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4年前とは別人の石川遼!見事な復活の裏にあったスイング改造を解説

一流プロのドライバーのマネどころ

2022/12/25 ゴルフサプリ編集部

石川遼

石川遼(いしかわ・りょう)/1991年9月17日生まれ。175cm。15歳でレギュラーツアー優勝の衝撃デビューを飾り、31歳での復活優勝まで通算18勝をマーク。

「三井住友VISA太平洋マスターズ」で約3年振りの優勝を飾った石川遼。この3年間はスイング改造しながらツアー出場を続けていたが、4年前と比較するとスイングが大幅に変わっていたことがわかった。

GOLF TODAY本誌 No.607 16〜19ページより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己 圓岡紀夫

復活優勝の石川遼は4年前とは別人。コンパクトでフェースの開閉が少ないシャット系に

石川遼スイング

石川遼選手のスイング改造は理にかなっていますし、個人的には賛成です。まず、明らかに変わったのはトップ。

4年前はトップが大きくて手首もコッキングしていたので、シャフトがクロスするクセがありました。

ダウンスイングでは手首をリリースさせながらフェースをスクエアに戻していたので、手の動きで合わせる感覚だったと思います。

トップが高めで、リスクワークも大きかった

石川遼スイング
オーソドックスなスイングだった4年前はフェースの開閉が大きく、ダウンスイングではアップライト軌道でヘッドが下りてきていた。

体のパワーで飛ばすスイングは最新ドライバーとも相性が良い!

石川遼スイング

しかし、現在はショートバックスイングとも言えるくらいコンパクトなトップで、コッキングもかなり抑えられています。

だから、トップの手首や右腕の角度をインパクトまでキープしてボールを打っています。首や腕の回転を使わなくなり、体のパワーが必要なスイングになったとも言えます。

だから、トレーニングをして体を鍛えていたりしたのでしょう。フェースの開閉が少ないシャット系のスイングになったメリットとして、コントロール性が良くなり、慣性モーメントが大きい最新ドライバーにもマッチした打ち方になったと思います。

フラットなトップからインサイド・アウト軌道に

石川遼スイング
低いトップから、ダウンスイングでも手元が低い位置を通る。ヘッドがインサイドから下りてきているので、球筋はドロー系。

軸が傾かなくなったことでアッパー軌道がレベルブローに

石川遼スイング

PGAツアーではドライバーでもハンドファーストで飛ばすことがスタンダードになってきていますが、石川選手のスイングもそれに近くなっています。

今年のスイングを見るとインパクトの瞬間には左手首がボールより前にあるので、ハンドファーストでロフトを立ててボールを飛ばしています。どちらかと言えばアイアンに近いスイングです。

石川遼スイング
下半身の動きを抑え、上半身を捻転させることで軸が安定。ダウンスイングでは左腰を早めに回して、ヘッドスピードを上げている。
石川遼スイング

4年前のスイングは迫力はありましたが、インパクトの瞬間には上半身が少し右に傾いていたので、ややアッパー軌道になっていました。インパクトもハンドファーストではなく、ハンドレイト。

4年前のスイングだと打球は高かったかもしれませんが、ボールスピードは最新スイングにしたことで速くなったと思います。

アッパー軌道ではなくなったことで、インパクトはもちろん、フォローでも上半身が傾いていないので軸が真っすぐにキープできています。

石川遼スイング
左右の体重移動が大きい分、ダウンスイング以降は徐々に上半身が右側に傾き、アッパー軌道になっていた。

左手のグリップがフックからウィークに

もう1つ、変わってたのはグリップです。

4年前のアドレスだと左手をストロング(フック)に握っていましたが、今はウィークグリップに近くなった。その狙いとしてはウィークグリップにした方がフェースの開閉を抑えやすくてシャット系に使いやすいからだと思います。




解説:石井忍

石井忍

1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、赤坂、神保町に展開する。

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