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カップを狙うならボールは転がす。“浮かせる”よりも「寄る確率」が高くなるぞ!

スコアが5打よくなる! 藤田寛之が教える寄るアプローチの極意 第1回

2024/05/18 ゴルフトゥデイ 編集部

グリーン,ゴルフ,アプローチ

グリーン周りのアプローチでミスをせず、ピンにピタリと寄せるには何をすればいいのか。初心者もベテランも、この藤田流のテクニックで「寄るアプローチ」を手に入れよう!

GOLF TODAY本誌 No.623/110~113ページより
取材・構成・文/小山俊正 撮影/相田克己 イラスト/北村公司 取材協力/葛城ゴルフ倶楽部

考え方とクラブ選択

あなたの選択肢は?

ボールがカラーにあるケースはパターでも打てるが、カラー部分の芝の抵抗が読みにくい。そこでグリーン面までキャリーさせ、そこからコロがすのが藤田流。ピンの近くまでキャリーさせる方法もあるが、このケースでは
ボールがカラーにあるケースはパターでも打てるが、カラー部分の芝の抵抗が読みにくい。そこでグリーン面までキャリーさせ、そこからコロがすのが藤田流。ピンの近くまでキャリーさせる方法もあるが、このケースではボールを高く上げる必要性がないので選ばない。

二つの原則でアプローチを組み立てる

アプローチに対する考え方は十人十色ですが、私の原則は大きく二つ。「ボールをグリーン面にキャリーさせる」こと、そして「グリーン上はボールを極力コロがす」ことです。

前者は、短くきれいに整備されたグリーンに着弾させれば、ボールの跳ね方やコロがり方が計算できる。カラーやセミラフにワンクッションさせると、きれいに見えても芝にくわれたり、思わぬ跳ね方をするリスクがあるからです。

後者は、コロがすことが一番簡単で、大きなミスが出にくく、安定してピンに寄ります。グリーンエッジから1~5メートル先のグリーン面にボールをキャリーさせ、そこからコロがす。初心者はもちろん、アプローチが苦手な中・上級者はここから始めましょう。

グリーンの硬さやスピードを予測しボールの落とし場所を決める。
グリーンの硬さやスピードを予測しボールの落とし場所を決める。

極意1 ボールをグリーン面にキャリー

特殊な状況を除き、ボールをグリーン面にキャリーさせる。ラフはもちろん、花道やカラーなどグリーンより芝が長いところは障害物と見なして、それを越えるように打つ。
特殊な状況を除き、ボールをグリーン面にキャリーさせる。ラフはもちろん、花道やカラーなどグリーンより芝が長いところは障害物と見なして、それを越えるように打つ。
距離のあるアプローチでピン位置が手前になればなるほど、高い球を打ってランを少なくする。ただし、ロブショットは難易度が高いので最後の選択肢とする。
距離のあるアプローチでピン位置が手前になればなるほど、高い球を打ってランを少なくする。ただし、ロブショットは難易度が高いので最後の選択肢とする。

極意2 保険をかけ落とし場所を設定する

ボールの落とし場所はグリーンエッジから1~5メートル先が目安。距離が足りずにカラーやラフに落ちると大きなミスになるので、ギリギリを狙わずに保険をかけることが大事。
ボールの落とし場所はグリーンエッジから1~5メートル先が目安。距離が足りずにカラーやラフに落ちると大きなミスになるので、ギリギリを狙わずに保険をかけることが大事。

7番アイアンでのコロがしを覚えよう

ロフト角が立っているクラブほどタテ距離が合う!

7番でのチップショット。小さい振り幅でボールが飛んでくれるのでミート率や再現性が高くなる。
7番でのチップショット。小さい振り幅でボールが飛んでくれるのでミート率や再現性が高くなる。

コロがしは慣れさえすればミスなく簡単に寄る

なぜコロがしたほうがいいのか? それは自分で検証するとわかります。仮に10ヤードの距離をウェッジとパターで10球ずつ打ってみてください。ウェッジでベタピンにつくことがあるかもしれませんが、10球の平均値をとるとパターのほうがピンに近くなり、その誤差も少ないはずです。

加えて、ウェッジで高く上げると振り幅が大きくなるぶん、動きのズレが出やすい。フェースの上をボールが滑ったりするなど不確定要素も増えます。一方、パターやロフト角が立っている(少ない)クラブでコロがすと、動きのズレが小さく安定して寄る、フェースの当たる面積が大きくミスをしにくい、タテ距離を合わせやすい、といった利点があり、総合的にピンに寄る確率が高くなるわけです。

私の場合、ボールをグリーン面にキャリーさせることが第一なので、花道やカラーではパターでなく、7番アイアンが使えるかどうかを最優先に考えます。そして、状況に応じて8番や9番、ウェッジなどを使用します。

アマチュアの皆さんが7番や8番でのコロがしを難しく感じるのは、経験値が低く、ピンに寄るイメージが出ないからです。慣れさえすれば簡単なので、まずは練習量を増やし経験を積みましょう。当面のラウンドはピッチングウェッジとアプローチウェッジの2本を使い、必要最小限のキャリーにしてコロがして寄せる。この方法で「コロがしに慣れる」ことが大切です。

極意3 「面」が大きいほどやさしい

ロフト角が立っている(少ない)クラブは、フェース面を大きく使えるのでボールにコンタクトしやすく、ミスが出にくい。花道からのアプローチは7、8番がオススメ。
ロフト角が立っている(少ない)クラブは、フェース面を大きく使えるのでボールにコンタクトしやすく、ミスが出にくい。花道からのアプローチは7、8番がオススメ。
ロフト角が寝ている(多い)クラブほど、ボールに当たる面積が狭くなり、コンタクトが難しい。SWでのアプローチで大きなミスが出るのはそのため。
ロフト角が寝ている(多い)クラブほど、ボールに当たる面積が狭くなり、コンタクトが難しい。SWでのアプローチで大きなミスが出るのはそのため。

極意4 7番から60度まで幅広く使う

SWは使わず、PWとAWの2本からスタート。7、8番だと飛びすぎてしまう人もPWなら打ちやすい。そしてコロがすことに慣れたら7、8番を使用する。
SWは使わず、PWとAWの2本からスタート。7、8番だと飛びすぎてしまう人もPWなら打ちやすい。そしてコロがすことに慣れたら7、8番を使用する。
コロがす時は7番、目いっぱい高く上げる時は60度のウェッジ。状況に応じて使い分けるのが藤田流。
コロがす時は7番、目いっぱい高く上げる時は60度のウェッジ。状況に応じて使い分けるのが藤田流。

ボール位置は右足寄り

7番でコロがす時はボールを右足寄りに置き、ハンドファーストに構える。クラブを短く握り、手首をコネずにコンパクトに振ることが大事。
7番でコロがす時はボールを右足寄りに置き、ハンドファーストに構える。クラブを短く握り、手首をコネずにコンパクトに振ることが大事。




藤田寛之

藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城ゴルフ倶楽部)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。レギュラーツアー18勝、シニアツアー3勝。2012年は年間4勝を挙げ、43歳にして初の賞金王に輝いた。23年は日本シニアオープン優勝。リカバリー率1位を4回も獲得している「寄せの達人」。

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