上級者向けのイメージがあるシャフト「アルディラ」の新モデル「ROGUE∞」は相変わらずカッコ良くて、少しハードだけど気に入った
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。
今年2月末の話になりますが、「TENSEI」や「Diamana」などのシャフトでおなじみの三菱ケミカルさんから、新製品シャフトのリリースが届いたんですよ。そこには「アルディラ(ALDILA)」ブランドから新しいシャフトが出るってことが書かれていました。アルディラってアメリカのシャフトメーカーだったような?と思ったのですが、実は数年前から三菱ケミカルグループのブランドになっていたようです。アルディラのニューシャフト、いったいどんな性能なのでしょうか?ようやく試打の機会が得られたので、スペック違いを入手してコースで試してみました。
<取材・文・写真提供> ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ
アルディラのシャフトってどうなの?
アルディラといえば、僕は並行輸入物のドライバーに採用されている純正シャフトってイメージをもっていました。アメリカではポピュラーなシャフトで、基本的にあまり仕事をしない、かなりハード目なシャフトって感じですかね。
かなり前に買った並行物のドライバーにスカルマークの入ったアルディラのシャフトが付いていて、結構硬くて使いこなせなかったような思い出があります。デザインはカッコ良かったけど。
んで、今回発売になったのは「ROGUE(ローグ)」シリーズの新作で「ROGUE∞(ローグ インフィニティ)」というもの。
そもそも「ROGUE」というシリーズは、PGAでメジャーを含む年間6勝、世界主要ツアーでトータル70勝以上を達成しているシャフトなんです。いや~これは勉強不足でした。
「ROGUE∞」ってどんなシャフト?
「ROGUE」シリーズは、妥協のない材料選択と究極のエンジニアリングを投入するフラッグシップモデル。超高弾性素材を惜しみなく使用し、トッププレーヤーが求める飛距離と圧倒的な方向安定性を高次元で両立しているシャフトなんですね。
今回の「ROGUE∞」は、シャフト全長方向に対して繊維方向を斜めに配置する層を超高弾性、高弾性カーボンの2層にしてトルクを制御。インパクト時のフェースコントロール性とオフセンターヒットにも負けない安定性を実現しています(「デュアルトルクコア」)。
シャフト全長には超高弾性80トンカーボンファイバーを搭載し、インパクト時の衝撃を受け止め、ブレない弾道を生み出しています。
「ROGUE∞」シリーズは、「ROGUE」ブランド史上最高の飛距離性能と着弾精度を実現。低スピンで強弾道なうえに、従来製品との比較試打テストで飛距離アップとともに着弾地点のブレ幅が狭くなっているということです。
デザインはかなりカッコ良い!
まず見た目ですが、これはもうかなりカッコ良い。全体のベースはブラックで、手元側のマットブラックから先端に行くに連れて光沢のあるブラックになります。そしてロゴがシルバーでプリントされており、そこに差し色でレッドの文字も入れられている。
ロゴの書体も個人的にはとても好きですね~。もうデザインだけで欲しくなるくらい僕は気に入りました。
2種類のスペックを試してみます
今回は(1)「50TS」と(2)「50TX」という2つのフレックスを打ち比べました。
両方ともSとXの前に「T」という文字がついていますが、普通のSとXです。「T」ってつくとだいたい「ツアーS」ってことになって、普通のSとXの間くらいの硬さってことになることが多いんですが、この「ROGUE∞」シリーズは全てのフレックス表記に「T」がついています。これちょっとややこしい。
カタログ数値では「50TS」が60.5gでトルク4.5の中調子。そして「50TX」が61gでトルク4.5の中調子ということなので、数値上は重量が0.5g違うだけなんですね。
ヘッドはPINGのG430 LST、ロフト9度。両方とも45.25インチ(ヒールエンド)で組んでおります。
まずは(1)「50TS」を打ってみました!
50TSを組んでみると、総重量が318g、振動数は259でした。そこまでハードな感じではなさそうですね。見た目はかなりカッコ良いです。
<個人的感想>
● 手元側ではなく、シャフトの真ん中辺りが少ししなる感じ
● タイミングは取りやすい
● 弾道は中高弾道
● スピン量は少なめ
● 飛距離性能はまあまあ高め
打ってみましたが、シャフトの真ん中辺りが少ししなる感じがしますね。手元側はあまりしなる感じではなく、先端はけっこうしっかりしています。高弾性素材を使っているということで、ある程度のハリ感は感じますが、ピンピンした扱いにくさというのはないですね。
中間あたりがクイッとしなる感じがして、インパクトに向けてはそこそこのスピードでヘッドが戻ります。タイミングはけっこう取りやすかったですね。
弾道的には中高弾道で、あまりボールが上がりやすいシャフトではないですね。僕が打つとストレートから軽いフェードといった感じ。コントロールはしやすいので、基本的にフェードヒッターの僕は、ある程度フェードなら思ったように打てます。
ただ、つかまりの良いシャフトではないので僕ではドローは打てません。ドローヒッターの人ならば、左を怖がらずにドローをコントロールできるんじゃないかと思います。
スピンは少なめで、けっこう前に行く強めの球が出ていたので、ランを含めると飛距離性能はまあまあ高いのかなと思います。オフセンターヒットでもフェースがブレる感覚は少ないですね。少しハード目のシャフトかと思いますが、僕はけっこう気に入りました。
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