めるスタジオのメンバーさんもそういう人は多いです」

「でも1〜2本交換してそれを使うと、みなさん口を揃えて『新しいグリップは違うねぇ。握ったときにしっくりくるし、ぜんぜん滑る感じがしない。やっぱり残りの番手も全部交換して』という人がほとんどです」

「グリップは直接手で触れるパーツなので、違和感があるとすぐにわかります。『このグリップちょっとなぁ…』と、ストレスがかかったままプレーをしていると必ずミスにつながります

つまり、すり減ったグリップや硬化したグリップ、握り心地が合っていないグリップを使っているせいでミスをしている人も多いのです」

月イチゴルファーでも、2年以内に交換するのがベター

真弓 「メーカーは1年ごとの交換を推奨していますが、週に1、2回練習して、月に1回ラウンドするくらいの人なら、もう少し長めのスパンでもいいと感じます。

とはいえ2年も経つと柔らかさが失われるので、これくらいを目安にするのがオススメです。車のトランクに入れて保管しているような人はグリップの劣化が早いので、その点も考慮して交換時期を早めたほうがいいかもしれません」

真弓 「グリップは大別するとゴム系のものと樹脂系のものがありますが、ゴルフ歴が長く、ローハンデの人はゴム系の柔らかいタイプを好む人が多いと感じます。

ゴルフプライドの『ツアーベルベット』がその代表ですね。とにかく『ツアベル』は好きな人が多いです。他のグリップを使ったけれど、やっぱりツアベルが一番しっくりくると言って、戻ってくる人も多いですね」

「樹脂系だと『NO1』を使っている人が多いように思います。これもツアベル同様、握り心地が柔らかでしっくりきます。ただ素材のせいなのか、ゴム系のものより減りが早いイメージがありますね」

「コード入りは、握り心地が硬めなので好き嫌いがはっきりしています。樹脂系のグリップが増えたせいなのか、以前に比べてコード入りを使っている人はかなり少なくなったと感じます」

「少なくなったとはいえ、左手部分はコード入り、右手部分はゴムだけというハイブリッド構造の『MCC』は人気がありますね。実際に使っているメンバーさんも割と多いですから」

GolfPrideのPLUS4(写真提供/宮川岳也)

真弓 「ゴルフプライドの『PLUS4』のように、右手部分と左手部分の太さの差があまりないテーパーレスグリップを使っている人もいます。

このタイプは右手でフェース面を感じたり、右手の動きでフェース面を管理したいと思っている人にはあまりオススメしません。

太いぶん、どうしてもフィーリングが鈍感になりますから。右手ばかり力が入ってしまって、バランスよく握れないという人にはマッチするグリップでしょう」

「グリップはさまざまなタイプがあり、どれを使えばいいのか迷うこともあるでしょう。そんなときはふだん使っているグローブをショップに持って行き、グローブを装着していろいろなグリップを試してみましょう。

グリップはグローブとの相性もあるため、そこを見極めることも大切なポイントです」

文・宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。