オールジェンダートイレを設置している全英オープン

日本でも話題になっているトランスジェンダーのトイレ

今年7月、最高裁判所が経済産業省に勤めるトランスジェンダーの女性用トイレの使用制限を認めた国の対応は違法だとする判決を言い渡したことが大きなニュースとなった。

この判決をきっかけに企業や公的機関は、性的マイノリティーへの対応を考えていかなくてはならないという機運が高まっており、オールジェンダートイレ(どんな性別の人でも利用できるトイレのこと)という言葉も日本社会で一般的になってきている。

SDGsでは「ジェンダー平等を実現しよう」という目標が掲げられている。ジェンダー平等とは、男女の平等に加えて、LGBT(性的マイノリティー)が暮らしやすい社会の実現も含まれる。その点でも今後オールジェンダートイレの配置は、日本社会でも進んでいくかもしれない。

時代の最先端をいく 最古のメジャー

全英オープンではオールジェンダートイレを2019年より配置

車椅子用のルート表示。

世界4大メジャーの中でも最古の歴史を誇る全英オープンでは、2019年大会よりオールジェンダートイレを設置している。

今年も設置されていたが、多くのギャラリーが普通に利用していた。さらに車椅子の方向けのトイレの設置などはもちろん、会場までのルートを示す標識などでも車椅子の方が優先的に利用できるルートをなどもある。さらに観戦しているギャラリーにも、車椅子ギャラリーは少なくない。

また、赤ちゃんを連れたファミリーを当たり前のように見かける。全英オープンの会場にいるとSDGsの合言葉でもある「誰一人取り残さない」という社会を実現しようとするうとする姿勢が見えてくる。

サスティナブルな社会実現に向けた最先端の取み

この連載でも紹介したが2019年大会から実施しているのは、脱プラスチックの試み。コース内ではペットボトルを見ることはない。一方でギャラリー向けにはマイボトルが販売されており、会場内の様々な場所に設置されているウォーターサーバーで水を補充。選手も関係者もマイボトルを持参しており、水がなくなった時は各々補充を行う。

また今年からカメラマンのカメラにつけるプラスチック製のタグも廃止。代わりに紙のステッカーに変わった。毎年、進化しているのだ。

今年で151回目を迎えた全英オープン。1860年からの歴史を大事にしながらも、サスティナブルな社会実現に向けた取り組みは世界中のゴルフトーナント、いや、世界中のスポーツイベントの中でも、最先端の取り組みを実施している



北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌(ALBA)編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。