アプローチのミスは「ボール2個打ち練習」でアッという間に解決! ボールを上げようとするからトップする!
兼濱開人が解決してきた『生徒さんからの相談が多いゴルフの悩み』Case:03
ボールはグリーン手前の花道の絶好のポジション。ところがアプローチでトップしてしまい、ボールが勢いよく飛んでグリーンオーバー。返しのアプローチもまたトップして、元の場所の近くに戻ってしまった。トップが止まらないとグリーン周りを右往左往してしまうハメに。そんなゴルファーの悩みを兼濱開人コーチが解決。
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/学芸大ゴルフスタジオ
アプローチのトップ病が「ボール2個打ち練習」でアッという間に直った!
上げようとしてスイング軌道の最下点が手前にズレるとトップが出やすい
アプローチのトップはアイアンショットでダフリがよく出るというゴルファーに多く見られます。自分でボールを上げようとして、すくい打ちになっているからで症状的にはよく似ています。
「フェースの面に当てればボールが上がる」という思い込みから、フェース面をボールに合わせるような動きとなり、ダウンスイングで手首をほどくリリースのタイミングが早くなってクラブヘッドが芝に早く接地してしまいます。
スイング軌道の最下点がボールよりもかなり手前側となるので厳密にはダフリですが、小さめのスイングで打つアプローチの場合は手前の芝をこすった後にクラブヘッドが跳ね返って上昇します。そのためにフェースの刃の部分がボールに直接当たって低く飛んでいくトップが出やすくなるのです。
インパクトの手前から右手首が手のヒラ側に折れてしまう動きをフリップといいますが、トップが止まらないゴルファーは大抵フリップの癖がついてしまっています。
ボール2個打ちの練習で正しいインパクトの打感を体感しよう
トップして「アレッ、上がらないな?」と思って余計に上げようとしてはスイング軌道の最下点がますます手前側にズレて、ボールにまったく当たらなくなってしまいます。
トップを直すにはスイング軌道の最下点を修正することが一番のポイント。そこでボールの左にもう1個のボールを並べて2個のボールを同時に打つ練習をしましょう。
ボールを1個しか置かないと「このボールだけをキレイに当てよう」と思う人でも2個並べれば左側のボールまでエネルギーを使わないといけないのでスイング軌道の最下点が自然に左側にズレてきます。
この練習では2個ともきちんと同じ高さに上がることはほとんどありませんが、正しいインパクトの打感がつかめます。
フェース面に当てればボールが上がるということではなく、クラブヘッドを上から入れてスイング軌道の最下点でとらえればクラブのロフト角どおりに上がってくれます。
自分で上げようとするほどトップになりやすい。クラブのロフト角に任せればボールが勝手に上がる。つまり「クラブに仕事をさせる」ことが重要なのです。
トップのミスが減ってきたなと思ったら、2個のボールの間隔をもう少し広げて練習しましょう。左側のボールも確実にヒットするには、右手首の角度を絶対に手のヒラ側に折らないように注意。逆に甲側に少し折り曲げておくのがベストです。
これでインパクトゾーンが長くなり、トップ防止はもちろんアプローチのレベルアップに役立ちます。コースでもボール2個打ちの練習で覚えた感覚を大事にすればピンの近くに寄る回数が増えてくるはずです。
兼濱開人
かねはま・かいと
1990年9月11日生まれ、沖縄県出身。ジュニア時代から各大会で活躍。現在は学芸大ゴルフスタジオ(目黒区)のヘッドコーチとして多くのアマチュアレッスンを行う。整体師としての知識を駆使したカラダにやさしい生涯スイングの指導が定評。飛ばしを追求し、19年のドラコン大会で平均329ヤードを記録して優勝した経験を持つ。
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