「アイアンはダウンブローに打たなきゃダメ」の思い込みは危険!? 今どきアイアンの選び方
石井良介のゴルフ・すべらない話:第8回
“試打る人”・石井良介。最新クラブを試打し、コメントするカリスマ・試打職人として知られる。だが、石井良介は試打職人である前に、ティーチングプロであり、ゴルフが大好きな一人の人間である。石井良介は、普段どんなことを考えているのか、あんなことやこんなことに対してどう思っているのか。試打記事では見えてこない、石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」をどうぞ。第8回のテーマは「アイアン選びに役立つ話」です。
写真/ゴルフサプリ編集部
ビギナーやリスタート派にはちょっと操作できるアイアンがおすすめ
編集担当さんにいきなり「ゴルフ用具の中で一番好きなのはなに?」と聞かれました。なんでそんなこと聞くの? と思いながらも「自分はなにが好きなんだろう」と考え込んでしまいました。最近はスタジオCGAさんというショップさんと一緒にオリジナルのウエッジを作っていたので、ウエッジのことを考える時間が長かったけど、好きというより目の前の課題をやっていた感じ。好きと言うならドライバーもアイアンも好きだしなぁ……。
そこで、ふと思ったのはロングアイアンに憧れがあること。これも好きとはちょっとニュアンスが違うけれど、タイガー・ウッズやミンウ・リーのすごいロングアイアンショットを見るとカッコいいと思う。古くはオラサバルがマスターズを勝った時に18番で打った糸を引くようなロングアイアン、生で見たのは宍戸ヒルズのツアー選手権で伊沢利光さんが4番か5番アイアンでベタピンにつけたショットなど、ロングアイアンに感動していたのを思い出しました。こんなことを言うと知り合いから「じゃあユーティリティなんか使うなよ」と言われそうですが……。
さて、前置きが長くなりましたが、ロングアイアンの話が出たところで今回はアイアンについて、特にこれから本格的にゴルフを始める、あるいはブランクがあるけど再始動したリターンゴルファーに役立つアイアンの周辺情報をお伝えしたいと思います。
昨今はロフトが立った飛び系アイアンやマッスルバック、中空など様々なヘッドがありますが、おすすめなのは大型キャビティにしろ、中空にしろ、寛容性があってストライクゾーンが広いアイアンです。自分の感覚でいいので、ヘッドの大きさが小さすぎず大きすぎないもの。そしてロフトがそれなりにあるものを使うべきでしょう。
ロフトが立ったアイアンは飛びますが、僕はボールがロフトに乗って浮くのを知ることがゴルフにとってすごく重要だと考えています。なぜならロフトに乗せてボールに回転をかけるのが、球技たるゴルフの大きなキモだから。いわゆるスピンコントロールを味わえるアイアンがいい。マッスルバックほどの操作性はなくてもいいけれど、全く操作できないワンパターンのアイアンより、フェースを開いたり閉じたりして、ちょっとアレンジできるくらいの方がアイアンの奥深さがわかって楽しめると思うのです。
その際には重さも気にした方がいい。お父さんや先輩から譲ってもらったアイアンでゴルフを始める人も多いですが、その場合、最近は軽めのクラブを使うことになる傾向があります。軟鉄鍛造のマッスルバックしかなかった時代は、否応なく重いクラブでスイングを作らなければなりませんでしたが、軽いよりはちょっと重めの方が、結果的に長持ちするスイングができると思います。
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