キャロウェイの新ボール「クロム ツアー」を女子開幕戦の地、沖縄で編集Sが試打テスト!「風に強くて飛んで止まるボール」とはこれなのかもしれない!
キャロウェイから新しいボール、「クロム ツアー」シリーズが登場した。いち早くトーナメントが開幕したアメリカでは、すでにプロたちがシフトしている。いったいどんなボールなのか。ゴルフサプリ編集部員が風の影響が強い沖縄で試打テストしてみた。
みなさんのボール選びの基準は?
新旧含めると、ゴルフボールの種類は多く、本当に星の数ほどあるのではないかと思ってしまうくらい多い。選び方も難しく、僕たち一般のゴルファーにはテストしながらラウンドする機会なんて、ほぼないと言っていいだろう。
昨年、夏くらいにボールを変えた。キャロウェイの「E・R・C SOFT」だ。それまでいわゆる「スピン系」、それも軟らかいほうを使っていた。理由はドライバーのスピン量が少ないため、少しスピンが入ったほうがドライバーが飛んでいるからだ。ドライバーで飛ばしたいなら、ディスタンス系のボールを使えば? と思われるかもしれないがアプローチとパッティングでのふわっとした打感が嫌でスピン系を選んでいた。
そんな理由でスピン系を選んでいたのに、なぜ「E・R・C SOFT」にしたのか? 単刀直入にいって飛びだ。ドライバーは先ほど述べたようにスピン量が少ないせいかそれほど飛距離アップしなかったのだが、アイアンの飛距離が秀逸。1番手近く飛距離が伸びた。これが変えた理由。
自分がボールを変えてから、ゴルフ仲間にも「E・R・C SOFT」をすすめている。みんな、初めて使ったときは必ずグリーンをオーバーして首をかしげているので、飛ぶことは間違いないと思う。スピンはかからないわけではないが「スピン系」と比べるとさすがにかからない。これはウェッジをもう1本増やすことで解決させた。
アプローチの打感は好きじゃないが、それが許せるほど飛びが魅力的だった。そして「E・R・C SOFT」はエースボールになった。
風が強い沖縄でラウンドテスト
そして今回の試打は日本女子ツアー開幕戦と同じ沖縄で行った。風に強いと噂の「クロム ツアー」シリーズにはうってつけの舞台だ。
いくらニューモデルのボールとはいえ、悩んだ末に決めた「E・R・C SOFT」に勝てるはずがない、そう思ってテストを開始。まずはゴールドのパッケージ「クロム ツアー」を使ってラウンドすることに。
打感は芯のある軟らかさ、久しぶりに使う「ツアーボール」はやはり心地よい。
ドライバーはややスピンが入るため、「E・R・C SOFT」を使った時より少し飛ぶ感じがした。これは先ほど言った私のゴルフボール「あるある」で、ドライバー使用時のスピン量が少ないため、ドライバーではディスタンス系よりスピン系のほうが飛ぶ。
それよりも注目しているのはアイアンショット。さすがに「E・R・C SOFT」ばりの飛距離は出せないだろうと、はっきり言って期待せずに打ったところ……、
「え!? 『E・R・C SOFT』と同じくらい、飛ぶ……」
それよりもパー3でアゲンストが多かったのだが、番手を上げるとオーバーした。風に強いのは本当だった。何ホールか使ってみたが間違いなく飛んでいる。「E・R・C SOFT」使用時と同じ番手で打てていた。違いといえばピッチマーク付近にボールが止まっていることくらい。
「このボールいい!」
9ホール終了した時点で「クロム ツアー」は早くも私のエースボールになっていた(笑)。お気に入りだ!
「2024年のエースボール、これで決定です。もう打ちません」
え!? 「クロム ツアー X」のほうがスピンが多い?
新エースボール「クロム ツアー」との関係を築き、残りのホールで煮詰めようとしていると、そこでキャロウェイゴルフの担当者から衝撃のひと言が……。
「ドライバーでスピン量が多めなのは『クロム ツアー X』のほうですよ」と。
「え? 多めなのが『クロム ツアー』じゃないの?」
打つ前に商品説明はちゃんと聞かなければならない。これもボール選びあるあるで軟らかそうに見えるボールを勝手にスピンが多いと思ってしまう。「X」じゃないほうが軟らかくスピンが多いと思ってしまう。勝手な先入観だ。
ここでちゃんと商品を説明しておこう。
「クロム ソフト X LS」の後継が「クロム ツアー」
「クロム ツアー」は飛距離性能とグリーン周りでのスピン性能を高い次元で両立した「クロム ソフト X LS」の後継ボール。ここがポイント、「X」がついてないからといって「クロム ソフト」ではなく「クロム ソフト X LS」の後継だ。打ち出しのスピン量を抑え、飛距離性能に重点を置いている。打感は「クロム ツアー X」と「クロム ソフト」の中間となっている。
しっかりした打感の「クロム ツアー X」
「クロム ツアー X」は「クロム ソフト X」の後継モデル。「クロム ツアー」と同じく飛距離性能とグリーン周りでのスピン性能を高い次元で両立。「クロム ソフト X」の後継モデルで、とてもソフトなフィーリングのなかに、しっかりとした手応えがある。打感はどのモデルも軟らかいのだが、非常に細かく分ければ、いちばんカッチリとしている。
両ボールに共通するのがバージョンアップしたキャロウェイ独自の「ヘックス・エアロネットワーク パターン」。「シームレス・ツアーエアロ」と名づけられたこのパターン。六角形のパターンのなかに、複数の円形が採用されている。六角形だけじゃなくなったのだ。
このニューパターンにより、とくに風に影響されやすい落ち際で、風に負けることなく自分の狙いたい距離を狙っていけるそうだ。
そういうわけで後半は、「クロム ツアー X」を使ってラウンド。いきなりのナイスショットだ。230ヤードをラクラク超えた。いつもはいくら振っても220ヤードしかいかないのに……。
ちなみに使用ドライバーはというと「パラダイム トリプルダイヤモンド」10.5度。「カチャカチャ」でプラス2度にしてある。自分ではボールがちゃんと上がっているつもりだったが、「クロム ツアー」使った時は、まだスピンが足りていなかったかもしれない。とくに打ち方は変えていないのに飛んだ。
後日、GPSウォッチ「ガーミン」のデータを見ると268ヤードだった……すごすぎる!
アゲンスト気味だったパー3、番手を上げて打ったらグリーンをオーバーした……。こちらも風の影響を受けにくい。
後日、GPSウォッチのデータを見ると、めちゃくちゃ飛んでいた
スピン系で飛んで止まるボール
もう完全に心は「クロム ツアー X」に奪われている。
ショートゲームでのスピンの入り方、パッティング時のカチッとした感じはさすがはプロ使用ボール。しっかりと止まってくれるし、上級者なら敢えてスピンを入れたり、幅広い攻めができるだろう。
一般アマチュアゴルファーのゴルフボール選びは「少ない年間ラウンド数の中の1ラウンドで使う人にどれだけインパクトを残せるか」ではないかと思う。
そのラウンドで自己最高飛距離に近いショットが出ればそのボールは一生「飛ぶボール」として心に残り、ギュギュッとスピンがかかれば、「すげー止まるボール」としてその銘柄は心に刻まれる。他人の評価はほとんど関係ない。
いまキャロウェイ「クロム ツアー X」はトッププロも使うのに「飛ぶ、止まるボール」として頭にインプットされた。これからのエースボールになった。ゴルフシーズンに入る前に使用ボールが決まった。もう今シーズンはあれこれ試しながらラウンドすることがない、これはかなり大きい。
ちなみに開幕した女子ツアーでは「クロム ツアー X」を使うプロがほとんどだという。やヤバイ、すでに「飛んで止まる」ボールだということがバレてしまっているようだ。
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