「スピーダーNXブラック」「ツアーAD VF」「LIN-Q」打ったのはこの3人

40代・ゴルフサプリ編集部員K

「アイアンは飛ぶのにドライバーが飛ばないスライサー」
● ヘッドスピード:40m/s
● ドライバー平均飛距離:220ヤード

60代・ゴルフサプリ編集部員O

「まだまだ元気。器用に球を打ちこなす還暦おじさん」
● ヘッドスピード:40m/s
● ドライバー平均飛距離:230ヤード

50代・ライターH

「スライスは克服もたまに出るヒッカケが怖い」
● ヘッドスピード:40m/s
● ドライバー平均飛距離:225ヤード

フジクラ/「スピーダーNXブラック」は手打ちもOK!?タイミングがとりやすく球がつかまる

オートマチック感があってタイミングがとりやすい先調子系と噂のスピーダーNXブラック。トルクの位置を変えるバリアブルトルクコアにより手元のトルクをやや緩めたという。また、先端部は走るものの幾分トルクを締めてあるのでヘッドのブレが抑えられる、とも。
ヘッドが走る中調子のNXブルー、まったりとした中調子のNXグリーンと相まってNXシリーズ揃い踏みといったところか。

編集部員K 「打てないかな」って先入観があったけど意外と打てた。

ライターH 私も思ったよりやさしく感じました。

編集部員O 普通に打つと僕には難しかったなあ。何て言うか「ヘッドがついてきすぎる」感じがあって。

ライターH ついてきすぎる???

編集部員O ヘッドの操作性はすごくいいんですよ、手元が硬めで。だけどスイングで打とうとするとシャフトのしなりをキープするのが難しい、と言うのかな。言い換えると、手打ちだとすごく打ちやすい。腕の振りで打つとものすごく打ちやすいんです。そこはもうシャフトがそう作ってあるんでしょうね。

編集部員K シャフトが余計な仕事をしないってこと?

編集部員O いや、ボールをつかまえる方向には動く。つかまえてはくれるけどタメは作ってくれない感じ。

編集部員K 僕はダウンスイングでフェースが開いて下りてくるんだけど、ヘッドがちょっと遅れて下りてくる感じがあった。でもつかまったんですよね。

ライターH 私もつかまってくれる感じはありましたね。

編集部員K それってどういう人に合うのかな?

編集部員O やっぱり僕は手打ちの傾向が強い人に合うと思うな。トップでクロスしたり、手首を使いがちな人でもカバーしてくれる。

編集部員K NXグリーンとの違いは?

編集部員O グリーンの方がたまる。中調子で先があまり動かないから。

ライターH そう言われると、確かに先が動く感じはありましたね。

編集部員O 「ピュッ!」とくるでしょ。

ライターH そうそう。

編集部員O だから、ある意味スピーダーらしい。

ライターH ただ、そんなに安定はしない。振りづらくはないし、当たる時はしっかり当たってくれますけど。

編集部員O 動きがクイックなんでしょうね。

ライターH ということはスイングに、そこそこ安定感があれば球をつかまえてくれるので飛距離は延びる。

編集部員O そういうことでしょうね。

編集部員K 僕は元々スピーダーが合わない人間なのかと思っていましたが、ブラックは当たったんですよね。タイミングがとれたというか。でも手元が硬いのかぁ…。じゃあやっぱり無理なのかな。元調子じゃないとシャフトがたまってくれないので。手打ちで打っていたってことかな。

ライターH でも、結果が悪くないならアリだとは思いますよ。

「スピーダーNXブラック」を打ったクラブフィッター・オグさんの見解

「シャフト全体がしなりますが、インパクト近辺では先端がしなる。球際でしっかり仕事をしてくれるシャフトだと思います。大型ヘッドを使っているけれど、振り遅れて右に飛ぶ傾向のある人にはいいモデル。どんなヘッドでもその性能を引き出してくれるのが特徴で、特に大型ヘッドには汎用性が高いと思います」

ーー黒のマット系というコスメも手伝って、しっかりした感じの第一印象だったが、打ってみるとオートマチック感が強かった。先端部は走るけれど、走りすぎて暴れる感じはなし。

テストしたプロからも悪い印象がなく、すぐに実戦投入するパターンも多いそうだ。

グラファイトデザイン「ツアーAD VF」はクセがなく守備範囲も広い優等生シャフト

松山英樹、中島啓太ら多くのプロが愛用するツアーAD。前作の「CQ」はインパクトに向かって加速する先調子系でつかまるモデルだったが、「VF」は少し粘りがあって、つかまりすぎなくなっているという。構造的には粘り系でなので、ある程度ヘッドスピードがあるゴルファーにフィットするということだが…。

ライターH これはすごく振りやすかった!自分にはハードル高めの印象が強かったツアーADだったのが、いきなり身近に感じました。

編集部員O クセがないよね。メーカーさんは元調子系と言ってますけど全然そんな感じがなくて、すごく素直に動く。

ライターH シャフトが勝手に何かをやっている感じが全くありませんでした。

編集部員O 確かにないですね。

編集部員K 元々クセのないシャフト?グラファイトさんによると、ちょっと粘る系に振ったという話でしたが。

編集部員O そうだとしてもすごくニュートラルな感じ。超中調子に感じます。そもそもは中元なんだけど、先が硬すぎないのがいいのかもしれない。元調子系だと先が全然動かないシャフトもあるけど、それとは違うから素直なんでしょうね。

ライターH やたらと硬い感じもなかったですよ。

編集部員O ちゃんと球が浮いてくれるし、適度につかまってくれるし。

編集部員K どういう人に向くと思います?

ライターH 結構幅広く使えそうだと思いますね。

編集部員O 守備範囲は広いですね。スライサー以外は誰でもイケるんじゃないかな。さすがにつかまりはそれほどないので。

ライターH つかまるヘッドだったら、スライサーでもイケると思いますよ。

編集部員O そういう意味ではヘッドなりなんじゃないかな。挙動が素直なぶん、ヘッドの性能を引き出しやすい。そういう感じはある。

編集部員K スイングを作るにはいいかもしれませんね。

編集部員O そうね、ちゃんと振った時にそれが結果として出るから。

編集部員K プロだと中島啓太、永野竜太郎、全美貞とか、たくさんテストしていますね。

編集部員O  みんなクセがないスイングの選手だから、やっぱり振ったなりなんでしょうね。

ライターH 私は欲しくなりました。ツアーADとか刺してるのカッコいいし。

「ツアーAD VF」を打ったクラブフィッター・オグさんの見解

「“古き良き手元調子”というのが僕の印象です。手元のしなりを感じますが、中間は動かないので叩いても左に飛びづらい。つかまりやすいけれどインパクトでアジャストしてくれるので左に行き過ぎないシャフトです。もちろん右にも飛びづらい。ピーキーさはないので打ち手を選ばない粘り系と言えそうです」

ーー傾向的には深く厚いインパクトができるユーザーにハマりやすいということ。
「切り返しで適度にしなってタイミングがとりやすい。一振りでイケると思ったので使い始めました」とは夏から実戦投入している永野竜太郎。中島啓太は「振りやすいのに叩ける感じもあるところがいいですね。ヘッドが走ってくれる感じはCQと共通していて違和感はありません」と言うように、かなり使い勝手が良さそう。

「ツアーAD=難しい」という印象がある人は一度試してみるべし!

UST Mamiya「LIN-Q BLUE EX」はハードスペックながらもしなやかで打ちやすい

アッタスシリーズの後継モデルではなく、まったく新しいブランドの「LIN-Q」。PGAツアーではリッキー・ファウラーやコーリー・コナーズが米国仕様で結果を出している。もっぱら中元調子でしっかり感があるとの評判で、日本でテストしたプロからも「しっかりしていて叩ける」、「硬めで強い球が出る」というインプレッションが多いという。

編集部員K 僕は振りやすかったです。

ライターH 前評判からしてちょっと警戒していましたけど、私も意外と打てました。

編集部員O 僕は今日は当たった。以前に振った時は全然当たらなかったのに。まあ、それはそれとして、今回の中では一番手元しなりだと感じた。初めて振った時には切り返しでヘッドが行方不明になってたから。だからすごいタマるんだと思う。

ライターH USモデルってことで、ハードなイメージがありますが。

編集部員K 女子プロもテストしていたって聞きましたけど。

編集部員O 実戦に投入するかはさておき、女子プロでも元調子のシャフトを使っている人はいる。でも、マミヤを使っている人はV2タイプで手元が硬めで、あまり手元調子じゃない。前のジ・アッタスも手元は硬かったからね。V2の方が先の動きが少ない。手元が硬いので、タマりすぎないがゆえに操作性がいい。

ライターH 確かにこれなら速く振れると思いました。振りやすいのが一番。なんでだと思います?

編集部員O タマってくれるんでしょ。逆に自分で何かしようとするとタマりすぎるかもしれない。

ライターH 言われているほどハードスペックじゃない気がしました。

編集部員O それが一番当たってると思う。他メーカーも含め、USモデルの中では一番しなやかで親しみやすいかもしれない。

編集部員K USって棒みたいなイメージしかないですけど。

編集部員O これは棒じゃない。

編集部員K どういう人にいいんでしょうね?

編集部員O これは打ち出しが低くてロースピン。LIN-Qはタイプを打ち出しで分けているんですよ。ハイロンチ、ミドルロンチ、ローロンチで、これはローロンチ。インパクトロフトはつきにくい。

ライターH 確かに上がりやすくはかったです。

編集部員K でも中弾道で気持ちよかった。

編集部員O 自分でちょっと上げに行かないと球は低めになる。インパクトロフトが寝過ぎない。そこが一番の特徴かもしれないね。

編集部員K ロー、ハイのシャフトサイドの調整はどうしているのかな?

編集部員O 真ん中から先の動きでしょう。そこのしなりを増やすとインパクトロフトが寝てくるから。簡単に言えばキックポイントを変えているんでしょうね。でも、せっかく最後にアメリカものが出てくるんだから、3つのバージョンが見たいよね。アメリカではあるわけだから。いずれにしてもちょっとトリッキーなところがあるんだよね。「ヘッドがなくなった!」と思ってリリースすると左に行っちゃう。

編集部員K 僕はヘッドがなくなろうがなくなるまいがわからない。インパクトのみですから。

編集部員O 自分が元調子系が苦手だからかもしれないけど、今回打ったシャフトの中では一番表現しづらいね。

「LIN-Q BLUE EX」を打ったクラブフィッター・オグさんの見解

剛性の高い、振りにいくゴルファー系のシャフトだと思います。低スピンなので、振り方によってはドロップすることも考えられます。US系のハードスペックですが、ヘッドスピード43m/sあれば6Sくらいは打てるはず。それ以下の人でも5Rなどスペックによってはアマチュアにも使えます。

今回試打をした3つのモデルをトータルで考えるとどれも大型ヘッド向きのシャフトです。その大型ヘッド向きシャフトの中で、「LIN-Q」はつかまり系の部類に入ります。

ーーメーカーによれば、手元に新素材のQファイバーコアを入れ、手元側のしなりを細かく調整したとのこと。パワーが効率よく伝わり、当たり負けしない分厚いインパクトが得られるメリットがあるそうだ。加えておくと左には行きづらい。また、右に抜けたかな、と思った球も意外と曲がらず、ミスによる飛距離ロスも減っていた。

解説者

小倉勇人
1978年生まれ。スイング&クラブアドバイザー。「ユニオンゴルフクラブ」(千葉県)で「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」の店長を務めゴルフライターとしても活躍。


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