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100切りゴルファー必見! トラブルショットでは安全脱出を第一に考えてスコアロスを防ぐ!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第12回

2022/07/02 ゴルフサプリ編集部

ラウンド中にトラブルはつきもの。ラフやフェアウェイバンカーからのショット、それにボールを林の中に打ち込んでしまったときなど大叩きピンチが次から次へと押し寄せてくる。「ピンチを招いても慌てないで、スコアロスをなるべく少なく抑えることを第一に考えましょう」と中村英美。今回はトラブルからの脱出のポイントをレッスンする。

トラブルショットでは安全脱出を第一に考えてスコアロスを防ぐ!

ラフにボール沈んでいたら長いクラブは絶対に持たない

ボールを曲げてフェアウェイを外したときは大抵ラフにつかまります。このラフは結構曲者で、特に夏場のコースのラフは厄介です。ボールが見えているから打てそうに思えてもインパクト時の抵抗が予想以上に強くてクラブを振り抜けないことがよくあります。ラフからのショットでは、まずボールの沈み具合をよく確認しましょう。ボールがラフに浮いていればフェアウェイウッドやユーティリティなど長いクラブも使えます。ボールをティアップした状態に近いので上から鋭角に打ち込まず、横から払うイメージで打ちましょう。

ラフからのショットは姿勢を低くして、ボールの沈み具合をよく確認しよう。

ボールが半分くらい沈んでいるときは7番アイアンよりも短いクラブを選択します。半分以上沈んでいたらウェッジで脱出させることを優先しましょう。クラブを短く持ち、トップとフィニッシュを小さめに抑えてコンパクトにスイングしてください。この場合はグリーンまでが遠くても距離を出すことは考えないこと。ラフはロフト角の少ないクラブほど、そして力を入れてスイングするほどインパクト時の抵抗力が強まり、ボールがまったくといっていいほど飛ばなくなります。ショット前にボールの近くで素振りを数回繰り返してラフの抵抗の強さをチェックするのも大事なルーティンです。

ボールが浮いていれば基本的にどんなクラブも使えるが、上から打ち込まないようにしよう。
ボールが半分以上沈んでいたらインパクトの抵抗が強いのでウェッジで脱出させることを第一に考える。
クラブを短く持つこともラフ対策の大事なポイントだ。
飛ばそうとしないでコンパクトなトップへと振り上げる。
余力を残したスイングでコンパクトなフィニッシュへと振り抜こう。

フェアウェイバンカーは左足だけを深く埋めて構えよう

ボールがフェアウェイバンカーにつかまったときも、その場から安全に脱出させることを第一に考えましょう。残りの距離で使うクラブを選択するのは危険です。グリーンの方向を見たとき、フェアウェイバンカーのアゴがやや高ければウェッジなどロフト角の多いクラブでしっかり高さを出すことが大切。フェアウェイバンカーのアゴが低くても7番アイアン以下のクラブがオススメです。

フェアウェイバンカーではアゴの高さにも十分目を向けよう。

アドレスでは下半身を安定させるために両足を深く埋める人が多いことと思いますが、深く埋めるのは左足だけにしましょう。そうすると左足体重で構えるイメージが強調されてボールを上からとらえやすくなり、脱出成功率がアップします。鋭角に打ち込みすぎて上体が突っ込んだり、ボールをすくい上げようとして左半身が伸び上がったりしては大ダフリやチョロの結果となり、折角のアドレスの工夫が水の泡です。アドレスの両ヒザの高さをキープできるくらいのコンパクトな振り幅でスイングしましょう。

左足を右足よりも深く埋めて構えるだけで脱出成功率がアップする。
鋭角に打ち込みすぎたり(左)しゃくり上げたり(右)するのはNG。
アドレスの両ヒザの高さをスイング中もキープしよう。
足場を固定してコンパクトに振ればボールを正確にとらえやすい。

林の中からの脱出は5番ウッドの積極活用がオススメ

ティショットを大きく曲げてしまい、ボールは林の中へ。OBまで行かなかったとしても、ラフやフェアウェイバンカー以上の大ピンチです。そんなときはティショットのミスを挽回しようとして無理にグリーン方向を狙うのはあまりにもリスクが大きすぎます。前方の木が障害になったり、木と木の間のスペースが狭かったりして林からの脱出に失敗して大叩きにつながります。

狭いスペースからグリーン方向を狙うのは避けよう。

ここは広いスペースからフェアウェイに戻して、次のショットでグリーンを狙う作戦を立てましょう。1打損したような気分になるかもしれませんが、「1打を払って3打目勝負」という考え方が実はスコアロスを食い止めてくれるのです。ただしフェアウェイに出すだけでいいと安易に打ってはいけません。ウェッジでちょこんと当てただけでは距離があまり出ずに先のラフに止まったり、フェアウェイまで届かずに次のショットでグリーン方向が狙えなかったりしては1打を払って脱出させた意味がありません。

広いスペースからフェアウェイに戻して3打目でグリーンを狙うのがベスト。

林から出すときは5番ウッドやユーティリティ、7番アイアンの3本を用意しますが、私がオススメしたいのは5番ウッドでボールを低くコロがすこと。7番アイアンなどではボールが上がりすぎて前方の木の枝に当たってしまうケースがよくありますが、5番ウッドなら低く打ち出せますし、小さいスイングでも40〜50ヤードくらいのキャリーを簡単に出せます。クラブを短く持って、アプローチのつもりでスイングするだけでOK。5番ウッドならソールが幅広いので、土がむき出しの場所などライが悪くてもソールが滑りやすく、スムーズに振り抜けます。5番ウッドを持っていない人でしたらユーティリティを活用しましょう。

林からの脱出には5番ウッド、ユーティリティ、7番アイアンの3本を用意するが、5番ウッドが使える場面が案外多い。
クラブを短く持ち、アプローチのつもりで小さめにバックスイング。
ソールを滑らせるイメージでフォロースルーを出していくのがコツ。

〈まとめ〉
・ラフはボールの沈み具合を最初に確認する
・ボールが沈んでいたら短いクラブを選択
・フェアウェイバンカーは左足を深く埋めて構える
・バンカーのアゴの高さを見て使うクラブを決める
・林の中から脱出は安全確実なルートを見極める
・5番ウッドやUTで低い球を打つのも有効

林の中からの安全脱出には5番ウッドが強い味方になってくれる!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。22年はPGAアワード賞の最優秀賞に輝いた。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」


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