初心者と初級者の境は130?それとも、ゴルフ歴2年以上?

「今日初めて130を切れたから、初級者の仲間入りです」と言われて、なんと返していいのか戸惑いました。頭をフル回転させて、改めて初心者と初級者の境について考えました。明確な基準はなく、曖昧だったなぁと気が付いたのです。

しかし経験的な感覚として、130を切ったら初心者を卒業して初級者にランクアップというのは聞いたこともないですし、ピンと来きません。これを機にいろいろなゴルフ関係者に、初心者と初級者の境について聞いてみました。

スコア120

「120を切ったらじゃない?」
130と大差ないように感じますが、意外なことにこの120というスコアの区切りを口にした人が一番多かったのです。

ゴルフ歴説

「ゴルフ歴が1年以上、いや、2年以上で初級者かな」

ゴルフ歴1年で40ラウンド、ベストスコア82というレベルの若いゴルファーもいますし、ゴルフ歴1年でデビューラウンド以外は練習しかしていないゴルファーもいます。ゴルフ歴説は説得力はありますが、一筋縄ではいかないようです。

他者に迷惑をかけない

「誰にも迷惑をかけずにプレーができるようになったら初級者!」

こんな感じのことを言う人たちが2番目に多かったのですけど、これこそが境目の曖昧さの象徴かもしれないと思いました。重要なことではありますが、ゴルフ歴数十年のオールドゴルファーでも本人の自覚がないだけで、他者に迷惑をかけないゴルフができないまま過ごしている人がいます。これが本当の基準になったら大混乱になります。

中級者と上級者の基準は?誰でも自分は上のクラスだと思いたい?

初心者と初級者の境を調べていたら、自然と中級者と上級者の基準についての話も出てきました。「100を切ったら中級者。90を切ったら上級者」という人が一番多く、もっと厳しい基準だという人も少なくありませんでした。「シングルハンディ以下は上級者、それを目指している人は中級者。そうじゃない人は初級者」

こういう厳しい意見の中に、初心者と初級者の境界についても一家言がある人たちがいました。
「初心者はゴルフを続けようか、と迷いがある人のこと。ゴルフを一生続けると決めた瞬間から初級者にランクアップ」
厳しいのですが、垣間見えるやさしさを感じました

「自分は中級者以上だと思いたい。スコア至上主義ではなく、もっと総合的に判断したいよね」
この意見も、よく耳にしました。良く思われたいという願望は、ゴルフでは往々にしてプラスの原動力になるものです。中級者以上に思われたいからスコアアップに努力し、ゴルファーとしての立ち振る舞いも磨くというシンプルな構造は、古今東西のゴルフという文化の礎だったとも言えます。

総合的な判断というのは曖昧ですが、ありかもしれません。いくつかの条件を出して、そのうちの3個以上当てはまれば中級者以上、みたいな感じです。

(1)スコア、(2)プレースピード、(3)コース保護、(4)仲間の有無、(5)ゴルフ歴、(6)ゴルフ知識などの6項目で考えたら、自己判定もできて面白いと思います。

1周回ってスコアか?ゴルフ歴か?20世紀の呪縛から解放されるのは今なのか?

たくさんの人の話を聞いて、独断と偏見であることは百も承知のうえで、こんな基準が理想だと考えました。

● またゴルフに行きたい、と思えたらゴルフ初心者。
● 迷惑がかからないスコアで回りたいと努力をして、目標を定めるようになったら初級者。
● 時々パーでプレーできるホールもあるようになって、他のメンバーのプレーも観察できるようになったら中級者。
● 初級者の面倒を見たり、中級者からリスペクトされるようなゴルフができて、前後の組まで見える余裕の観察眼があり、言い訳を飲み込んだやせ我慢が自然になったら上級者。

もともと初級者とか中級者というようなレベル分けは、ゴルフクラブを作るメーカーやゴルフショップが売りやすさと購買意欲を刺激するために定着させたという説が有力です。

昭和の頃、ゴルフ用品のカタログには初級者用とか上級者向けなどという表現が当たり前に使われていましたし、初級者用のクラブから中級者用のクラブに替え買えることを目標にして頑張る、というゴルファーもたくさんいました。“90を切ったらホンマ”というコピーに、死ぬ気で挑戦する人も後を絶ちませんでした。

21世紀になってからプロが使用する用具とアマチュアゴルファーが使用する用具の差が縮まって、クラス分けが曖昧になったのです。中級者とか上級者とかそんな言葉は、20世紀から続く呪縛に過ぎないのだという意見もあります。令和の今だからこそ、呪縛から解放されて楽しくゴルフをすればいい、というわけです。

しかし、クラス分けを過去のものにしてしまうのはもったいない、と思うのです。自称するのはカッコ悪いのでやめるべきですが、他の人からの評価であれば中級者、もしくは上級者はかなりシビれる褒め言葉として機能するからです。

評価されたいと頑張ることは自分のゴルフの充実に直結しますから、照れずに精進するのが正解なのだと、強くオススメしたいのです。

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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