ハイハンデゴルファーの共通点
暖かな日が増えるのとリンクして、100切りを目指すレベルのアマチュアや、5回に1回ほど100が切れるというレベルのアマチュアと練習をしたり、ラウンドをしたりする機会が何度かありました。みなさん、ゴルフに向き合う姿勢は真剣そのもので、スイングの研究にも余念がありません。
個性的なスイングの人もいれば、お手本に近いきれいなスイングの人もいましたが、数十人の人たちに共通する点がありました。それは…
「硬い棒をボール目がけて振り下ろす」というようにしか見えない振り方をすること。
誰もが「クラブフェースとボールをきちんと当てたい」「ボールを遠くまで飛ばしたい」と思うもの。ゴルファーなら、この感情は至極当然です。しかし、この想いが強いと「硬い棒を振り下ろす」スイングにならざるを得ず、結果的にミスショットを減らすことができないのです。
しなる物を振る意識があるとクラブの特性を活かすことができる
「ゴルフクラブは硬い棒ではなく、しなる鞭のように振ることがとても重要なんです」
こう話すのは東京・三鷹市の「東京ゴルフスタジオ」のコーチで、トップアマからビギナーまで多くのアマチュアゴルファーの指導にあたる真弓伸仁プロ。
真弓プロ 「なぜ重要かというと、ゴルフクラブはグリップの延長線上に重心が位置しない『偏重心』という道具です。このような道具は偏重心の特性を活かして使うことで、本来の機能を発揮します。そしてそれを発揮するためには、鞭のようにしなる物を振る感覚が必要なのです」
「やわらかでしなる物を振るようにスイングすると、基本的にフェースは自然とターンしてボールがつかまります。また、いわゆる『タメ』が発生します。それとともに、ダウンスイングで早くほどけてしまうことも防げるのでダフりにくくなり、ハンドファーストインパクトへの近道になります」
真弓プロ 「ゴルフクラブのシャフトは『加速装置』なのです。この加速装置のパフォーマンスをきちんと発揮するためには、やはりやわらかく、しなる物を振るようにスイングすることが大切です。
このように振ればシャフトには本来のしなりが生まれて、よりいっそうヘッドを加速してくれます。その結果、飛距離もアップできるのです」
フェース面の向きを変えたくないという意識が、硬い棒を振ることにつながる
真弓プロ 「多くのアマチュアがやわらかく、しなる物のイメージで振ることができないのは、偏重心という重心位置がズレた道具なのに真っすぐに動かして安定させたいという意識があるからです。
簡単に言うと、フェース面をずっとボールに向けていたいという意識です。アドレスしたときのフェース面の向きをできるだけ変えないことが、きちんとミートするための重要ポイントだと思っているので、硬い棒を振るイメージから抜け出せないのです。
あとは、ダウンスイングでフェース面をできるだけ早くボールに向けたいという意識があるせいでもあります。これはいわゆる『合わせる』という動きです」
真弓プロ 「しなる物のイメージとは、言い方をかえると『ふにゃっ』とした物を振るイメージです。このイメージだと、フェース面の向きが変わると思うのが普通です。ボールとフェース面をきちんと当てられない、きちんとミートできないと感じるので、当然しなるイメージは持てなくなるのです」
「しつこいようですが、ゴルフクラブは偏重心です。偏重心はしなる物を振るイメージでスイングして、フェースターンを発生させてボールを打つというのが非常に重要です。そしてシャフトという加速装置も、しなる物のイメージで振ってこそ本来の性能を発揮するのです。
ですのでまずは、『硬い棒を振る』『フェース面をずっとボールに向ける』『合わせる』という意識を捨てることが、ナイスショットにつながるということを頭に入れてほしいと思います」
文・宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。




