「フライヤー=飛び過ぎ」だけじゃない!? 実はフライヤーにはいくつかのタイプがあるんです
ラフから打つ場合、多くの人が「フライヤーして、飛び過ぎる」と思っています。でもそれって、100切りを目指すレベルのボクらにも当てはまることなのでしょうか?それとも、プロや上級者レベルの人に限ったことなのでしょうか?そこでフライヤーについて、重田栄作プロに聞きました。
フライヤー=飛び過ぎと認識されているけれど、この考えで合ってますか?
ファーストカットからのセカンドショット。ピンまでは150ヤード。手にしたアイアンは6番。なんのためらいもなく振り抜いた。手応えは悪くない。打ち出されたボールはグリーンに向かって飛んでいる。(ピンに絡め…)と心で呟いて放物線を見つめる。次の瞬間、「えっ!」と思わず声が出る。
ボールの着弾地点はピンより奥で、着弾後、コロがったボールはグリーン奥のラフで止まった。「これってもしかして、フライヤー?」ラフからのショットが思った以上に飛んでしまうと、たいていの人が「フライヤーした」などと言います。
● フライヤー=飛び過ぎること、と一般的に認識されている
プロのトーナメントをテレビ観戦していると、解説者が「フライヤーしましたね」などと言っているので、ラフからのショットは「飛び過ぎに注意」と思っているアマチュアゴルファーも少なくないでしょう。
では、ラフから打つときは常にフライヤーを警戒して、番手をひとつ落とすなどの対策をとるべきなのでしょうか?
フライヤーにはタイプ1とタイプ2があり、100切りレベルはタイプ2を警戒しよう
「実はフライヤーにはいくつかのタイプがあるんです。みなさんがよく知っている、ラフからのショットが思った以上に飛んでしまうのもフライヤーなのですが、飛び過ぎてしまうというよりもノースピンで飛んで行くというのもフライヤーなんです」
こう話すのは狭間世代の人気女子プロ・鶴岡果恋のコーチであり、関東ゴルフ連盟チームKGAジュニア技術担当ヘッドコーチを務める重田栄作プロ。
重田プロ 「ラフからのショットが飛び過ぎるのをフライヤータイプ1とすると、このタイプのフライヤーは男女ともドライバーのヘッドスピードが最低でも41m/s以上ないとまず起こりません。ヘッドスピードが遅い人はヘッドが芝の抵抗に負けてしまうので、逆に飛距離をロスします。ですので、番手を落とすようなことは不要。ライにもよりますが、打てるのであれば飛距離のロスを考えて、番手を上げたほうがいいでしょう」
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重田プロ 「ノースピンで飛んで行くのが、フライヤータイプ2です。タイプ2はドライバーのヘッドスピードが35m/sでも起こります。ヘッドスピードが遅くても起こるので、アプローチショットでもタイプ2は起こるのです。
例えばグリーン周りのラフからのアプローチ。うまく打てたのにノースピンで飛んで行くので、着弾してからコロコロ転がって思ったところで止まらない。こういうケースがタイプ2のフライヤーです。
何度も言いますが、タイプ2はヘッドスピードが遅くてもフライヤーするので、100切りレベルの人でもアプローチショットでは起こる可能性があるわけです。ですので、いわゆるアベレージゴルファーは飛び過ぎるフライヤーよりも、アプローチでも起こるノースピン系フライヤーに注意したほうがいいでしょう」
原英莉花のアイアンスイング(ラフからのアプローチ)連続写真【2021年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ】
原英莉花のアイアンスイング(ラフからのアプローチ)連続写真。 写真/相田克己
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