ヘッドの重いモデルは、海外メーカーに多い
皆さんは、「ヘッドが重たいほうが飛ぶ」という話を聞いたことはありますか。ゴルフ業界ではたびたび話題になるのですが、クラブとしてのバランスや個体差など様々な条件が複雑に絡み合うため、まったく同じ条件での比較検証が難しく、なかなか明確な答えが世に出てこない論題のひとつです。
現在のゴルフクラブは全体的に軽量化するのが主流で、軽くしてヘッドスピードを高め、飛距離を稼ぐといった方向に向いています。
その傾向は日本を中心とした市場に強く見られ、世界的にも徐々にですが軽量化の流れがきているようです。しかし、クラブ全体を軽量化したモデルのヘッドはともかく、ヘッドのみの重量を見てみると、300グラム前後の重量を持つモデルは軽くなっていないどころか、一部のモデルは重くなっているケースもあります。特に海外メーカーのヘッドは、軒並み200グラムを超える重さに設計されていることが多いですね
物理的に見れば、やっぱり重いほうが飛ばしには有利
物理の法則に従って考えれば、ヘッドは重たいほうが飛ばしには有利です。同じ速度で物体同士が衝突した場合、重たい物体のほうがエネルギーが大きくなるという原理の通り、同じヘッドスピードで振れるのであれば、より大きなエネルギーが生まれる重たいヘッドのほうが飛ばせる可能性は高いのです。
ただし、あくまでも“同じヘッドスピードで振れるのであれば”です。ヘッドが重くなるとスイングウェイト、いわゆるバランス(D1とかD3といったヘッドの効き具合を示すもの)が極端化しやすくなります。重いヘッドは飛ばしに有効だけれどもクラブとしての個性が強まり、それなりの慣れが必要になるため、一般化しないというのが現状なのでしょう。
特に日本にはスイングウェイトを気にするゴルファーが多く、その数値だけを見て「ハードだ」と感じる傾向にあるため、敬遠されがちです。
しかし前述した通り、海外メーカーのモデルのヘッドは大体、重ヘッドです。事実、バランスも海外ブランドのものほうが大きめに設定されていることが多いです。とはいえ、使用しているゴルファーからヘッドが重くて振れないといった話はほとんど聞きません。
実は多少の振りにくさを感じているのかもしれませんが、メーカーは重ヘッドだということはわざわざ公表していませんからね。ヘッドの重さ以外の部分に、振りにくさを感じているだけなのかもしれません。重ヘッド、クラブの軽量化、どちらも飛距離アップを中心とした性能を向上させるための、アプローチの方法です。
現在はクラブの軽量化が優勢といった流れですが、クラブの軽量化にもデメリットはあります。あえてここではお伝えしませんが、重ヘッドのバランスが大きいことによるクラブの個性を、”つるしのクラブ”としてもう少し薄めることができれば重ヘッドが主流になるかもしれません。
重ヘッドを生かすには、カウンターバランスが有効
実は、私は重ヘッドを愛用しています。ウェイトでさらに重くして207グラムというかなり重めの設定にして、それを振りやすくするためにカウンターウェイトを装着したシャフトを使用、バランスが出すぎないようにしています。
重ヘッドは、バランスが強く出てしまうことがひとつの問題点なので、現状よりも軽めのシャフトを装着し、その分の重量をグリップ側に持ってくれば、重ヘッドでもバランスが出すぎない、振り切りやすいクラブに仕上げることができます。
重めのグリップを装着するだけでも軽いカウンターバランスにはなりますが、総重量が増えてしまうため、軽めのシャフトと組み合わせるのがいいでしょう。また、重ヘッドはスイング中にシャフトに負荷がかかりやすくなるので、一段階硬めのフレックスを選ぶのもいいと思います。
飛ばしに特化するクラブを作るなら、重ヘッドは非常に有効な手段です。ヘッドが重くなることによるデメリットをうまく軽減できれば、安定したクラブを作ることができますよ!
■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。




