数多くのプロゴルファーを輩出している茨城県笠間市は「スポーツコミッション」を設立！“ゴルフのまち”化が進む
SDGsとゴルフ｜第25回
スポーツコミッションという言葉をご存知だろうか？ゴルフはもちろん、様々なスポーツを活用して、その地域の人々だけではなく、他県や他国の人々も呼びこんで地域活性化を目指していく組織のことだ。
GOLF TODAY本誌 No.614／117ページより
日本でも広がりつつある地域スポーツコミッション
様々なスポーツで地域を活性化する茨城県笠間市
笠間スポーツコミッションの説明資料。地方公共団体、スポーツ団体、民間企業（観光産業、スポーツ産業）等が一体となり、スポーツを通じた持続的なまちづくり・地域活性化に取り組む組織。スポーツ庁が設立や活動を支援していると説明されている。
「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の開催コースである宍戸ヒルズカントリークラブがある笠間市では、ゴルフ以外のスポーツも盛んだ。
プロ野球独立リーグの「茨城アストロプラネッツ」、東京オリンピックから正式種目に採用された3人制バスケのプロチーム「茨城バックボーン」という2つのプロチームがある。さらに、日本最大級のスケートパーク「ムラサキパークかさま」など、様々なスポーツの施設が充実している。
笠間市は2021年にスポーツを生かしたまちづくりを推進するため、新たな公民連携組織として「笠間スポーツコミッション」を設立。今後はスポーツコミッションを中心に、さらにスポーツを通じた地域振興を図っていくと宣言した。
スポーツを通じての地域活性化事例が増加中！
スポーツ庁発足でスポーツコミッション設立の動きが加速
スポーツ庁のホームページには、「地域スポーツコミッション」の設立・活動を支援すると書かれている。
欧米では20世紀後半には根づいていたスポーツコミッション。日本でも1993年のプロサッカーリーグ「Jリーグ」の発足あたりから、スポーツを通じた地域振興への取り組みが行われてきた。なお、スポーツコミッションという名前がついて地域が活動を始めたのは10年ほど前からのようだ。
そして2015年にスポーツ庁が発足。国が率先してスポーツによる「まちづくり」を支援する仕組みができたこともあり、現在全国には177のスポーツコミッションがある。
ゴルフで地域を活性化する動きも増大中
先ほども紹介した笠間市では、「ゴルフのまち」を目指している。
市内の小学校全校にスナッグゴルフセットが寄贈されており、子供の頃からゴルフに触れる環境を整備。その成果が出ているのか、東京オリンピックに出場した畑岡奈紗や星野陸也など、数多くのトップ・プロゴルファーを輩出している。
また、他の地域でもゴルフ場を活用して交流人口増加策を行ったり、旅行者を誘致するいわゆるゴルフを通じたスポーツツーリズムの動きも活性化してきている。
日本にあるゴルフ場数は約2,300。世界第2位か3位の数を誇るこの資産は、ゴルファーの楽しみだけでなく、地域の活性化のためにも活用されようとしている。
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北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌（ALBA）編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。
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